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NEW PRODUCTS TESTREPORT

日本IBM
NetVista M41 Slim 6844-32J
Pentium 4搭載機の流れを先取りする省スペースデスクトップPC
TEXT:橋本新義 Shingi Hashimoto


筐体のサイズはPentium 4搭載機の中では最小クラスとなっている 排気ファンは筐体上部を向いているために、向かいの席に風が当たることもない
 日本の大手メーカー製デスクトップPCで主流を占める、省スペースPC。これまではPentium III搭載機が主流だったこの市場だが、急激な低価格化とIntel 845の登場などにより、Pentium 4を搭載する動きが加速している。このとき問題となるのがPentium 4の発熱だが、これもIntelとPCメーカーの努力によってしだいに解決に向かっており、いくつかのメーカーが、すでにこのタイプの製品をラインナップに加え始めている。

 こうした流れの中で最先端を行くのが、ここで紹介するIBMのNetVista M41 Slim 6844シリーズである。本機の特徴は、何と言ってもその筐体サイズだ。縦置き状態で幅92mm×奥行き260mm×高さ315mmと、Pentuim 4搭載機では最小クラス、デスクトップ機全体で見てもそうとう小さい部類に入る。

 今回試用したのは、OSにWindows 2000 Professionalを採用する「6844-32J」だが、6844シリーズで異なるのはOSとバンドルされるOffice XPの有無のみで、基本的なハードウェア構成は共通となっている。CPUはSocket478版のPentium 4 1.6GHz、チップセットはIntel 845で、メインメモリはPC133対応SDRAMを128MB搭載する。HDDは5,400rpmタイプで容量は40GB、CD-ROMは24倍速と、ビジネス向けということもあり比較的手堅い構成だ。

 ビデオまわりは、ビデオチップがオンボードのnVIDIA Vantaで、ビデオメモリは16MBのSDRAMとなっているが、AGPスロットは持たない。ディスプレイとの接続は、D-Sub 15ピン端子によるアナログRGB出力とDVI-D端子によるデジタル出力の2系統と汎用性は高く、アナログ出力のクオリティは1,600×1,200ドット表示でもある程度は実用になるほどだ。しかしながら、デュアルディスプレイ出力には対応していない。

CPUファンは透明なカバーによって囲まれており、筐体内部のほかの部分と仕切られる。このため、CPUには冷たい外気のみが当たる 2本のPCIスロットを持つPCIライザーカードが搭載されており、これを使っての拡張も可能だ

小型マシンでは専用形状になっていることの多いマザーボードだが、本機の場合はコストパフォーマンスを意識してか、FlexATXフォームファクタのものを採用する
 本題とも言えるPentium 4を小型筐体に搭載するための熱設計に関してだが、本機の場合は熱源となる箇所に、ファンを複数配置する方法が採られている。これまでのPentium 4採用機は大きなファンを1、2基使うタイプがほとんどだったが、それらとはちょうど逆のアプローチだ。

 本機の場合、主要なファンは3カ所。電源部に1基、CPUクーラーに1基、そしてCPUまわりとマザーボード上のデバイスなどからの放熱を外部に排出する筐体上部の1基だ。とくに工夫が感じられるのは、電源部のファンが筐体内部側に配置されている点と、CPUファンが透明なカバーによって囲まれ、ここに外気が吸入されると同時に、暖められた排気が直接筐体上部のファンから外部へ排出される仕組になっている点だ。

 また、稼働音の低減も図られている。すべてのファンは温度によって回転数が可変するタイプとなっており、アイドル時などでは何とCPUクーラーのファンが完全に停止してしまう。さらに上部のファンは8cm角の静音性に優れたものとなっているほか、試用機ではHDDも静粛性の高いSeagateのU6が搭載されるという徹底ぶりで、確かにPentium 4搭載機としては静かに感じられる。

 総じて見ると、このNetVista M41 Slimはバランスのよい設計が光る、IBMならではのマシンに仕上がっている。見た目とブランドを裏切らない、“デスクトップ版ThinkPad”とも言うべき本機は、日本におけるNetVistaブランド普及の大きな立て役者となるに違いない。


・製品名:NetVista M41 Slim 6844-32J
・標準価格:オープン(IBMダイレクト価格185,000円)
・問い合わせ先:日本IBM
・TEL:0120-04-1992
・URL:http://www.ibm.co.jp/
・CPU:Pentium 4 1.6GHz
・チップセット:Intel 845
・メモリ(最大):128MB PC133対応SDRAM(1GB)
・HDD:40GB(Ultra ATA/100)
・FDD:3モード
・CD-ROMドライブ:最大24倍速
・ビデオチップ:nVIDIA Vanta
・ビデオメモリ:16MB SDRAM
・最大解像度:1,600×1,200ドット/1,677万色
・サウンドチップ:Analog Devices AD1885(AC '97 CODEC)
・キーボード:109キー(PS/2接続)
・拡張スロット(空き):PCI×2(2)
●インターフェイス
 ・本体前面:USB×2、ヘッドホン×1、マイク×1
 ・本体背面:USB×2、キーボード(PS/2)×1、マウス(PS/2)×1、シリアル(D-Sub 9ピン)×1、パラレル(D-Sub 25ピン)×1、ディスプレイ(D-Sub 15ピン)×1、ディスプレイ(DVI-D)×1、LINE IN×1、LINE OUT×1、10BASE-T/100BASE-TX(RJ-45)×1
・本体サイズ(W×D×H):92×260×315mm
・重量:約5.6kg
・OS:Windows 2000 Professional
・付属ソフト:ConfigSafe、Norton AntiVirus OEM版など


■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)

□日本IBMのホームページ
http://www.ibm.co.jp/
□製品情報
http://www.ibm.com/jp/pc/netvista/nvm411a/nvm411aa.html
□関連記事
【10月3日】IBM、世界最小クラスのP4搭載デスクトップPC「NetVista M41 Slim」など
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20011003/ibm.htm


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