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NEW PRODUCTS TESTREPORT

オンキヨー
SE-120PCI
オーディオ機器メーカー製高級サウンドカード
TEXT:藤本 健 Ken Fujimoto


オーディオメーカー、オンキヨーのノウハウが詰め込まれたサウンドカードSE-120PCI
 SE-U77やSE-U55といったUSBオーディオユニットが好評を得ているオーディオメーカーのオンキヨー。そのオンキヨーがPCIバス対応のサウンドカード「SE-120PCI」を2月に発売する。

 同社は一連のUSB製品を発売する以前の98年3月にISAバス対応の高級サウンドカードSE-70とSE-50をリリースしている。今回のSE-120PCIは、その後継と言え、オーディオ機器メーカーのノウハウが惜しみなくつぎ込まれた製品だ。

 本機はPCIバスに接続されるメインカードと、そこからケーブルで接続するサブカードという構成であり、音質へのこだわりからRCAピン端子にはすべて金メッキが施されている。一般のサウンドカードとの差別化はこれだけにとどまらず、カード上にはオンキヨーオリジナルの高性能コンデンサが用いられ、回路パターンにおいても独自のグラウンド理論によってノイズ干渉の影響を低減する技術が盛り込まれている。これらの結果としてLINE OUT部のS/N比99dBというオーディオ機器並みの音質を実現しているのだ。


外部インターフェースはメインカードとサブカードに分けて装備されている
 外部端子はメインカード側に光端子(角形)のS/P DIF IN/OUT、およびLINE IN/OUTが、サブカード側には同軸端子のS/P DIF IN/OUT、ミニジャック端子のマイク入力、GAME/MIDIポートが備えられている。また、メインカードの内部端子としては、アナログのCD入力、デジタルのCD入力、サブ・マイク入力などが用意されている。S/P DIF端子からのデジタル入力は32kHz、44.1kHz、48kHzのそれぞれのサンプリング周波数に対応。また出力も44.1kHzと48kHzの切り換えが可能となっているので、必要に応じて選択することが可能である。

 サウンドチップはESS TechnologyのMaestro M3i、コーデックにSigmaTelのハイエンドチップSTAC9744Tが採用されている。この組み合わせよって同軸・光のS/P DIF出力端子からDolby DigitalおよびDTS信号の出力が可能となり、デコード機能を搭載したスピーカーシステムと組み合わせれば5.1chサウンドが楽しめる。ただし、Dolby DigitalおよびDTSのマルチチャンネル出力を実現するためには、これに対応したソフトウェアDVDプレイヤーが必要となる。


サウンドチップにはESSのMaestro M3iを採用する
 一方、MIDI機能は、Maestro M3iがMIDI音源機能を装備しているわけではなく、ソフトウェアシンセサイザWebSynthによって実現される。これはプレイステーション 2のソフトウェア音源への技術提供等を行なっているフェイスが開発したものであり、GM/GS互換でMIDI16パート、最大同時発音数128、音色数650+15ドラムキットというスペックを持っている。ソフトシンセとしてはCPU負荷は軽いものだが、コントロールパネルで同時発音数などを設定することも可能だ。

 バンドルされているソフトウェアはこのWebSynthだけではない。WAV、MP3、WMA、MIDIファイルを一括してデータベース管理するとともに、音楽CDからMP3やWMAにダイレクトエンコード可能なCarryOnMusicもその一つ。これはオンキヨーとデジオンの共同開発ソフトだ。またそのデジオンが開発した波形制作/編集ソフト、DigiOnSound Lightもバンドルされている。この分野のソフトは海外で作られたものが多い中、DigiOnSound Lightは数少ない国産ソフトであり、日本語メニューによって、誰でも抵抗なく扱うことができる。機能面ではサウンド6トラック、動画プレビュー、音楽CDからのリッピングなどを備え、さまざまなエフェクトを利用した自由な編集が行なえる。


WebSynthの最大同時発音数などの変更によりCPU負荷を調整できる
 現在、コンシューマ向けのハイスペックサウンドカードはSound Blaster Live!シリーズのみという状況になっている。そうした中、Live!を越えるアナログ音質を持ち、多くのソフトがバンドルされるSE-120PCIは、PCをオーディオ機器として利用したいユーザーにとって貴重な選択肢になるはずである。


  • 製品名:製品名:SE-120PCI
  • メーカー:株式会社オンキヨー
  • 問い合わせ先:072-831-4221
  • URL:http://mmc.onkyo.co.jp/
  • サウンドチップ:ESS Technology Maestro M3i
  • 対応スロット:PCI
  • メインカード部インターフェース:S/P DIF IN(光角形)×1、S/P DIF OUT(光角形)×1、LINE IN×1、LINE OUT×1
  • サブカード部インターフェース:S/P DIF IN(同軸) S/P DIF OUT(同軸)×1、マイク×1、GAME/MIDI×1
  • 対応OS:Windows Me/98/2000

    ■写真撮影
    若林直樹(STUDIO海童)

    □オンキヨーのホームページ
    http://mmc.onkyo.co.jp/
    □製品情報
    http://mmc.onkyo.co.jp/news/abnews2.htm
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