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NEW PRODUCTS TESTREPORT |
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ソニー VAIO J PCV-J11V5基本機能が強化された
i.LINK端子装備の低価格マシン
TEXT:清水理史 Masashi Shimizu |
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microATXタイプのマザーボードを採用していることもあり、バックパネルまわりの構成は標準的なもの |
ソニーのエントリークラスデスクトップPCである「VAIO J PCV-J10V5」がグレードアップし、「VAIO J PCV-J11V5」(以下、J11)として新登場した。従来機種のJ10は、手頃な価格とスタイリッシュなデザインにi.LINK(IEEE1394)端子を備えていたことで、発売当初から人気の高かったモデルである。当然、その後継のJ11もそうとうの人気になることが予想される。
J10からJ11への主な変更点は、CPUが従来のCeleron 500MHzからCeleron 600MHzへと強化され、HDDが10GBから20GBへと容量がアップしたこと、バンドルソフトのバージョンアップの3点で、そのほかの構成に変わりはない。実売価格も前モデル同様、130,000円前後だ。
VAIO Jで、まず注目したいのは、そのデザインだ。標準添付されるディスプレイおよび本体は、曲線を活かした柔らかな形状となっており、色もVAIOシリーズ共通の淡いパープルで統一されている。デザインに凝っていてもオフィスを連想させるPCが多い中、VAIO Jは、リビングルームやワンルームに自然になじむ。
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空きベイは、内部3.5インチベイが一つ、空きスロットはPCIスロットが2本となる |
次に注目したいのは、DV編集機能を備えている点だ。本体のPCIスロットにはi.LINKインターフェースカードが標準で装備されており、DVカメラで撮影した映像を簡単にPCに取り込むことができる。映像を編集するためのアプリケーションも充実しており、DVキャプチャ、カット編集、DVテープへの書き出しなどのソフトがまとめられた「DVgate Ver.2.1」をはじめとして、ドラッグ&ドロップ操作で美しいトランジションエフェクト(シーン切り換え時のエフェクト)が施された簡易ビデオクリップを自動作成してくれる「MovieShaker Ver.1.1」、さまざまな形式の動画、静止画ファイルに対応したビューア「PictureGear Ver.4.1」などが用意されており、オリジナルビデオの作成から鑑賞まで本機1台で行なえる。さらに、J11ではHDD容量の増加によって、より大きなDV形式のファイルを取り扱うことが可能となっただけでなく、CPUの高性能化によって編集作業自体もこれまで以上に快適に行なえる。130,000円ほどのPCで、ここまでの機能が利用できるのだから、お買い得感もそうとうに高い。
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DVgate Ver.2.1に含まれるDVgate Motion。DVキャプチャと書き出しが主な機能だ |
使いやすさの点でも優秀で、付属する15インチCRTには4ポートのUSBハブが内蔵され、本体背面に手を回すことなく、USB機器を簡単に接続することができる。ケースもデザインが優れているだけでなく、背面のネジを手で外せば、簡単にサイドカバーが着脱できるようになっているほか、HDDが固定された3.5インチベイなども固定金具を指で引き上げるだけで簡単に取り外せる仕組になっている。ドライブベイやPCIスロットの空きが少ないため、拡張性が高いとは言えないが、このような細部にまでこだわっている点は高く評価できる。これまで、初心者向きのPCと言うと、低価格でバンドルソフトが多く、ヘルプやマニュアルがしっかりしているPCと考えられていたが、本当の意味で初心者向きのPCとは、本機のように見えない点にまで気を配ったものなのではないかと改めて考えさせられた。
ここまで、メリットばかりを述べてきたが、正直なところ、本機を試用していて何かが「足りない」と思う場面はほとんどなかった。あえて言うならば、取り込んだ映像を記録しておくためのCD-R/RWドライブが装備されていれば完璧だが、この価格ではしかたのないところだろう。J11は初心者にとっての1台目のPCから、セカンドマシンまで、多くのユーザーにお勧めできるPCだ。
製品名:VAIO J PCV-J11V5
標準価格:オープン(Sony Style価格133,800円)
メーカー:ソニーマーケティング株式会社
問い合わせ先:03-5454-0700
URL:http://www.vaio.sony.co.jp/
CPU:Celeron 600MHz
チップセット:Intel 810
メモリ(最大):64MB(256MB)
HDD:約20GB
FDD:3モード
CD-ROMドライブ:最大40倍速
ビデオチップ:Intel 810内蔵
ビデオメモリ:SMA方式によりメインメモリの一部を使用(最大10MB)
ディスプレイ:15″FDトリニトロン管
最大解像度:1,280×1,024ドット/65,536色
サウンドチップ:ヤマハ YMF752-S(AC '97 CODEC)
キーボード:109キー(PS/2接続)
拡張スロット(空き):PCI×4(2)
インターフェース:i.LINK(S400、6ピン)×2、USB×2、シリアル(Dsub 9ピン)×1、パラレル(Dsub 25ピン)×1、CRT(Dsub 15ピン)×1、LINE IN×1、ヘッドホン×1、マイク×1、GAME/MIDI×1、モデム(RJ-11)×1
本体サイズ(W×D×H):170×366×306mm
重量:約8.5kg
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□ソニーのホームページ
http://www.sony.co.jp/
□製品情報
http://www.sony.co.jp/sd/ProductsPark/Consumer/PCOM/PCV-J11V5/
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ウォッチ編集部内PC Watch担当
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