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NEW PRODUCTS TESTREPORT

ハンドスプリング
Visor Prism
カラーTFT液晶を装備した高速PalmOS搭載機
TEXT:山田達司 Tatsuji Yamada


16bitカラー表示が可能なTFT液晶パネルを搭載したVisor Prism。その画面は明るく、視認性も高い
 「Visor Prism」はハンドスプリングが発表した、高速なCPUとカラー表示が特徴となるVisorシリーズの最新機種だ。モノクロ版のPlatinumも、12月下旬より店頭に並ぶ予定だ。これで、Visorシリーズは現行のDeluxeとあわせて3機種がラインナップされることになった。

 今回紹介するPrismはVisorシリーズ初のカラーモデルとなる。筐体サイズは高さ122mm×幅76mm×厚さ20mm、重量は194gで、高さと幅は従来のVisor Deluxeと同じだが、厚さは3mmほど増え、40gほど重くなっている。CPUは、PalmOS搭載機として初めてDragonBall VZ 33MHzを採用。他社製品も含めた従来機のCPUはDragonBall EZ 20MHzが最速であったことを考えると、大きな進歩と言える。液晶画面は解像度こそ従来機種と同様160×160ドットであるが、こちらもPalmOS搭載機としては初の16bitカラー、65,536色表示の可能な透過型TFT液晶を搭載し、よりリアルな画像の表示を可能としている。搭載されているOSは、PalmOS 3.5に16bitカラー処理、USBドライバ、Visor独自の拡張モジュール「SpringBoard」のサポートといった、ハンドスプリング独自の拡張を加えたPalmOS 3.5.2Hとなる。

 市場においてこのPrismのライバルとなるのは同じくTFTカラー液晶を装備しているPalm IIIcだろう。Palm IIIcとPrismはほぼ同等のサイズ、重量、バッテリ駆動時間であるが、大きな違いはIIIcが8bitカラー表示の液晶で、CPUにDragonball EZ 20MHzを採用している点と、Prismがスプリングボードをサポートしている点となる。加えて、HotSyncがシリアルポート経由のみとなるIIIcに対して、PrismはUSB経由でも可能だ。


本体裏には、これまでと同様にスプリングボード用の拡張スロットが設けられており、増設メモリやモデムからMP3プレイヤーまでさまざまなデバイスを装着可能することが可能
 実際に試用してみても、Palm初のカラー機であるPalm IIIcは画面表示などにおいて動作速度の低下が見られたが、Prismではほとんど気にならなくなっており、データ処理、検索などでは33MHz駆動のCPUの効果が大きく感じられる。

 16bitカラー液晶はEyeModuleなどのデジタルカメラで撮影した画像をすぐにカラーで確認できる点もうれしいところだが、その表示は美しく、写真画像などは8bitカラー液晶と比較してはるかに自然で豊かな表現力を持っている。

 カラー化に伴い、写真の表示など大量のメモリを利用するアプリケーションが増えてきているが、PrismではSpringBoardによってメモリの拡張が可能であるほか、USBによるHotSyncによってPCとのデータ転送も高速に行なうことができ、カラー化の恩恵を最大限に受けることができる。

 また、液晶パネルにはバックライトが装備されているため、室内や薄暗い場所では非常に明るく、見やすい。室内ではバックライトをもっとも暗くしても十分な視認性が得られるほどである。その一方、明るい屋外ではほとんど画面が見えなくなってしまうといったデメリットもある。


Visor Platinum(右)と比較すると、Prism(左)のほうがやや厚いことが分かる
 カラー液晶の搭載で気になるのはバッテリ駆動時間である。大容量のリチウムイオン充電池を搭載している本機は、公式発表で6時間の連続使用が可能となっているが、筆者がバックライトの輝度は最低、1秒間処理を行ない、9秒間画面表示を行なうという条件下で計測した結果、約18時間という十分な結果が得られた。さらに、Visor用MP3プレイヤーモジュール「SoundsGood」を試用したところ、単4形電池を用いるDeluxeでは連続10時間の再生が可能だったが、Prism上では約40時間という驚異的な連続再生時間を達成した。PocketPCにおける5時間程度の再生時間は言うに及ばず、既存のすべてのMP3プレイヤーと比較しても最高の記録ではなかろうか。

 Visor Prismは、Palm IIIcに始まったPalmOS搭載機のカラー化における一つの完成形と言える。サイズ、重量、屋外での視認性などは犠牲になっているが、使い勝手に大きな影響を与えるバッテリ持続時間は十分なレベルを保っており、カラー化に伴う使用メモリ量の増加、HotSyncの時間増加などはハンドスプリング独自の拡張でカバーできる。むしろ、増加したサイズ、重量を許容できるかどうかがポイントで、これらが気にならない人にとっては最適な機種と言えるだろう。


  • 製品名:Visor Prism
  • 標準価格:49,800円
  • メーカー:ハンドスプリング株式会社
  • 問い合わせ先:0120-517-301
  • URL:http://www.handspring.co.jp/
  • CPU:DragonBall VZ 33MHz
  • メモリ:8MB
  • ディスプレイ:バックライト付き透過型TFT液晶
  • 解像度:160×160ドット/65,536色
  • 拡張スロット:スプリングボード拡張スロット×1
  • 本体部インターフェース:IrDA×1
  • クレードル部インターフェース:USB×1、シリアル×1
  • 電源:リチウムイオンバッテリ
  • バッテリ駆動時間:連続使用時6時間、通常使用時約半月
  • 本体サイズ(W×D×H):76×20×122mm
  • 重量:196g
  • 搭載OS:PalmOS 3.5.2H
  • 付属ソフト:ATOK Pocket、Palmscape3.0、PalmScape Mail1.0、PalmDesktop(PalmOS-PC接続ソフト)など
  • 対応OS:Windows Me/98/95/2000/Mac OS 8.1以降

    ■写真撮影
    若林直樹(STUDIO海童)

    □ハンドスプリングのホームページ
    http://www.handspring.co.jp/
    □製品情報
    http://www.handspring.co.jp/products/visorprism/index.asp?did=0000
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    【10月16日】ハンドスプリング、新CPUを採用、カラー液晶を搭載したVisor(ケータイ Watch)
    http://k-tai.impress.co.jp/news/2000/10/16/newvisor.htm


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