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NEW PRODUCTS TESTREPORT |
高木産業 | ||
PCM-C700 | ||
Windows CE 3.0を搭載した新コンセプトB5ファイルノート | ||
TEXT:一ヶ谷兼乃 Kenno Ichigaya |
筐体がB5ファイルサイズだけのことはあり、キーボードまわりは一般的なHandheld PCなどよりも余裕がある |
本機の基本スペックは、CPUとしてモバイルCeleron 700MHz、チップセットはビデオ機能統合型のSiS630Sで、メインメモリは64MBが搭載されている。ディスプレイは1,024×768ドット、65,536色表示に対応した12.1インチTFT液晶だ。サイズは幅269mm×奥行き242mm×厚さ25.4~29mmで、大部分のハードウェアは同社のサブノートPC、PNII-C700Mと共通のようだ。
ストレージは本体右側面に24倍速CD-ROMドライブが内蔵されるが、HDDは搭載されておらず、代わりに64MBのフラッシュメモリがIDEコネクタに接続される。消費電力の大きいHDDを使用しないため、約4時間のバッテリ駆動が可能である点は、本機ならではのメリットと言えよう。
左側面部(左)にはPCカードスロットとEthernetポート、右側面部(右)にはCD-ROMドライブとUSB端子を備える |
パームレストの内部には、IDEコネクタが存在し、ここにフラッシュメモリが装着されている |
左側面に装備されているUSBポートには、マウスやキーボード、プリンタなどを接続する。プリンタは、x86用Windows CE 3.0のドライバが用意されている機種に限定されるが、そういった仕様の製品はまだ市場にほとんど出回っていない。これを踏まえて、高木産業ではキヤノンのBJ F360をセットにしたモデルも用意しているので、必要に応じてこちらを選択するのもよいだろう。
PCM-C700の電源を入れると、約30秒でWebブラウザやメーラー、ワープロ、画像ビューア、CDプレーヤー、ゲームなどのアイコンが並ぶ独自のデスクトップ画面が表示される。このアイコンをクリックすることでそれらを起動することができるが、Windows CEの標準的なインターフェイスではなく独自のGUIを採用しているために、本機用に開発されたアプリケーション以外は利用できない上、ActiveSyncが装備されていないことからWindowsマシンとの連係を取ることもできない。しかし、標準搭載のアプリケーションの動作は高速で、本体サイズが一般的なCE機よりも大きいために、操作性が良好だった点は評価できる。
このほか、レジューム機能もサポートされていないなどの制限を考慮すると、一般的なCE機と言うよりはCEを採用したインターネット端末に近いと言える。汎用的なx86アーキテクチャのノートPCにCEを搭載して、家電的な情報端末を目指すというコンセプトは素晴らしいが、先進的な分だけ内包する問題も多い。とはいえ、リカバリーCDによる機能拡張などを含めて考えれば、インターネットやワープロなどが気軽に扱える端末として、大きな可能性を持った製品だ。
本機を起動後に現われるオリジナルのデスクトップ画面。ここから各機能を呼び出してゆく | Webブラウザも、1,024×768ドットの解像度を活かして表示されるので、使い勝手はよい |
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□高木産業のホームページ
http://www.purpose.co.jp/
□製品情報
http://www.purpose.co.jp/pc/lineup/pcm-c700.htm
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010918/purpose.htm