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NEW PRODUCTS TESTREPORT |
富士通 | ||
FMV-BIBLO LOOX S8/70W | ||
重さ890gのボディにAirH" 端末を内蔵したミニノート | ||
TEXT:中嶋敦司 Atsushi Nakajima |
本体右側面(上)にはPCカードスロット、背面にはモデム、およびUSB端子を備えている |
S8/70Wを見て最初に気付く点は、一新された本体デザインだろう。マグネシウム素材を採用した筐体にはディスプレイ背面に富士通ロゴをあしらったブルーの金属プレートが配され、従来のデザインよりも高級感が増している。サイズ的には従来機S7/60Wが幅243mm、奥行151mm、厚さ30mmであったのに対し、本機では同231mm、149.5mm、26.5mmとさらに小型化している。従来機ではその厚さを気にする声も多かったため、今回の薄型化はポイントが高い。
本機のようなミニノートではサイズ的に機能的制限の多くなるディスプレイも強化されており、新たに1,024×600ドット表示に対応したワイド液晶パネルが採用された。パネルサイズは従来とほぼ同等の8.9型のまま解像度が向上しているために、小さな文字を読みづらい場面は多くなったが、Webブラウザとメーラーなど、複数のアプリケーションを同時に使用する際の使い勝手は明らかに向上している。
筐体内部における大きな強化点はCPUが変更されたことだ。従来機ではTM5400 600MHzであったが、S8/70Wではこの後継となるTM5500 700MHzが採用された。TM5500はTM5400とアーキテクチャ的な差異は小さいが、0.13μmプロセス化されたことでさらなる省電力化と高クロック化が可能となったものだ。パフォーマンス的には大雑把に言って100MHz分高速化されているわけだが、OSに採用されているWindows XPをデフォルト状態で使用するには、このCPUパワーと128MBのメモリ容量ではやや不足気味で、ウィンドウの開閉や画面スクロール、漢字変換など、さまざまな面でもたつきを感じた。しかし、「システムのプロパティ」で「パフォーマンスを優先する」設定に変更し、画面まわりの処理を簡易化するとかなり快適になる。今回試用したS8/70Wはパフォーマンスの調整を終えていない試作機だったが、製品版での高速化が期待されるところだ。なお、バッテリ駆動時間は試作機のため実測できていないものの、カタログスペックでは従来機の3.7時間から4.6時間へと向上している。
キーボードは主要なキーの幅が均等で、サイズのわりには扱いやすいが、左Ctrlが端に配置されていない点は気になる | バッテリは本体手前に装着するため、大容量バッテリに変更すればパームレスト部も広がる |
本体左側面にはH"端末のON/OFFを切り換えるスイッチが用意されている。また、H"端末にメールが届くと赤いLEDが点灯する |
本機は、薄さ、質感、画面解像度など、従来機で指摘されていた点をすべて改善していると言ってもよい。これに加えて、さらなる軽量化やAirH"への対応、Windows XPの導入による安定性の向上と休止状態からの復帰の高速化(約20秒)など、より使い勝手のよい点も兼ね備えている。メモリが128MB固定である点やCPUのパフォーマンスなどには不満も残るが、この機能にOffice XP Personalまでプリインストールされて160,000円前後の価格は非常にお買い得だ。実用的なモバイル端末を探している方には魅力的な1台となるだろう。
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□富士通のホームページ
http://www.fmworld.net/
□製品情報
http://www.fmworld.net/product/frame/pcpm0110/loox/
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