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NEW PRODUCTS TESTREPORT |
ハンドスプリング | ||
Visor Prism | ||
カラーTFT液晶を装備した高速PalmOS搭載機 | ||
TEXT:山田達司 Tatsuji Yamada |
16bitカラー表示が可能なTFT液晶パネルを搭載したVisor Prism。その画面は明るく、視認性も高い |
今回紹介するPrismはVisorシリーズ初のカラーモデルとなる。筐体サイズは高さ122mm×幅76mm×厚さ20mm、重量は194gで、高さと幅は従来のVisor Deluxeと同じだが、厚さは3mmほど増え、40gほど重くなっている。CPUは、PalmOS搭載機として初めてDragonBall VZ 33MHzを採用。他社製品も含めた従来機のCPUはDragonBall EZ 20MHzが最速であったことを考えると、大きな進歩と言える。液晶画面は解像度こそ従来機種と同様160×160ドットであるが、こちらもPalmOS搭載機としては初の16bitカラー、65,536色表示の可能な透過型TFT液晶を搭載し、よりリアルな画像の表示を可能としている。搭載されているOSは、PalmOS 3.5に16bitカラー処理、USBドライバ、Visor独自の拡張モジュール「SpringBoard」のサポートといった、ハンドスプリング独自の拡張を加えたPalmOS 3.5.2Hとなる。
市場においてこのPrismのライバルとなるのは同じくTFTカラー液晶を装備しているPalm IIIcだろう。Palm IIIcとPrismはほぼ同等のサイズ、重量、バッテリ駆動時間であるが、大きな違いはIIIcが8bitカラー表示の液晶で、CPUにDragonball EZ 20MHzを採用している点と、Prismがスプリングボードをサポートしている点となる。加えて、HotSyncがシリアルポート経由のみとなるIIIcに対して、PrismはUSB経由でも可能だ。
本体裏には、これまでと同様にスプリングボード用の拡張スロットが設けられており、増設メモリやモデムからMP3プレイヤーまでさまざまなデバイスを装着可能することが可能 |
16bitカラー液晶はEyeModuleなどのデジタルカメラで撮影した画像をすぐにカラーで確認できる点もうれしいところだが、その表示は美しく、写真画像などは8bitカラー液晶と比較してはるかに自然で豊かな表現力を持っている。
カラー化に伴い、写真の表示など大量のメモリを利用するアプリケーションが増えてきているが、PrismではSpringBoardによってメモリの拡張が可能であるほか、USBによるHotSyncによってPCとのデータ転送も高速に行なうことができ、カラー化の恩恵を最大限に受けることができる。
また、液晶パネルにはバックライトが装備されているため、室内や薄暗い場所では非常に明るく、見やすい。室内ではバックライトをもっとも暗くしても十分な視認性が得られるほどである。その一方、明るい屋外ではほとんど画面が見えなくなってしまうといったデメリットもある。
Visor Platinum(右)と比較すると、Prism(左)のほうがやや厚いことが分かる |
Visor Prismは、Palm IIIcに始まったPalmOS搭載機のカラー化における一つの完成形と言える。サイズ、重量、屋外での視認性などは犠牲になっているが、使い勝手に大きな影響を与えるバッテリ持続時間は十分なレベルを保っており、カラー化に伴う使用メモリ量の増加、HotSyncの時間増加などはハンドスプリング独自の拡張でカバーできる。むしろ、増加したサイズ、重量を許容できるかどうかがポイントで、これらが気にならない人にとっては最適な機種と言えるだろう。
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□ハンドスプリングのホームページ
http://www.handspring.co.jp/
□製品情報
http://www.handspring.co.jp/products/visorprism/index.asp?did=0000
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【10月16日】ハンドスプリング、新CPUを採用、カラー液晶を搭載したVisor(ケータイ Watch)
http://k-tai.impress.co.jp/news/2000/10/16/newvisor.htm