|
NEW PRODUCTS TESTREPORT |
キヤノン | ||
CanoScan N1240U | ||
使い勝手を向上させたスリムなフラットベッドスキャナ | ||
TEXT:本間 文 Bun Honma |
縦置きスキャンが可能で設置スペースを取らないため、本機を手元に置いておくことも比較的簡単だ |
今回新たに発売されたN1240Uは、光学解像度1,200dpi、カラー48bit(RGB各色16bit)入力/24bit(各色8bit)出力と、ベースとなるハードウェアは従来モデルのN1220Uと共通だ。
また、LIDE(LED Indirect Exposure:LED間接露光読み取り方式)と呼ばれる小型・軽量のLED光源をベースとしたスキャニング方式とFDDにも使用されるUltra Micro Motorの組み合わせによってUSBバスパワード方式を実現。電源の供給もUSB経由で行なわれるため、PC本体と接続するためのケーブル1本ですむ設置の手軽さは失われていない。
Advanced Z-lid式のヒンジにより、厚みのある雑誌などの固定も行ないやすくなっている |
なかでもE-mailボタンはボタンを押すだけで自動的にプレビューを開始し、原稿サイズを検知。あらかじめ設定されたファイルサイズに収まるようにスキャニングされるというもの。しかも、Outlook Expressなどのメジャーなメーラーであれば、一度メーラー側の設定を行なっておけば、2回目以降はファイルの自動添付まで行なってくれる。
また、スキャンボタンの機能強化も見逃せない。これまで、他社製のスキャナなどではサポートされていた機能ではあるが、写真などの原稿サイズや枚数、傾きを自動的に検知し、傾斜角が10度以内であれば、原稿の傾きも補正しつつ複数枚の写真を同時にスキャニングできるマルチ写真スキャン機能がサポートされ、この機能をスキャンボタンに割り当てられるようになった。もちろん、このマルチ写真スキャン機能をPhotoshopなどのアプリケーションと組み合わせて使うこともできる。
新たに設けられた3EZボタン。コピーやE-mailへの画像添付などがワンタッチで実行できる |
また、処理の関係上ボカシを入れなければならなくなるため、画質への影響も少なくない。それでも、高機能なフォトレタッチソフトがなくとも、手軽にホコリ除去が行なえるというメリットは、なかなかのものだ。また、最高で厚さ32mmまでの原稿をしっかりと押さえてスキャニングできる、Advanced Z-lidと呼ばれるZ形のヒンジと縦置きスキャンも好評で、さまざまな原稿を手軽にスキャニングできる。
これらの、一見地味な機能強化によって、プレゼンテーションの作成や新聞記事などのファイリングなど、意外とスキャナを使う機会が多いビジネスユーザーにとっては、スキャニング処理にかかる時間の低減も図ることができ、心強い味方となる製品に仕上がっている。
600dpiで反射原稿をスキャニングした際のサンプル。暗部はつぶれがちだが、色合いは万人受けする鮮やかなものだ |
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□キヤノン販売のホームページ
http://www.canon-sales.co.jp/
□製品情報
http://www.canon-sales.co.jp/Product/CanoScan/n1240u/index-j.html
□関連記事
【9月3日】キヤノン、1,200dpi対応の薄型A4フラットベッドスキャナなど
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010903/canon.htm