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キヤノン販売 CanoScan N656U CanoScan N1220U 画質と使い勝手のよさを追求した
TEXT:本間 文 Bun Honma |
CISを採用した薄型スリムボディで、フラットベッドスキャナ市場をリードするキヤノン販売は、フラットベッドスキャナを、CCDを採用しデジタルフォトなどに最適なDesktopスキャナと、CIS(Contact Image Sensor)を採用したスリムタイプのNotebookスキャナに分類し、製品ラインナップの再構築を図る。その第一弾として登場したのが、1,200dpi CISを採用した「CanoScan N1220U(上部写真右)」と、従来機種CanoScan FB1636Uの後継にあたる600dpiモデルの「CanoScan N656U(上部写真左)」の2製品である。キヤノン販売がNotebookタイプと呼ぶ製品は、USBケーブルをつなぐだけでPCとのインターフェースだけでなく電源供給も行なわれるバスパワード方式を採用した使い勝手のよさと、CISの採用によって実現したスリムボディと静粛性を実現したモデルで、ノートPCのように「使いたいときにだけ取り出して使う」ことができるというもの。このため、この新モデルからこれまでの「FB」という型番表記からNotebookを表わす「N」に変更されている。
両製品とも付属のスタンドを利用することで、縦置き動作も可能だ |
残念ながら、画像出力はRGB各色8bitまでしか対応していないため、高度なフォトレタッチ用途などには向かないが、フィルムの読み取りなどには向いていないCISの特性を考えればこの仕様も納得できるというものだ。むしろ、画像が甘くなりがちなプリントや印刷物のスキャニングもクッキリした画像としてスキャニングできるように、輪郭強調機能が装備されたことや、雑誌など厚手の原稿もしっかりとホールディングするように、Z-Lidと呼ばれる二重ヒンジ構造を採用したことのほうが、スリムスキャナの購買層にはうれしい配慮と言えるだろう。
ソフトウェアは、N656UとN1220U共通でTWAIN対応スキャニングソフトのScanGear CS-U 5.7と、スキャナ前面に用意されるスタートボタンとリンクして、コピー機能や編集ソフトへの読み込みなどを仲立ちするユーティリティソフトのScanGear Toolbox、画像管理ソフトのPhotoBase 2.1、日英活字OCRソフトのe.Typistエントリーなどが付属。唯一、画像処理ソフトだけは差別化が図られており、N656UにはPhotoStudio 2000、N1220UにはPhotoshop 5.0LEがそれぞれ付属する。
画質的にはCCD採用のフラットベッドスキャナほどの精細さは望めないまでも、N1220Uにおける光学解像度1,200dpiの効果はかなりのもので、これまでのCISスキャナとは一線を画す画質を実現している。色合い的には、先に紹介したエプソン販売のGT-7700Uほどのハデさはなく、ある意味、キヤノンらしい自然な色合いと言える対照的なものだ。さすがに写真画質の追求などといったハイエンドユースに最適とまでは言えないが、NotebookスキャナのフラグシップモデルとなるN1220Uは、雑誌記事などのスキャニングから簡易フォトレタッチ用途などの写真取り込みまで、幅広い用途に対応できる画質と、使い勝手のよさを両立したバランスの高い製品と言えるだろう。
元データ(600×600dpi) | N656U(600×600dpi) | N1220U(600×600dpi) |
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□キヤノン販売のホームページ
http://www.canon-sales.co.jp/
□製品情報
http://www.canon-sales.co.jp/Product/CanoScan/CanoScan.html
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000823/canon.htm