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NEW PRODUCTS TESTREPORT

ソニー
VAIO C1 PCG-C1MRX
ハードウェアMPEG-2エンコーダを搭載したミニノートPC
TEXT:天野 司 Tsukasa Amano


キーボード右上にはジョグダイヤルが位置する。片手で本機を持つ場合には便利だが、逆に両手でのオペレーション時にはあまり使う必要がないかもしれない
 ソニーの「PCG-C1MRX」は、同社のミニノートPC「VAIO C1」シリーズの最新機種だ。そのCPUにはTransmeta Crusoeシリーズの最新チップとなるTM5800 733MHzが採用されるが、下位機種としてTM5500 667MHzを搭載した「PCG-C1MR/BP」も用意される。

 C1シリーズは、キーボードとほぼ同サイズの液晶を搭載することで極限まで小型化を果たした、いわゆるミニノートPCだ。従来機では1,024×480ドット表示に対応した液晶パネルが使われていたが、今回採用されたパネルでは1,280×600ドット表示となっている。対角サイズは従来とほぼ同じ8.9インチとなる。

 同社ではこの液晶を「ウルトラワイドSXGA」と呼んでいるが、単純に画素数だけを比較するとXGAとほぼ同等というところ。実際に表示を見ると、さすがにドットピッチが狭いだけあって、文字などはかなり小さい。バックライトも心持ち暗めな印象なので、初めて使う場合には多少の違和感を感じるかもしれない。ただ、ドットピッチが狭いことで、精細感は強調される。実際、ポイント数が大きい文字を表示させてみると、かなりきれいに見える。

本体右側面(上)にはポートリプリケータ接続端子、左側面にはPCカードスロットなどを備え、拡張性も高い
 新たに作られたボディは、アルミ/マグネシウム合金とプラスチックとで構成されており、非常に美しくかつしっかりした印象だ。液晶パネル上部にはC1シリーズでおなじみの動画カメラ「MOTION EYE」が搭載される。

 このMOTION EYEは、画素数こそ従来と同じ35万画素であるが、プログレッシブスキャンに対応したことで画質的には向上している。さらに今回からMPEG-2ハードウェアエンコーダ「MPEG-2 R-Engine」を搭載することで、リアルタイムMPEG-2キャプチャも可能となったのは大きな進歩だ。

 カメラ撮影時のエンコードパラメータは、640×480ドット、最高8Mbps、平均6MbpsVBRのファインモード、同4/3Mbpsのノーマルモードが利用できる。さらに標準添付のポートリプリケータに装備されたビデオ入力端子からもリアルタイムキャプチャが可能だ。このサイズのノートPCでMPEG-2リアルタイム録画ができるというのは、まさに驚きである。

 OSは今回からWindows XP Home Editionが搭載されるが、MOTION EYEはWindows XPからは標準的なイメージングデバイスとして認識される。そのためフォルダウィンドウ上で静止画撮影を行なうWIA(Windows Imaging Acquisition)機能が利用できるし、Windows MovieMakerなどからもキャプチャデバイスとして利用できる。

本体右前面にはメモリースティックスロットを搭載している C1MRXには10Base-T/100Base-TX対応LANポートを持つポートリプリケータ(左)と、IEEE 802.11b対応の無線LANカード(右)が付属する

付属のURecSightを使えば、撮影した映像をリアルタイムで動画配信できる(画面ははめ込み合成)
 C1MRXでは、IEEE 802.11b準拠の無線LANカードが付属する。このカードは他製品に比べてアンテナ部の張り出しがきわめて小さく、本機のボディときれいにマッチする。これと合わせてBluetooth機能を搭載しているのも特徴の1つだ。

 バッテリ駆動時間は標準添付のSバッテリーで2~4時間、オプションのLLLバッテリーで8.5~15.5時間となる。低消費電力のCrusoeを搭載しておきながら、標準で最大4時間というのはちょっと残念なところ。SとLLLの中間にあたるLバッテリークラスがデフォルトで欲しいと感じる。

 とはいえ、やはりC1シリーズの魅力はこのサイズと軽さだろう。とにかく小さなマシンが欲しい人にとっては、魅力的な製品となるに違いない。

・製品名:VAIO C1 PCG-C1MRX
・標準価格:オープン(実売220,000円前後)
・問い合わせ先:ソニーマーケティング株式会社
・TEL:03-5454-0700(VAIOカタログセンター)
・URL:http://www.vaio.sony.co.jp/
・CPU:Transmeta Crusoe TM5800 733MHz
・チップセット:TM5800+ALi M1533
・メモリ(最大):128MB DDR SDRAM+128MB SDRAM(合計256MB)
・HDD:30GB
・FDD:なし
・CD-ROMドライブ:なし
・ビデオチップ:ATI MOBILITY RADEON-M
・ビデオメモリ:8MB
・ディスプレイ:8.9インチウルトラワイドSXGA TFT液晶
・最大解像度:1,280×600ドット/1,677万色
・サウンドチップ:ALi M1533+AC'97 CODEC
・モデム:56kbps(V.90対応)
・キーボード:86キー
●外部インターフェイス
 ・本体部:USB×1、IEEE 1394 (S400、4ピン)×1、ヘッドホン×1、マイク×1、モデム(RJ-11)×1、PCMCIA Type2(CardBus対応)×1、マジックゲート対応メモリースティックスロット×1、バイオ関連製品用DC OUT×1、ポートリプリケータ専用端子×1
 ・ポートリプリケータ部:USB×1、A/V出力×1、A/V入力×1、外部ディスプレイ出力(D-Sub 15ピン)×1、10Base-T/100Base-TX(RJ-45)×1
・電源:リチウムイオンバッテリおよびAC電源
・バッテリ駆動時間:約4時間
・本体サイズ(W×D×H):249×152×28~30mm
・重量:約998g
・OS:Windows XP Home Edition
・付属ソフト:URecSight Ver.2.0、DVgate Ver.2.4、SonicStage for VAIO、MovieShaker Ver.3.2など


■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)

□ソニーのホームページ
http://www.vaio.sony.co.jp/
□製品情報
http://www.sony.co.jp/sd/products/Consumer/PCOM/PCG-C1MRX/
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【11月12日】ソニー、新バイオC1の発売を2002年1月中旬に延期
~CPUの調達遅れのため
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20011112/sony.htm
【10月12日】ソニー、1,280×600ドット液晶とMPEG-2エンコーダチップを搭載したバイオC1
~上位モデルはCrusoe TM5800 733MHzを搭載
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20011012/sony2.htm


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