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NEW PRODUCTS TESTREPORT |
EIZO | ||
GAWIN M-10 | ||
D4端子装備のマルチメディア液晶ディスプレイ | ||
TEXT:天野 司 Tsukasa Amano |
リモコンも付属する。画質調整などの各種設定もこのリモコンから行なう |
液晶パネル部側面にはスピーカーを内蔵しているが、厚みはあまりない |
このジャンルの製品は、すでにほかのメーカーから数機種が発売されている。同社の液晶ディスプレイとして初のマルチメディアモデルとはいえ、EIZOブランドを冠するからには、画期的なアピールポイントが必要だ。この点についてGAWIN M-10では、D4入力端子という、新しいフィーチャーで応えた。ちなみにD4端子とは、BSデジタルハイビジョン放送にも対応可能な、高解像度表示を前提とした新しいアナログビデオ端子だ。
本機は、いくつかの競合製品と同様に、液晶パネル部とコントローラ部とを分離したセパレート構造を持つ。ボックス状のコントローラ部に設けられた入力端子は、PC用としてDsub 15ピンアナログRGB端子が一つ、AV機器用としてD4端子が二つ、コンポジットおよびS-VIDEO端子が前面と背面にそれぞれ一つずつ用意されている。そして、各入力ごとにオーディオ入力端子が用意されているため、実に多くの機器を接続できる。
XGA表示に対応した15型液晶パネル部は、左右に大型のスピーカーが取り付けられており、AV入力時はもちろん、PCで画像を表示している場合でもサウンド再生が可能となる。
コントローラ部。本体前面にはコンポジット、およびS-VIDEO入力、背面にはこれらに加えてD4とアナログRGB入力端子が用意されている |
ビデオ入力時の画質に配慮しているのも特徴だ。全ピクセルが同時に点灯するLCDでは、インターレース方式のビデオ信号をそのまま表示すると、コーミングと呼ばれる櫛状の縞が発生して見苦しくなりがちだ。これに対してGAWIN M-10では、インターレースをプログレッシブ変換するI/P変換回路を搭載し、高画質化を図っている。
I/P変換に加えて、GAWIN M-10では3-2プルダウン機能までをも搭載した。映画など24コマ/秒の映像ソースは、ビデオ化する際に、ビデオの規格である約30fpsに変換して収録される。3-2プルダウン機能とは、この逆の変換を行なって、もともとの24コマ/秒の映像を再現する機能だ。DVD-Videoに収録された映画やテレビで放映される映画やアニメ作品など、24コマ/秒で制作されたソースを、きれいに再現することができる。これほどの機能は、専用のテレビでも一部の上位機種にしか備わっていないほどだ。
RGB入力による、1,024×768ドット/32bitカラー表示。コントラストが非常に高く、鮮やかな発色だ |
液晶パネルは4:3のXGAサイズのため、ハイビジョンワイド映像を表示する場合には、映像は上下方向を圧縮して表示する。縦方向の画素数はハイビジョン映像本来の解像度では表示できないが、それでも見た目の画像の精細度は十分に高い。PC用のディスプレイとしてはもちろん、デジタルハイビジョンを少ない設置スペースで手軽に楽しむ手段としてもお勧めの製品だ。
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□ナナオのホームページ
http://www.eizo.co.jp/
□製品情報
http://www.e-gawin.net/index.html
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010130/nanao1.htm