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NEW PRODUCTS TESTREPORT


デルコンピュータ
Dimension XPS B1000r Special Edition

Pentium III 1GHzとRDRAMを
搭載したハイエンドモデル

TEXT:中嶋敦司 Atsushi Nakajima



筐体デザインは従来のXPSシリーズとほぼ同じものだが、CPUと8cm角のケースファンをダクトで結ぶことにより、効率のよい冷却を行なっている
 米DELLから発表された初めてのPentium III 1GHz搭載機「Dimension XPS B1000r Special Edition」が、日本でも販売開始となった。本機はそのCPU性能を活かすために、各種パーツにも高性能なものを惜しみなく使った個人向けのハイエンドシステムとなっている。

 CPUのPentium III 1GHzは従来と同じCoppermineコアで、32KBの1次キャッシュと256KBの2次キャッシュを内蔵する。これらのキャッシュはCPUクロックと等速、すなわち1GHzで動作するため、CPUに高い負荷がかかる場面では2次キャッシュがコアの1/3のクロックで動作するAthlon 1GHzに対して速度的に優ることも多いだろう。

 マザーボードは従来のXPSシリーズと同じく、チップセットにi820を搭載した、IntelのVC820を採用している。このボードは2本のRIMMスロットを備えており、標準構成では128MBのPC700対応ECC RIMMモジュールを備えている。i820発表当初はその効果が疑問視されていたDRDRAMだが、CPUクロックが向上し、単位時間あたりのメインメモリアクセス回数が増加するにつれ、SDRAMに対する優位性が少しずつ証明され始めている。とくに本機のような1GHzクラスのCPUを用いたシステムでは、PC100対応SDRAMの1.8倍近くとなる最大1.4GB/sの帯域幅が活きてくるだろう。ただ、BTOにより選択可能なメモリはPC700のモジュールだけでなので、できれば最高速のCPUに合わせてメモりもPC800対応モジュールを選択可能にしてほしかったところだ。


Pentium III 1GHz。このCPUを採用したシステムは4月中旬現在、日本国内では本機だけとなる
 本機のもう一つの魅力は64MBのDDR SDRAMを実装したGeForce 256搭載カードが装備されている点だ。このカードはDELLがnVIDIAと共同開発したもので、コンシューマ向けのビデオカードとしては文句なしに最高レベルの性能を持っている。GeForce 256の処理能力と大容量、高速なローカルメモリにより、2D、3D環境ともに快適な操作性を得ることができる。

 ストレージデバイスも書き込み8倍速、書き換え4倍速に対応したCD-R/RWドライブか12倍速DVD-ROMドライブをオプションで選択可能だ。また、HDDは回転数7,200rpmのUltra ATA/66対応モデルを容量30/34GBから選択する。またディスプレイも標準で付属し、17/19/21インチのCRTや、15/17インチの液晶ディスプレイの中から選択することが可能となっている。


DELLオリジナルのGeForce 256搭載カード。HYUNDAI製のDDR SDR AMを64MB実装している
 実際の使用感としては、ウィンドウの開閉やスクロール、アプリケーションの起動などがキビキビと反応するのが印象的で、バンドルされるOffice2000 Personalに含まれるWord 2000やExcel 2000も快適に動作した。さらに、QuakeIIIのフレームレートを計測(timedemo 1、DEMO001)してみたところ、1,024×768ドット/32bitカラー、V-synk OFFの設定で60.5fpsという本誌史上最高の値を示した。このクラスの性能を持っていれば、ビジネス、ゲームなどのカテゴリーを問わず、ほとんどのアプリケーションを快適に動作させることが可能だ。とくに、高いCPU性能とグラフィックス処理能力を要求し、大量のメモリアクセスが発生する、3DモデリングやDTP、フォトレタッチなどの環境では本機の性能を最大限に活かした高速な処理が期待できる。

 個人向けのPCとしては、現在ほぼ最高のスペックを詰め込んだ本機だけに、価格は標準構成でも450,800円となる。誰にでも手が出せる価格とは言えないが、4月中旬現在、PentiumIII 1GHzを搭載したシステムが本機しか存在しないことを考慮すると、この性能を必要とするユーザーにとって、決して高過ぎるものではないだろう。性能を最優先するパワーユーザーは要注目の製品だ。


XPS B1000r ベンチマーク

  • 製品名:Dimension XPS B1000r Special Edition
  • 標準価格:530,300円(4月15日現在、今回試用の下記構成において。BTOにより変動)
  • メーカー:デルコンピュータ株式会社
  • 問い合わせ先:044-556-6050
  • URL:http://www.dell.com/jp/
  • CPU:Pentium III 1GHz
  • チップセット:Intel 820
  • メモリ(最大):256MB(512MB)
  • HDD:30GB(Ultra ATA/66)
  • FDD:2モード
  • CD-R/RWドライブ:読み出し32倍速、書き込み8倍速、書き換え4倍速
  • DVD-ROMドライブ:最大12倍速 (CD-ROM最大40倍速)
  • ビデオチップ:nVIDIA GeForce 256
  • ビデオメモリ:64MB DDR SDRAM
  • ディスプレイ:17"FDトリニトロン管
  • 最大解像度:1,600×1,200ドット/1,677万色
  • サウンドチップ:EMU10K1
  • モデム機能:56kbps(V.90/K56flex)
  • キーボード:109キー(PS/2接続)
  • 拡張スロット(空き):AGP×1(0)、PCI×5(4)
  • インターフェース:USB×2、キーボード(PS/2)×1、マウス(PS/2)×1、シリアル(Dsub 9ピン)×1、パラレル(Dsub 25ピン)×1、CRT(Dsub 15ピン)×1、DVI×1、LINE IN×1、LINE OUT×2、マイク×1、GAME/MIDI×1
  • 本体サイズ(W×D×H):203×445×437mm
  • 重量:11.3kg以上(システム構成による)


    ■写真撮影
    若林直樹(STUDIO海童)

    □デルコンピュータのホームページ
    http://www.dell.com/jp/
    □ニュースリリース
    http://www.dell.com/jp/dell/news/000410.htm
    □関連記事
    【4月10日】デル、Pentium III 1GHz機を発表。450,800円から
    http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000410/dell.htm


    【PC Watchホームページ】


    ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp