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★ ゲームソフトインプレッション ★

協力プレイが新鮮な魅力のネットワークRPG
アプサラス β2 テストバージョン


スクリーンショット

  • ジャンル:ネットワークRPG
  • 発売元:株式会社コーエー
  • 価格:8,800円
  • 対応OS:Windows 95/98/NT 4.0/2000
  • 発売日:9月発売予定
 
【ゲームの内容】
     オリエンタルな雰囲気が漂う異世界を舞台にした、ネットワーク対応のファンタジーRPG。最大8名のプレーヤーでパーティを編成し、互いに協力しながら目的を達成する。パーティ全体で共有するライフポイントや、ダンジョンの散策に一定の時間制限を加えることによって、チームプレイのおもしろさを追求した作品だ。キャラクターデザインは、ファンタジーアートで知られる末弥純氏。中間色や半透明処理をふんだんに利用したグラフィックも美しい。
【動作環境】
  • CPU:MMX Pentium 266MHz以上(Pentium II 300MHz以上推奨)
  • メモリ:64MB以上(128MB以上推奨)
  • HDD:400MB以上
  • CD-ROMドライブ:4倍速以上
  • 通信環境:56kbps以上のモデム(ISDN以上推奨)

コーエーのホームページ
http://www.koei.co.jp/
「アプサラス」の製品情報
http://www.koei.co.jp/products/ee/new/apsaras/index.htm



 さて今回は、コーエーのネットワークRPG「アプサラス」のセカンドインプレッションをお送りしよう。前回6月にレビューした時点ではまだシングルプレイモードしか試すことができなかったが、その後まもなくマルチプレイに対応したバージョンが配られ、7月からは一般公募により募ったユーザーによるβテストが続けられている。その様子と、実際にプレイした感触を中心にレポートしたい。

● 最大8人のプレーヤーでダンジョンに挑む

一見水中のように見えるが、ここが“砂漠”のダンジョン
 β1テストでは、製品版と同様に最大8人のプレーヤーがパーティを組み、冒険できるようになった。公開されたダンジョンはシングルプレイ版と同じ“森”と“沼”の2面だけだが、いずれもボスキャラが待つ最終面まで戦うことができる(7月31日から始まったβ2テストでは、新たに“砂漠”が試せるようになった)。

 プレーヤーはまずコーエーが管理するロビーサーバーにアクセスし、そこで共に戦うメンバーを募る。ちなみにこのロビーサーバーは「信長の野望Internet」や「三國志Internet」などコーエーが提供する他のオンラインゲームと共有のもので、その中に設けられた「アプサラス」用のチャットルームを使うという寸法だ。β1テストには約300名が参加したが、さすがに平日の昼間はあまり人がおらず、やはりメインの活動時間は夜11時以降のテレホーダイタイム。深夜0時から2時ぐらいがピークで、この時間ならかなりのユーザーがチャットルームに集まっていた。

 しばらくチャットしてメンバーが決まったら、その中の一人がゲームサーバーを立て、他のメンバーがそこにログオンする形で冒険が始まる。コーエー側は待ち合わせ場所となるロビーサーバーのみを提供し、その後はプレーヤー間の閉じた環境でゲームが行なわれる。あとはシングルプレイのときと同じくセレスティアの神殿にキャラクターが現れ、必要な装備やアイテムを揃えた後、ダンジョンに乗り込んで冒険を始める。

 シングルプレイのときはすべての敵を自分一人で倒し、なおかつ回復も自分自身で行なわねばならないが、マルチプレイの場合は全員が協力して戦ったり回復することができるので、格段に楽に感じる。強いメンバーに同行させてもらえるなら、自分のキャラクターのレベルが低くても、かなり先まで進めると思う。序盤からアイテムや経験を稼ぎたいのなら、この方法が楽だと思う。しかし全員が同じ方向に移動するとは限らないため、ちょっとモタモタして間に仲間を見失ったり、はぐれてしまうことも多い。レベルが低いうちは無理に戦わず、強いメンバーからはぐれてしまわないように注意しよう。ちょっと恥ずかしいが、最初のうちは小判ザメに徹するのが一番安全だ。

 またシングルプレイでは、復活用の予備の“命”は全て自分一人のものだったが、マルチプレイの場合はこれを全員が共有する。前回も書いたが、これが「アプサラス」で採用された「パーティライフシステム」だ。誰かが死んでしまえば、そのぶんパーティライフが減り、結局はメンバー全員が追い詰められてしまう。深い階層に侵入し、レアなアイテムや経験値を手に入れるためには、できるだけパーティライフを温存しなければならず、これが動機づけとなって強い結束力が生まれる。初めてパーティを組む相手とも自然に仲間意識が芽生えるところが、「アプサラス」ならではの特徴だろう。

ファンクションキーを使って定型句を発言できるほか、自由文の入力もできる セリフはキャラクターの頭上に表示される仕組み 街外れにあるポータルからダンジョンに入る。ここは"砂漠"への入り口だ


● みなぎる緊張感とスピーディな展開

アイテムの強さはもちろんだが、属性にも注意して装備を揃えよう
 「アプサラス」のβテストが始まってからというもの、いったい何度ダンジョンに潜入したことか。ついついプレイに没頭してしまうため、この1カ月というもの、仕事は遅れに遅れてしまった。マジメな話、「このままではまずい。封印しよう」と心に誓ったほどだ。いままでもネットワークゲームにどっぷりとはまり、仕事だけでなく日常生活にすら支障をきたすことも少なくなかったが(お恥ずかしい)、そのなかでも「アプサラス」の中毒性(?)はかなりのレベルだと思う。

