4月25日~27日 開催(現地時間)
会場:New Orleans Morial Convention Center
昨日はデモショーケースのAMD、Intelブースの模様をお届けしたが、それ以外にも多くのハードウェアベンダが出展しており、注目の製品もいくつかある。
●それなりに注目されていた3dfxとMatrox
ATI Technologies、NVIDIAとグラフィックスアクセラレータの発表が相次いだことで、にわかに活況を呈してきた3Dグラフィックスアクセラレータ市場だが、WinHECではこの2社以外にも3dfx、Matrox、S3が参加し、自社の製品を展示した。
'99年のCOMDEX/FallでVoodoo3シリーズの後継として華々しいデビューを飾った3dfxのVSA-100だが、その後実際に製品が発売されたという話は聞かない。しかし、ここWinHECにはブースを出しており、Voodoo5 6000を展示していた。Voodoo5 6000はVSA-100を4チップと、128MBのSDRAMを搭載た強力なボードで、実売価格は559ドルとなっている。COMDEX/Fallで展示されていた2×2列に搭載されていたサンプルボードと比較すると、チップがすべて一直線に配置されるなど若干デザインが異なっている。
VSA-100チップを4つも搭載したVoodoo5 6000。昨年のCOMDEX/Fallで展示されたものに比べるとややチップの配列が違っている | 昨年のCOMDEX/Fallで展示されていたVoodoo5 6000 | Voodoo5 5500を利用したデモ。 |
今回このVoodoo5 6000は残念ながらデモはされなかったが、2チップのVoodoo5 5500は、フライトシミュレータのデモを動作させ、レンダリング能力の高さをアピールしていた。登場時期は、間もなくとしたものの、具体的な時期は明らかにされなかった。
Matrox Graphicsは先日発表されたばかりのMatrox G450のデモンストレーションを行なった。Matrox G450は、Matrox G400のプロセスルールが変わっただけで、製品としての機能はG400と何ら代わりがない。このためもあってか展示には元気がなく、Matrox G450が搭載されている(という)マシンでDVDビデオを再生しているだけのデモだった。
さらに、先日VIA Technologiesにグラフィックス部門を買収されたS3もブースを出しており、Savage2000を搭載したViper IIなどのデモを行なっていた。ただし製品名は「ProSavage PM133」となっており、こちらがS3が出す場合の製品名になるということだ。
また、今回初めてVIAとS3のジョイントベンチャーで開発が進んでいる、Savage4コアを内蔵した統合型グラフィックスアクセラレータのApollo PM133がデモンストレーションされた。Apollo PM133に関しては、既に2月に開催されたCeBIT2000で、多くのベンダが搭載マザーボードを展示していたが、実際のデモンストレーションは初めてだ。CeBIT2000で動いているデモンストレーションが無かったのは、動かすほどには完成していなかったととることも可能で、やっと今回動かすまでに完成度が高まったということだろう。Apollo PM133は、Savage4コアを内蔵していながら、AGPスロットにスタンドアロンのビデオカードを挿して利用することも可能で、Intel 815/815Eの強力なライバルと言える。
Matrox G450の機能を説明するパネル。デモの方はDVDビデオの再生だけとやや寂しい | VIAのApollo PM133だと思われるProSavage PM133のデモ。こちらもDVDビデオの再生を繰り返していた |
●MotorolaのブースにはWindows CE 3.0搭載リファレンスマシンが展示
Motorolaのブースに展示されていたWindows CE 3.0のリファレンスマシン。CPUはもちろんPowerPC |
現時点ではWindows CE 3.0の詳細はあまり明らかではなく、初日の基調講演でストック氏が語った
をサポートしているという事しか明らかにはなっていない。実際に動作しているWindows CE 3.0も見た目はWindows CE 2.12と変わっておらず、少し触っただけではあまり変更点などはわからなかった。
●リコーがIEEE-1394対応プリンタを参考出品
リコーはIEEE-1394に対応したプリンタを出展した。プロトコルとしては、Microsoftなどが中心になってIEEEなどで規格策定を進めているIEEE-1394を利用した印刷の規格であるIEEE P1394.3(PPDT)、Windows 2000で標準サポートされているSCSI printをサポートしており、さらにIP over 1394というIEEE-1394上でTCP/IPを利用する規格がサポートされている。このIP over 1394はWindows MEでサポートされるので、Windows側に特殊なドライバを組み込まなくてもIPP (Internet Printing Protocol)対応のドライバなどを用意すれば印刷できるというメリットがあるという。
リコーによればこの展示を見たIEEE P1394.3(PPDT)のデベロッパなどから反響があったそうで、開発が難しいと言われているIEEE P1394.3(PPDT)よりもこちらをサポートしたほうが手軽で良いということで好評を博しているという。日本ではかなり多くのPCにIEEE-1394ポートが用意されつつあり、このようなIEEE-1394プリンタにも注目していきたい。
●Micron、Samurai-DDRのデュアルマザーを展示
また、Micron TechnologyはPlatform2000に引き続いて、DDR SDRAMとDDR SDRAM対応チップセットであるSamurai-DDRを展示した。Samurai-DDRはP6バス(Pentium IIIおよびCeleron用)のチップセットで、P6バスチップセットとしては初めてDDR SDRAMをサポートするものだ。今回展示されたSamurai-DDRはPlatform2000で展示されたRev.Aに対し、Rev.Bに上がっていた。さらに、今回はPGA370ソケットを2つ搭載したデュアル仕様のマザーボードも展示されており、実際の製品化に向けて着々と開発が進んでいることが伺える。早期に製品化して、ぜひとも秋葉原のショップなどで販売してもらいたい。
Samurai-DDRを搭載したPGA370ソケットのデュアルマザーボード | PowerFileのDVD-ROMドライブチェンジャー。内部にDVDが垂直に格納されている。スケルトンモデルではDVD-ROMが回る様子が見えてカッコよい! |
色が増えたEasyNow!対応PC。COMDEX/Fallの時は4色だったが、今回は8色に増えていた |
□WinHEC 2000のホームページ(英文)
http://www.microsoft.com/winhec/
(2000年4月27日)
[Reported by 笠原一輝@ユービック・コンピューティング]