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NEW PRODUCTS TESTREPORT |
日本IBM | ||
ViaVoice for Windows Premium Version 9 日本語版 | ||
定番音声入力ソフトが手持ちマイクを新装備 | ||
TEXT:藪田織也 Oliya Yabuta |
左からヘッドセット、USB音声入出力アダプタ、手持ちマイク。手持ちマイクにはスタンドが付属するが、これを取り付けて卓上で使う仕様にはなっていない |
筆者がViaVoiceシリーズに触れるのは今回が初めてとなるのだが、それまではカーナビゲーションなどに採用されている音声認識技術を使ってみて、その認識精度1つを取ってみても、まだまだ本格的な実用化は先だなと感じていた。そんな先入観を持ったまま本製品を試用したのだが、結論から書くと、音声認識率とその追従スピードは素晴らしいものだった。IBMの資料によると、インストール時に行なう1分間のクイックエンロール(音声認識の学習)のみで、90%以上認識できる学習能力があると言うが、確かにそのとおりだったのである。
筆者は学生時代にアナウンサーの訓練を受けたことがあり、今でもたまにナレーションの仕事を請けることもある。そのため発音は標準的で認識率がよいのかもしれないと考え、まだなまりが抜けない地方出身の友人に試してもらったのだが、認識率はあまり変わらなかった。ただ、クイックエンロールの際に緊張して普段と異なる口調になると、実際に使うときも同じように話さなければならないので、誤認識が多くなる。
入力された音声に対し、テキスト入力以外の機能を割り振ることも可能となっている | 音声認識ウィザードではユーザーの問題点を検出し、その対策を行なうことも可能である |
Wordとの連係も重視されており、テキスト入力だけでなく上図のようにドキュメントの保存などの各機能を呼び出すこともできる |
10万語の基本辞書を持つViaVoiceの認識率が高いとは書いたが、辞書にない言葉もまだたくさんある。とくに2音で発音する人名は間違いやすく、学習させてもなかなか変換してくれないものもあった。それでも大半のものはエンロールを繰り返し、学習させていくことでさらに認識率を高めることができるようだ。基本的には自動学習機能があるので、本製品は使えば使うほど便利になっていくのである。
新開発の手持ちマイクはノイズキャンセラーを備え、ヘッドセット以上に正確に音声を拾ってくれるものだ。ただし、手持ちである以上キーボード操作を行なう場合にはヘッドセットのほうが便利なことは否定できない。用途に合わせて両者を使い分けるとよいだろう。
数多くのバージョンアップを繰り返したViaVoiceだが、筆者のように初めて使うユーザーにとっては、ディクテーションやエンロールなど、ややなじみの薄い用語が使用されていることや、ヘルプファイルが詳し過ぎて難解であることなど、基本機能以外で使いにくい部分も目立つ。しかし、自分用にきちんと育てる時間と使用法を勉強する根気さえあれば、実用度の高いツールとなりそうだ。
・製品名:ViaVoice for Windows Premium Version 9 日本語版
・標準価格:22,800円
・メーカー:日本IBM
・問い合わせ先:0120-04-1992
・URL:http://www.ibm.co.jp/
・対応OS:Windows XP/Me/98SE/2000+SP2
●動作環境
・CPU:Pentium II 333MHz以上
・メモリ
64MB以上(Windows Me/98SE)
96MB以上(Windows 2000)
256MB以上(Windows XP)
・HDD:510MB以上の空き容量
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□日本IBMのホームページ
http://www.ibm.co.jp/
□製品情報
http://www.ibm.com/jp/voiceland/products/v9/
□関連記事
【11月6日】日本IBM、Windows XPに対応した「ViaVoice Version 9」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20011106/ibm.htm