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日本ゲートウェイ Gateway Select 1000 1GHz環境にもっとも早く到達した 最速Athlonマシン TEXT：中嶋敦司　Atushi Nakajima

Athlonおよびケース内を冷却するため12cm角の大型ファンが装着されている。フルタワーケースのため拡張ベイは5インチ×3、3.5インチ×5と多め

　日本AMDがAthlon 1GHzをリリースした3月7日、日本ゲートウェイから、このCPUを搭載した「Gateway Select 1000」が発売された。Athlon 1GHzは世に出たx86互換チップとしては初めて1GHzの動作クロックを達成したCPUで、Select 1000は1GHz動作のCPUを搭載した世界初のPC製品となる。Athlonのコアクロックに対する2次キャッシュメモリのクロック比率はグレードごとに異なっており、700MHz以下が1/2、750～850MHzが2/5、900MHz～1GHzが1/3となっている。このため、上のグレードほど2次キャッシュとコアの速度差が開いてしまい、単純にコアクロックどおりの性能向上が見込めるわけではない。これに対してCoppermineコアのPentium IIIは2次キャッシュもコアと等速で動作するため、両者を1GHzで動作させた場合はPentium IIIの方が高速となる傾向にあるようだ。こうしたことからAthlon 1GHzが最高速のx86プロセッサとは言い切れない面もあるのだが、本機にはそれを補うだけのメリットがある。とくにSelectシリーズの特徴であるコストパフォーマンスは健在で、Pentium III 1GHz搭載機が400,000円以上の価格設定であるのに対し、本機は標準構成で289,800円と比較的手の届きやすい設定となっている。

AMD Athlon 1GHz。サーマルプレートはシルバーに変更された

　Select 1000のCPUを除いた基本スペック、およびBTOオプションは先月号で紹介したSelect 850を踏襲している。マザーボードも同一で、チップセットにAMD 750を採用した独自設計のものだ。ボード上にはAGP×1、PCI×5を備えており、後々周辺機器を増設する際にも余裕を持って対処できる。また、3本のDIMMスロットを備え、最大384MBまでのPC100対応SDRAMを装着することが可能だ。なお、標準構成時の容量は64MBだが、スワップによるディスクアクセスでCPUの待ち状態が多発すると高速なCPUのメリットも半減してしまうため、できれば128MB以上のメモリを選んでおきたい。

マザーボードはSelectシリーズ共通のもの。PCIバスを5本備える

　ビデオカードは標準で16MB SDRAMを搭載したVisionTeK製のTNT2 M64カードが選択されるが、32MBのSDRAMを搭載したCreative Technology製のGeForce 256搭載カードも選択可能だ。エントリレベルのM64は最新のビデオチップと比較すると、3D描画速度で劣ってしまうため、ゲームや3Dモデリングなどの用途に使うのであれば後者を選ぶのがよい。半面、2D処理が中心のビジネス用途やプログラミングなど、ビデオまわりの負荷が低い環境であれば、両者の体感速度的な差は大きなものではないので、コスト面から前者を選ぶメリットも大きい。

　また、HDDはデフォルトで10GBで、20/30GBのドライブも選択できるほか、内部ベイに2台目のHDDを追加することも可能だ。そのほかのストレージデバイスはCD-R/RWドライブや、DVD-ROM、Zipドライブが用意されているので、ユーザーの好みや環境にも柔軟に対応できる。

Select 1000ベンチマーク

　本機の標準構成はミドルタワー型の筐体だが、今回は＋3,000円で変更可能なフルタワー型を使用した構成で評価した。この筐体はミドルタワー型と比べて外部3.5インチベイが一つ少ないが、内蔵3.5インチベイは二つ、外部5インチベイは一つ多く用意されている。また、ケースが大きい分メンテナンス性も高い。多くのデバイスを増設する予定があれば、こちらを選ぶのもよいだろう。

　最高ランクのCPUを搭載しながら、システム全体の価格は低く抑えられている上に、BTOによってオールラウンドな環境に対応できる点はうれしい限りだ。絶対的なCPUパワーが必要なユーザーのみならず、同じ金額でより高性能なマシンが欲しいという方も実用的な1GHzマシンとして本機に注目してみてはいかがだろうか。