 いったい何がそうさせるのか、考えてみた。
 まずひとつは、毎回マップが変るダンジョン、そして手に入るアイテムの多様さだ。このあたりの感覚は、かつての「ローグ」や「ウィザードリィ」に共通するかもしれない。下の階に降りるたびに胸がドキドキして、体中にアドレナリンが溢れ出す“あの”感覚。無理をすればするほどレアなアイテムが手に入り、装備がどんどんよくなっていくというのも、これらのゲームに共通する危険な魅力だ。「アプサラス」の場合、装備に“火”、“水”、“風”といった属性が与えられているため、バランスのいい装備を手に入れるにはかなりの努力と根性がいる。だからこそ、強力な武器や鎧をゲットしたときの喜びは大きい。

 ふたつめは、1プレイに必要な時間が短いこと。もちろんパーティを組む相手にもよるのだが、短い場合で10~20分、長くても1時間程度で1回の冒険を終えることができる。「死神」という不死身のモンスターを出すことによって、各マップの攻略に実質的な時間制限を設けているため、展開もスピーディだ。次々に湧いて出るモンスターの大軍をなぎ倒し、下の階へと続くポータルを探しながらダンジョンを駆け回る緊張感。1プレイは短めだが、その間は素晴らしく充実した時間が続く。

● やっぱりパーティプレイが一番!!

林立する石柱で囲まれた謎の場所。ここにはいったい何が?
 そしてやはり一番の魅力は、最大8人のメンバーで共に戦うパーティプレイに尽きる。全員が同じ“命”を共有しているという一体感があるためか、初めてパーティを組んだ者同士でもすぐに仲間になることができる。とくに打ち合わせすることなく各自が自分のポジションを見つけ、互いに助け合いながら戦うことができるのだ。この一体感は、他のマルチプレイRPGにはない「アプサラス」ならではの魅力だと思う。

 しかし、逆にいえば“この感覚”がこのゲームをおもしろいと感じるか否かの分かれ目になるかもしれない。「アプサラス」ではパーティ全員が協力して戦うことが前提になっているし、参加するプレーヤーの多くもそれを当たり前のことだと考えている。ある意味、とてもマジメな、正統派のマルチプレイRPGなのだ。一人だけ勝手な行動をするわけにはいかないし、もしワガママな行為を行えば、次からは同じパーティに混ぜてはくれないだろう。楽しくプレイするためには、パーティの一員として真摯にプレイする姿勢が欠かせないというわけ。

ショートカットキーを使って、装備やマップ表示を簡単に切り替えることができる 腕力や敏捷といったパラメータ以外に、5つの属性値があることに注意


● マルチプレイにはグローバルIPの割り当てが必須

 最後に、「アプサラス」の接続環境について補足しておきたい。というのも、βテストを始めたばかりのころ、ロビーサーバーへの接続に結構手間取ったからだ。筆者の仕事場では、ヤマハのルーターを介してOCNエコノミーに接続し、その下にLinuxベースのゲートウェイサーバー(ファイアウォールとDHCPサーバーを兼用している)を置いている。各クライアントマシンは、DHCPサーバーからローカルIPを渡され、NAT+IPマスカレードを使ってインターネットに接続しているわけだ。常時接続環境としては標準的というか、むしろシンプルな構成だと思う。たいていのネットワーク対応ゲームはこのままの設定でプレイできたし、ごくまれに動かないものもあるにはあったが、ポートを指定するか静的マスカレードにすれば解決することができた。

 しかし「アプサラス」の場合は、次のふたつが動作条件になっているため、ちょっとややこしい。

 筆者の場合は、ゲーム用のマシンに直接グローバルIPを割り振ることで解決したが、接続環境によってはそう簡単にいかない場合もあるだろう。

 もっとも心配なのが、CATV経由でインターネットに接続しているユーザーだ。接続業者の中にはグローバルIPを割り振ってくれないところもあり、このような環境で「アプサラス」をプレイすることは難しい。たぶん、無理だと思う。この件については、コーエーのホームページに対応表が掲載されているので、詳しくはコーエーのホームページ(http://www.koei.co.jp/netgame/masterworks/apsaras_faq_inet.htm#Q1)を参照してほしい。

 現在はβテスターに参加しているユーザーしか遊ぶことはできないが、8月11日には遂にデモ版が配布される(PC Watchの「最新ゲーム DEMO & PATCH」コーナーにおいて先行ダウンロードを開始)。ぜひ多くの人にダウンロードしてもらい遊んでみて欲しい。

β2では"沼"の難易度が調整され、登場するモンスターも強力になった 魔法で敵をまとめて焼き払う。吹き上がる炎の映像が美しい “牙”魔法でモンスターに雷撃を加える


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【筆者紹介】
  • 名前:駒沢丈治(こまざわじょうじ)
  • プロフィール:暑い。8月を待たずして、早くも夏バテ状態だ。栄養のあるものを食べ、十分な睡眠をとればいいのはわかっているんだけど、そうすると今度は際限なく太ってしまいそうでコワイ。昔はこんなヤワじゃなかったのに、やっぱりトシなのかな。
レビューハード環境】
  • 使用ハード:自作PC/AT互換機(K6-2/400、メモリ 128MB、HDD 20GB、24倍速CD-ROM、Diamond Viper V550、Sound Blaster 64 PCI)

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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp