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一見水中のように見えるが、ここが“砂漠”のダンジョン |
プレーヤーはまずコーエーが管理するロビーサーバーにアクセスし、そこで共に戦うメンバーを募る。ちなみにこのロビーサーバーは「信長の野望Internet」や「三國志Internet」などコーエーが提供する他のオンラインゲームと共有のもので、その中に設けられた「アプサラス」用のチャットルームを使うという寸法だ。β1テストには約300名が参加したが、さすがに平日の昼間はあまり人がおらず、やはりメインの活動時間は夜11時以降のテレホーダイタイム。深夜0時から2時ぐらいがピークで、この時間ならかなりのユーザーがチャットルームに集まっていた。
しばらくチャットしてメンバーが決まったら、その中の一人がゲームサーバーを立て、他のメンバーがそこにログオンする形で冒険が始まる。コーエー側は待ち合わせ場所となるロビーサーバーのみを提供し、その後はプレーヤー間の閉じた環境でゲームが行なわれる。あとはシングルプレイのときと同じくセレスティアの神殿にキャラクターが現れ、必要な装備やアイテムを揃えた後、ダンジョンに乗り込んで冒険を始める。
シングルプレイのときはすべての敵を自分一人で倒し、なおかつ回復も自分自身で行なわねばならないが、マルチプレイの場合は全員が協力して戦ったり回復することができるので、格段に楽に感じる。強いメンバーに同行させてもらえるなら、自分のキャラクターのレベルが低くても、かなり先まで進めると思う。序盤からアイテムや経験を稼ぎたいのなら、この方法が楽だと思う。しかし全員が同じ方向に移動するとは限らないため、ちょっとモタモタして間に仲間を見失ったり、はぐれてしまうことも多い。レベルが低いうちは無理に戦わず、強いメンバーからはぐれてしまわないように注意しよう。ちょっと恥ずかしいが、最初のうちは小判ザメに徹するのが一番安全だ。
またシングルプレイでは、復活用の予備の“命”は全て自分一人のものだったが、マルチプレイの場合はこれを全員が共有する。前回も書いたが、これが「アプサラス」で採用された「パーティライフシステム」だ。誰かが死んでしまえば、そのぶんパーティライフが減り、結局はメンバー全員が追い詰められてしまう。深い階層に侵入し、レアなアイテムや経験値を手に入れるためには、できるだけパーティライフを温存しなければならず、これが動機づけとなって強い結束力が生まれる。初めてパーティを組む相手とも自然に仲間意識が芽生えるところが、「アプサラス」ならではの特徴だろう。
ファンクションキーを使って定型句を発言できるほか、自由文の入力もできる | セリフはキャラクターの頭上に表示される仕組み | 街外れにあるポータルからダンジョンに入る。ここは"砂漠"への入り口だ |
● みなぎる緊張感とスピーディな展開
アイテムの強さはもちろんだが、属性にも注意して装備を揃えよう |
いったい何がそうさせるのか、考えてみた。
まずひとつは、毎回マップが変るダンジョン、そして手に入るアイテムの多様さだ。このあたりの感覚は、かつての「ローグ」や「ウィザードリィ」に共通するかもしれない。下の階に降りるたびに胸がドキドキして、体中にアドレナリンが溢れ出す“あの”感覚。無理をすればするほどレアなアイテムが手に入り、装備がどんどんよくなっていくというのも、これらのゲームに共通する危険な魅力だ。「アプサラス」の場合、装備に“火”、“水”、“風”といった属性が与えられているため、バランスのいい装備を手に入れるにはかなりの努力と根性がいる。だからこそ、強力な武器や鎧をゲットしたときの喜びは大きい。
ふたつめは、1プレイに必要な時間が短いこと。もちろんパーティを組む相手にもよるのだが、短い場合で10~20分、長くても1時間程度で1回の冒険を終えることができる。「死神」という不死身のモンスターを出すことによって、各マップの攻略に実質的な時間制限を設けているため、展開もスピーディだ。次々に湧いて出るモンスターの大軍をなぎ倒し、下の階へと続くポータルを探しながらダンジョンを駆け回る緊張感。1プレイは短めだが、その間は素晴らしく充実した時間が続く。
● やっぱりパーティプレイが一番!!
林立する石柱で囲まれた謎の場所。ここにはいったい何が? |
しかし、逆にいえば“この感覚”がこのゲームをおもしろいと感じるか否かの分かれ目になるかもしれない。「アプサラス」ではパーティ全員が協力して戦うことが前提になっているし、参加するプレーヤーの多くもそれを当たり前のことだと考えている。ある意味、とてもマジメな、正統派のマルチプレイRPGなのだ。一人だけ勝手な行動をするわけにはいかないし、もしワガママな行為を行えば、次からは同じパーティに混ぜてはくれないだろう。楽しくプレイするためには、パーティの一員として真摯にプレイする姿勢が欠かせないというわけ。
ショートカットキーを使って、装備やマップ表示を簡単に切り替えることができる | 腕力や敏捷といったパラメータ以外に、5つの属性値があることに注意 |
● マルチプレイにはグローバルIPの割り当てが必須
最後に、「アプサラス」の接続環境について補足しておきたい。というのも、βテストを始めたばかりのころ、ロビーサーバーへの接続に結構手間取ったからだ。筆者の仕事場では、ヤマハのルーターを介してOCNエコノミーに接続し、その下にLinuxベースのゲートウェイサーバー(ファイアウォールとDHCPサーバーを兼用している)を置いている。各クライアントマシンは、DHCPサーバーからローカルIPを渡され、NAT+IPマスカレードを使ってインターネットに接続しているわけだ。常時接続環境としては標準的というか、むしろシンプルな構成だと思う。たいていのネットワーク対応ゲームはこのままの設定でプレイできたし、ごくまれに動かないものもあるにはあったが、ポートを指定するか静的マスカレードにすれば解決することができた。
しかし「アプサラス」の場合は、次のふたつが動作条件になっているため、ちょっとややこしい。
もっとも心配なのが、CATV経由でインターネットに接続しているユーザーだ。接続業者の中にはグローバルIPを割り振ってくれないところもあり、このような環境で「アプサラス」をプレイすることは難しい。たぶん、無理だと思う。この件については、コーエーのホームページに対応表が掲載されているので、詳しくはコーエーのホームページ(http://www.koei.co.jp/netgame/masterworks/apsaras_faq_inet.htm#Q1)を参照してほしい。
現在はβテスターに参加しているユーザーしか遊ぶことはできないが、8月11日には遂にデモ版が配布される(PC Watchの「最新ゲーム DEMO & PATCH」コーナーにおいて先行ダウンロードを開始)。ぜひ多くの人にダウンロードしてもらい遊んでみて欲しい。
β2では"沼"の難易度が調整され、登場するモンスターも強力になった | 魔法で敵をまとめて焼き払う。吹き上がる炎の映像が美しい | “牙”魔法でモンスターに雷撃を加える |
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【筆者紹介】
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