RADEON 256搭載ビデオカード |
4月25日~27日 開催(現地時間)
会場:New Orleans Morial Convention Center
RAGE128PROなどのグラフィックスアクセラレータで知られるATI Technologies(以下ATI)は、WinHECが開催されているニューオリンズで記者会見を開催。これまで「Rage6(レイジシックス)」の開発コードネームで知られてきた同社の新しいグラフィックスアクセラレータ「RADEON 256」を発表した。これまでどちらかといえば、メインストリーム市場に力を入れてきたATIだが、このRADEON 256でNVIDIAや3dfxなどが激しく争うハイエンド市場になぐり込みをかける。
●「ATIはゲーム、ワークステーションの3D市場に参入する」とオートン氏
ATIの社長兼COO(最高執行責任者)デビット・オートン氏 |
その後を受けて壇上に上った社長兼COO(最高執行責任者)のデビット・オートン氏は「ゲームやワークステーション市場で求められているのは、パフォーマンス、機能、クオリティそして価格だ」として、RADEON 256で3Dゲームでのパフォーマンスを追求するハイエンドゲームユーザーや、3D CGエンジニアのようなプロフェッショナルユーザーなどをターゲットとしていく製品であることを強調した。さらに「当社はOEMメーカーに対して非常にアグレッシブなロードマップを提示しており、多くのメーカーで採用されることだろう。リテールの製品に関しては第2四半期中に発表し、夏の終わりまでには大量出荷にこぎ着けたい」と述べ、RADEON 256を搭載したボードが今夏にリリースされる予定であることを明らかにした。
●Charisma Engineによる、さらにリアルなキャラクタ表示
発表されたRADEON 256のグラフィックスコアは以下のような特徴を持っている。
4 Matrix Skiningという機能を利用すればキャラクターの関節部分の動きなどをよりなめらかに表現できる |
このようにCharisma Engineがもたらすメリットは明白で、よりリアルなキャラクタだ。ATIはRADEON 256を説明するプレゼンテーションの中で、盛んにパックマンやドンキーコングといったキャラクタが2次元の古いゲーム、ファイナルファンタジーなどのキャラクタが3Dの最近のゲーム画面を示しながら、キャラクターがリアルに動作しないことが、ゲームをプレイする時にリアリティを損なっていると指摘した。Charisma Engineを利用すれば、よりリアルなキャラクタを表現可能であり、リアリティも増すという訳だ。
このほか、レンダリング関連の強化では3つのテクスチャを利用して1つのピクセルを表示するThree Filtered Texturesや、Bump Mapping、Environment Bump Mappingなどがサポートされており、レンダリング能力も大きく向上している。
ゲーム開発者はこのように最初と最後の画像だけを用意すれば、間のアニメーションは自動的に作成され、写真のように色々な表情の動きを作り出すことができる |
●性能は従来のグラフィックスアクセラレータの7倍近く
RADEON 256を搭載したサンプルボード。クーラーにはRAGE128のシールが貼られている。ビデオ入出力端子も用意されている |
RADEON 256のスペックは以下のようになっている。
関係者の話ではRAGE MAXXのようにデュアル構成もチップレベルでサポートしているという。また、ATIではRADEON 256の性能が'99年のグラフィックスチップ(具体的にはRAGE128PROのことを指していると思われる)の実に7倍程度に達すると説明している。これが事実であれば、相当高いパフォーマンスが期待できる訳で、注目のビデオチップとなることは間違いないだろう。
□WinHEC 2000のホームページ(英文)
http://www.microsoft.com/winhec/
□ATI Technologiesのホームページ(英文)
http://www.atitech.ca/
□ニュースリリース(英文)
http://www.ati.com/na/pages/showcase/radeon/press.html
□製品情報(英文)
http://www.atitech.ca/na/pages/showcase/radeon/flash/flash.html
(2000年4月25日)
[Reported by 笠原一輝@ユービック・コンピューティング]