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NEW PRODUCTS TESTREPORT

日本HP
hp color inkjet printer cp1160
モノクロ17ppm、カラー16ppmを実現した高速インクジェットプリンタ
TEXT:本間 文 Bun Honma


本体前面にはインクの残量やプリンタのステータスをモニタリングできる液晶パネルが設けられている
 カラーインクジェットプリンタ市場において、かきいれ時とも言える年末商戦を控え、まずは日本HPがその製品ラインナップを一新した。その新製品群の中でフラグシップに位置付けられるのが、今回紹介するhp color inkjet printer cp1160だ。その名前からも分かるとおり、これまでの主力製品であったdeskjetシリーズではなく、別製品としての登場だ。当然、ハードウェア的にも大きな変更が加えられている。その最大の特徴は、同社が“スナッパー式”と名付けたインクタンクと、分離したインクヘッドを基軸とする新プリントシステムを採用していることだ。

 この新プリントシステムは、顔料系ブラックインクとCMYの3色からなるカラーインクの下に、各色独立の印字ヘッドが2階建て構造で収まるようになっている。そのヘッド構成はモノクロ、カラーとも物理304ノズル、実効292ノズルで、ノズル間隔はモノクロが600dpiピッチの1,200dpi、カラーが同じく600dpiピッチの2,400dpiとなる。これにより、その印字速度は、標準ではモノクロ8ppm、カラーグラフィックスで7ppmだが、印字品質の高さでは定評のあるエコノミーモードでは、モノクロ17ppm、カラーグラフィックス16 ppmにまで高速化することができる。


USBインターフェイスのほかに、着脱可能なLIOスロットを採用。パラレル対応インターフェイスモジュールが付属する
 また、cp1160には昨年フラグシップモデルとして投入されたhp deskjet 990cxiで搭載されたHPA(High Performace Architecture)が継承されている。

 この機能は、通常PCで行なってきたRGBからCMYKの変換などの処理を、プリンタ側のコントローラで行なわせることで、プリントアウトのスループットを飛躍的に向上させるものだ。これにより、100MB超の画像出力でも、プリンタドライバがCPUを占有する時間はごくわずかですむため、すぐに次の作業に取りかかることができる。その快適さは、印字速度の速さ以上にユーザーのストレスを軽減してくれる。

 解像度は最大2,400×1,200dpiと、deskjet 900シリーズと変わらないが、cp1160ではこれらのノズルをEDD(Electronic Drop Detection system)と呼ばれる機能で管理し、センサーによって検知された(または、ユーザーによって設定された)用紙に最適なドロップ量に調整される。これに加えて、同社が競合他社をリードするハーフトーン技術との組み合わせにより、普通紙でも高品位のカラー印刷を実現している。


インクの組成は従来のdeskjetシリーズとほとんど同じだが、本製品からヘッドから独立したインクタンク方式になった インクの下には各色独立の印字ヘッドが収められる2階建て構造になっている。このため、本体はどうしても大きくなりがちだ

 本体デザインは2階建てのインクシステムを収め、さらに高速にヘッドを駆動するために大型化せざるを得なくなり、deskjetシリーズとはまったく異なるボクシーなデザインとなった。しかも、その本体色も、同社のコンシューマPCであるhp pavilionシリーズと同系色のメタリックカラーが採用されている。カラーリングについては、ユーザーの好みの問題なので、あえて言及しないが、その材質は、試用したものが量産前のサンプルであったことを差し引いてもフラグシップモデルと呼ぶにはあまりにチープな印象を拭い切れなかった。ただし、フロント給紙機構を継承し、インクの交換も手前に引くタイプのカバーを開けるだけでよいため、ボックス型の本体上部に約22kgまでの物を載せられるようになったという効果もある。

 インターフェイスはUSBとフロントに設けられたIrDA準拠の赤外線ポートに加え、初期のlaserjetシリーズでも好評だった着脱式のI/Oスロット(LIOスロット)を採用。標準でIEEE 1284準拠のパラレルインターフェイスモジュールが付属するほか、オプションで10Base-T/100Base-TX対応のイーサネットモジュールも用意される。また、USBポートはUSB 2.0にも対応するが、高速転送モードはサポートされていないため、メーカーによれば速度的なメリットはないと言う。

 両面印刷ユニットも標準装備されており、ヘビーデューティーなビジネス用途から、写真出力まで、幅広く活躍できる製品に仕上がっている。


新プリントシステムの採用とハーフトーニング技術の進化で、従来よりさらに良好な階調再現性を実現している

  • 製品名:hp color inkjet printer cp1160
  • 標準価格:69,800円
  • メーカー:日本HP
  • 問い合わせ先:0570-000-511
  • URL:http://welcome.hp.com/country/jp/jpn/welcome.htm
  • 最大解像度:2,400×1,200dpi
  • 印刷方式:オンデマンド型サーマル・インクジェット
  • 用紙サイズ:A4、B5、US NO10封筒、DL封筒、C6封筒、ハガキ
  • 給紙枚数:普通紙150枚、バナー用紙20枚、封筒15枚、OHP30枚、ハガキ45枚
  • インターフェイス:USB 2.0×1、双方向パラレル×1、IrDA×1
  • 本体サイズ(W×D×H):488×435×184mm(自動両面印刷モジュール搭載時)
  • 重量:約7.45kg(自動両面印刷モジュール搭載時)

    ■写真撮影
    若林直樹(STUDIO海童)

    □日本HPのホームページ
    http://welcome.hp.com/country/jp/jpn/welcome.htm
    □製品情報
    http://www.jpn.hp.com/inkjet/cp1160/
    □関連記事
    【9月18日】HP、新型ヘッドを搭載したUSB 2.0対応プリンタ「cp1160」など
    http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010918/hp.htm


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