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アドテック AD-DVT15X DVIインターフェースを採用した
TEXT:本間 文 Bun Honma |
外観は一般的な液晶モニタとあまり変わらない |
DVIは、Intelが次期デジタルディスプレイインターフェース標準化のために設立したDDWG(Digital Display Working Group)が策定した規格である。それ以前にも、ATI TechnologiesとCompaq Computerがメインとなって標準化作業を進めていたDFPやVESAによる標準化作業が存在したが、昨年4月までには、対応ビデオカードや液晶ディスプレイなどの製品レベルで先行していたDFPがDDWGへの移行を表明したことで、一気にデジタルディスプレイの標準規格として注目を集め、99年4月にはRevision 1.0が発表された。
劣化の少ないデジタル映像信号を扱うため、ディスプレイ側に用意されたボタンは、明るさとコントラスト、スピーカーのボリューム調整だけになる |
では実際の製品を紹介することにしよう。液晶パネルには、1,024×768ドット/262,144色表示に対応した15インチTFT液晶を採用。輝度200cd/m2、コントラスト比200:1と実売価格110,000円前後の製品としては標準的な性能である。入力は1系統で、デジタル入力のみに対応したDVI-Dコネクタを持つケーブルが台座部からじかに出ている。また、この台座部にはステレオスピーカーも装備されているため、デスクスペースをより有効に使うことができるところはうれしい限りだ。
気になる画質は、さすがはデジタルディスプレイと感じさせる色ズレや走査ムラのないくっきりとしたもので、細かな文字を使う機会が多い表計算ソフトを長時間使っても、目の疲労は最小限に抑えられそうだ。また、基本的に色ずれや歪みが発生しないので、OSDも備えないという非常にシンプルな設計だ。その一方で、最大表示色が262,144色に限られていることが影響してか、コントラストを高めると黒がグレーに近くなる傾向なども見られ、フォトレタッチなど写真を仕事に使う場合には階調表現性能が不足しているように思われる。しかし、最近はMatroxのMillennium G400シリーズ用のDVI出力オプションキットとして、G400 FlatPanel(9,000円前後)も入手できるようになっており、DVI対応ディスプレイは身近な存在になりつつあるだけに、これから液晶ディスプレイを購入しようと考えているユーザーには、ぜひ一度、アナログタイプの製品とその画質を比較してほしい。
モアレが出てしまっているものの、ノイズや色にじみはまったく感じられない。また、直線の再現性がきわめて高い点も特徴だ | 今回使用したのはG400 FlatPanelを装着したMillennium G400SH。今後はDVI対応製品も増えてくるだろう |
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□アドテックのホームページ
http://www.adtec.co.jp/
□製品情報
http://www.adtec.co.jp/product/monitor/prod_crt_dvt15x.htm
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【3月7日】アドテック、DVIを採用した15インチ液晶ディスプレイ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000307/adtec.htm