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Athlon 1.1GHzマシンベンチマーク速報
~Pentium III 1.13GHzを上回る性能!!



 日本AMDから発表されたばかりのAthlon 1.1GHzを搭載した評価用システムを入手したので、早速ベンチマークテストをおこなってみた。先日Intelから発表されたPentium III 1.13GHzと比べてどちらが高速なのか、マニアならずとも関心のあるところだろう。



●1GHz超えで続く高速化競争

 Intel対AMDのCPU高速化競争はとどまるところをしらない。この春繰り広げられた1GHz動作品の出荷競争も、まだ記憶に新しい。1GHz動作品の出荷発表では、Intelを「鼻差」でかわすことができたAMDだが、それで競争に決着がついたわけではない。両社の威信をかけた競争はまだまだ続いている。

 1GHz動作品の出荷では、Intel、AMDともにやや無理をした感じであり(特にIntelのPentium III 1GHzは、当初は限定出荷しかできなかった)、1GHzを超えるクロックで動作する製品が発表されるまでには、多少時間が空いたが、米国時間7月31日(日本時間8月1日)にIntelが1.13GHz動作のPentium IIIを発表したことで、再び戦いが始まった。ただし、Pentium III 1.13GHzもPentium III 1GHzの登場時と同じくあくまで限定出荷ということであり、すぐに潤沢に出回ってくるわけではない(現時点では、まだCPU単体としては販売されていない)。それに対して、Athlon 1.1GHzは、正式発表される一週間ほど前から、すでに秋葉原のいくつかのショップで売られている。

 なお、Athlon 1.1GHzは、8月14日に出されたプレスリリースで、すでにOEM向けの出荷開始が表明されており、8月28日の発表は、「Athlon 1.1GHzを搭載したシステム」の出荷が開始されたことを表明するものである。そのため、厳密な意味でのフライング販売とはいえないだろう。


●AMDの評価用マシンは、マザーボードにGIGABYTEのGA-7ZMを採用

 今回は、日本AMDよりAthlon 1.1GHzを搭載した評価用マシンをお借りできたので、早速ベンチマークテストをおこなった。ただし、ハードウェア構成は一切変更してはならないという条件があったため、通常のここでのテスト環境とはやや違った環境でのテストとなることをまずお断りしておく。

 今回借用した評価用マシンのハードウェア構成は以下の通りである。

CPU:Athlon 1.1GHz
マザーボード:GIGABYTE GA-7ZM(Apollo KT133採用:Socket A対応)
メモリ:256MB(PC133 SDRAM)
ビデオカード:Leadtek WinFast GeForce2 GTS(GeForce2 GTS搭載)
HDD:IBM DTLA-307030(30.7GB)

評価機に装着されていた、TaiSol製CPUクーラー。あまり大きいものではない
 マザーボードには、GIGABYTEのmicroATXマザーボード「GA-7ZM」が採用されていた。GIGABYTEのWebサイトによると、サポートCPUは「Athlon 500~1GHz and faster」となっており、1.1GHzでも問題なく動作していた。ただし、BIOSの書きかえも禁止されていたため、1.1GHz対応のBIOSになっていた可能性は高い。

 クロックが1.1GHzと高いことで、消費電力や発熱が気になるが、AMDのデータシートによれば、1.1GHz動作のAthlonは1.75V駆動でMaximum Thermal Power(最大値)が55.1W、Typical Thermal Power(典型値)が49.5Wとなっている。やはり発熱はかなり大きいようだ。評価用マシンでは、TaiSol製のCPUクーラーが装着されていたが、ヒートシンクのサイズはそれほど大きくなく、ファンも小さいものだったので、これで本当に大丈夫なのだろうかと思ったほどだ。


●CPUmark 99で史上最高値をマーク

 今回は、ベンチマークテストとして、Ziff-Davis,Inc.のWinBench 99 version 1.1に含まれるCPUmark 99、FPU WinMark、BAPCOのSYSmark2000の3つのテストを行なった。

 CPUmark 99は、CPUの整数演算能力を計測するテストで、L2キャッシュやメモリ周りの速度も影響する。FPU WinMarkはその名の通り浮動小数点演算ユニット(FPU)の演算性能を計測するテストで、一般的な浮動小数点の演算を行なうことによりFPUの基本性能を計測する。SYSmark2000はMicrosoftのWord 2000、Excel 2000、PowerPoint 2000、AdobeのPhotoshop 5.5といったアプリケーションを実際に走らせてPCの総合的な処理能力を計測するアプリケーションベンチマークである。

 比較のために、以前Pentium III 1.13GHzの評価用マシン(マシン構成などは、「速報:発表されたばかりのPentium III 1.13GHzをテスト!」を参照のこと)で計測した値を再掲するが、前述したようにマシンのハードウェア構成が違うため、あくまで参考値と考えてほしい。

 ただし、CPUmark 99やFPU WinMarkは、HDDやビデオカードによってほとんど影響を受けないので、純粋にCPU性能を表しているといってよい。Athlon 1.1GHzは、CPUmark 99で過去最高となる98.8という値を叩き出した。SYSmark2000の総合値であるSYSmark 2000 Ratingも、Pentium III 1.13GHz評価用マシンよりもやや上回っている。ビデオカードが違うため直接比較することはできないが、GeForce256とGeForce2 GTSでは、2D描画性能に関しては差はほとんどない。

Athlon 1.1GHzPentiumIII 1.13GHz
CPUmark 9998.895.6
FPUWinMark6,0006,010
SYSmark 2000
SYSmark 2000 Rating213208
Internet Content Creation211212
Office Productivity215205
Bryce 4272227
CorelDraw 9283240
Elastic Reality 3.1261265
Excel 2000227223
NaturallySpeaking Pref 4.0178174
Netscape Communicator201219
Paradox 9.0212196
Photoshop 5.5133163
PowerPoint 2000230224
Premiere 5.1219214
Word 2000192169
Windows Media Encorder 4.0201205


●コストパフォーマンス的にもPentium IIIを上回る

 総合的にみて、Athlon 1.1GHzはPentium III 1.13GHzとほぼ同等かやや上回る処理性能を持っているといえる。現時点で、Pentium III 1.13GHzが単体発売されておらず、Pentium III 1GHzが11万円台で販売されていることを考えると、既に8万円台で販売されているAthlon 1.1GHzは、コストパフォーマンスの面では確実にPentium IIIを凌駕しているといえる。全ての用途にGHz動作のCPUが必要だとは思わないが、現時点での最速マシンを自作したいというのなら、Athlon 1.1GHzがベストチョイスであろう。

 なお、現状のAthlonは、EV6バスクロックが200MHzで、メモリはPC133 SDRAMが採用されているが、年内にもEV6バスクロックが266MHzに上がり、主記憶にDDR266(PC2100 DDR)を採用したAthlonシステムが登場する予定だ。バスクロックと主記憶のバンド幅が向上することで、パフォーマンスもさらに上がるであろう。Pentium 4との戦いも期待できそうだ。

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【8月19日】価格改定でAthlon 1GHzが5万円台へ、1.1GHzも同時デビュー(AKIBA PC Hotline!)
http://www.watch.impress.co.jp/akiba/hotline/20000819/athlon11.html
【8月2日】速報:発表されたばかりのPentium III 1.13GHzをテスト!
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000802/hotrev73.htm

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(2000年8月28日)

[Text by 石井英男@ユービック・コンピューティング]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp