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メインメニューは街の夜景に変った |
マヤ、アステカ、スペイン、朝鮮、フン族が追加された | 各文明共に、固有の文明と固有のボーナスが用意されている | 新しいキャンペーンシナリオは4本。たっぷり楽しめる |
● ゲームバランスを再調整。AI機能も強化された
「覇者たちの光陰」では、ゲームバランスが微妙に調整されている。まずひとつは、各文明に固有の技術が盛り込まれたこと。たとえば中国なら「砲弾術(飛び道具の攻撃力アップ)」、日本なら「投擲術(投石器の建造と発射速度が共にアップ)」、ペルシャなら「象使い(象兵の移動速度が速くなる)」といった具合に独特の技術が設定され、それを手にすると有利に戦うことができる。また、文明ごとに武器や建造物の生産コストも見直された。このゲームの作者であるBruce Shelley氏の話によれば、戦闘用ユニットの移動速度や攻撃速度も細かく修正されているとのこと。「エイジ オブ エンパイア II」では日本の使い勝手が悪く、プレーヤーから不評を買っていたが、今回の修正で“かなり使える”文明になっているようだ。
ゲーム中に登場するキャラクタを動かすAI機能も改善された。たとえば、鉱物の採掘場を建てると、改めて指示することなく、自動的に金や石の採掘を始めてくれる。伐採場を建てたときも同様に、自動的に木を伐り始める。以前はやたらと手間の掛った農作業も、事前に指示を与えておけば連続して耕せるようになった。わかりきった作業を細かく指示する必要がなくなったぶん、プレーヤーはより大きな視点から戦場を眺め、じっくり戦略を練ることができるようになったというわけだ。
マヤ。弓兵の生産コストが安い。羽飾射手は偵察要員としても優秀 | アステカ。ジャガーウォーリアーは歩兵相手に圧倒的な強さを誇る | 朝鮮。陸上では戦車、水上では亀甲船が敵を打ち破る。筆者おススメ |
● 充実したキャンペーンシナリオ
屍累々。敵味方の兵士が入り乱れて戦う壮絶な戦闘シーン!! |
「覇者たちの光陰」は、マイクロソフトの新型ゲームコントローラ「Microsoft SideWinder Strategic Commander」にも対応している。どのように使うのかいまひとつピンとこなかったのだが、先日開かれた東京ゲームショウ2000秋で実際に試すことができたので、その使用感をお知らせしよう。
「Strategic Commander」はキーボードの左側に置き、左手の手のひらですっぽりと覆うように構える。そのまま上下左右に動かすと、表示されているマップもこれに連動してスクロールする仕組み。最初のうちは左手を使うこと、そしてグニュグニュと動く感触が無気味に感じたが、慣れると結構気持ちイイ。指が当たる部分には2個ずつボタンがあり、ここにはキーボードのショートカットキーやコマンドを任意に割り当てることができる。「覇者たちの光陰」の場合、最初からコマンドがプリセットされていて、畑の開梱や家の建造を1ボタンで実行可能。マウスを使って階層メニューを開いたり、指を不自然な形に開いてショートカットキーを押さなくてよいぶん、格段にスピーディだ。実際に試すまでは全然不都合を感じていなかったのだが、一度「Strategic Commander」の操作に慣れてしまうと、マウスとキーボードだけの操作が時代遅れに感じるから不思議である。通常のプレイではともかく、一刻一秒をムダにできない対戦プレイでは、「Strategic Commander」の有無は大きな差になるだろう。
東京ゲームショウ2000秋で展示されていたStrategic Commander | 様々な命令をボタンに登録。なるほど、これは便利!! |
● Bruce Shelly氏インタビュー
Bruce Shelly氏 |
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お忙しい中お時間を割いていただきまして、ありがとうございました。さっそくですが、今回「覇者たちの光陰」に追加された5つの文明について、その選択理由をお聞かせください。
Shelley 今回拡張パックをデザインするにあたって、テーマを「覇者」に定めました。歴史上、何らかの形で覇権を目指した文明に着目したのです。ごご存知のように、マヤとアステカは中南米に強大な帝国を築いた偉大な民族です。アステカを征服したスペインもまた、重要な存在といえるでしょう。朝鮮は、中国と日本という二大国家に挟まれ、とても微妙な立場にいました。遊牧民でありながら大帝国を築いたフン族も、ユニークな存在です。これら5文明の追加によって、より幅広いプレイを楽しめるようになったと思っています。
いずれも個性が強く反映されていて、おもしろいですね。全部の文明を試してみましたが、私はフン族が気に入っています。
Shelley そうでしょう。フン族は家を建てなくてもどんどん人口を増やせますから、使い方次第ではかなり有利に戦えるはずです。
「覇者たちの光陰」ではゲームバランス全体の調整も行なわれたそうですが、それは戦闘用ユニットの強さを変えたということですか?
Shelley いえ、戦闘用ユニットの強さにはあえて手を加えませんでした。各文明ごとに独自のテクノロジーやボーナスを与えることによって、ゲームバランスを微調整したのです。たとえば日本の場合、武士が剣を振る速度や移動速度をアップさせました。サラセンは、ハンドキャノンの制作に資源を使わなくて済むよう修正してあります。これによって、日本やサラセンの魅力がぐっと高まったはずですよ。
こうした調整は、何をヒントに行われたのでしょうか?
Shelley もちろん、我々自身で考えた部分もありますが、プレーヤーの皆さんからのフィードバックも参考にさせていただきました。「エイジ オブ エンパイア」にはファンサイトが1,000以上もあり、毎日たくさんの情報や意見がやりとりされています。その中には我々が思いもしなかった遊び方をする人もいて、本当に驚かされます。
作者であるShelleyさんもびっくりするような遊び方ですか?
Shelley ええ。一番驚いたのは、漁船を使って建築速度をスピードアップさせる方法ですね。もちろんこのバグはすぐに修正しましたから、いまはもう使えませんが。
スペイン。ガレオン船とコンキスタドールの破壊力は凄まじい | フン族。家を建てることなく人口をどんどん増やしていける | なんとなくコロニアル風の街並みが美しい、スペインの街 |
「覇者たちの光陰」が出たことによって「エイジ オブ エンパイアII」も一区切りついたという感じですが、よろしければ今後のご予定についてお聞かせください。
Shelley 現時点では、まだ何も決まっていないんです。シリーズの続編を作るか、それともまったく新しい作品を作るか、今後半年から1年ぐらいの間に決めるつもりでいます。私個人としては、今後もストラテジーを作っていきたいと考えていますが、会社としての方針もありますからね。ゲーム作りは、我々にとって楽しみであるとともに、重要なビジネスでもあるのです。
わかりました。今後もすばらしい作品が登場することを期待しています。最後に、日本の「エイジ オブ エンパイア」ファンに一言メッセージをお願いします。
Shelley 「エイジ オブ エンパイア」シリーズをプレイしてくださった皆様に、深く感謝いたします。皆様から寄せられたご意見を参考にして、よりよい作品にすることができました。「覇者たちの光陰」を存分に楽しんでいただければ幸いです。
本日はどうもありがとうございました。
Microsoft(R) Age of Empires(R) II : The Conquerors Expansion
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