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WinHEC 2000レポート1

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AMDが公式にThunderbirdを公開、
新CPU「Corvette」がロードマップに登場

4月25日~27日 開催(現地時間)
会場:New Orleans Morial Convention Center

 米AMDは、まるで、秘密を小刻みに明すことで、観客をじらせて楽しんでいるように見える。

 今回、AMDは第2四半期中に発表する予定の新CPU「Thunderbird」のパッケージや搭載マシンを公開、また「Spitfire」搭載マシンのデモを行なった。さらにロードマップも多少修正し、新たに「Corvette(コルベット)」を追加した。これらは、4月25日から米ニューオリンズで開催されているMicrosoftのハードウェアエンジニア向けカンファレンス「WinHEC 2000」でのプレス向けのミーティングと展示会場で発表されたものだ。

Thunderbird搭載PC。1.1GHz Overで動いている
 期待のThunderbirdに関してAMDは、Socket A対応のPGAパッケージ版を公開した。パッケージ上に裏返しになったCPUのダイ(半導体本体)が薄いコーティングの下に見えるフリップチップ実装となっている。WinHEC展示会場では、Thunderbirdを搭載したマザーボードや搭載マシンの展示とデモや、Thunderbirdに対応する次世代チップセット「AMD760」とDDR SDRAMメモリの組み合わせのデモも行なわれた。

Socket A版Thunderbird

Slot AとSocket A版Thunderbird

Thunderbird対応チップセットAMD760搭載デモ機。AMD761(中央、ノースブリッジ)とAMD757(右、サウスブリッジ)

Spitfire 700MHz搭載PCによるDVD-Videoの再生デモ
 しかし、AMDは今回、Thunderbirdのスペックの詳細は公開しなかった。キャッシュ容量については、1次キャッシュは128KBと説明したが、2次キャッシュの容量は非公開のままだ。また、発表時期は第2四半期中と従来通りの説明で、発表予定のクロックについても説明はされなかった。Spitfireについては、AMDは700MHz版の搭載マシンのデモを公開するにとどまった。

 ThunderbirdとSpitfireが完全にベールを脱ぐには、まだしばらく時間がかかりそうだ。

 AMDのロードマップは、これまでも小刻みに変わっていたが、今回はCorvetteという新しいコードネームが登場した。しかし、これは従来ロードマップにあったCPUのコードネームを変更したものだ。

AMDロードマップ

 Corvetteは、これまで「Mustang-Mobile」あるいは「Mustang-Value」と呼ばれており、サーバー&ワークステーション市場を狙うMustangと同じCPUコアを使うが、最初はモバイル、次にデスクトップ市場に展開される。コードネームを変更した理由は、ターゲットとする市場が異なるMustangと区別を明確にするためだという。CorvetteはMustang同様に年内に登場する予定。Mustangとの違いは、キャッシュ容量が少なくなることと、AMDの電圧&クロック切り替え技術「PowerNow!」を搭載することだという。

 このほか、AMDは2001年1月に1.5GHzを実現する予定でいることを改めて確認した。これは、同社のジェリー・サンダース会長が2週間前に宣言した目標だ。1.5GHzは、Intelの次世代CPU「Willamette(ウイラメット)」が、来年第1四半期に達成すると見られているクロック。AMDはWillametteと互角のクロック競争をするつもりだ。

□WinHEC 2000のホームページ(英文)
http://www.microsoft.com/winhec/

(2000年4月24日)

[Reported by 後藤弘茂 / Photo by 笠原一輝@ユービック・コンピューティング]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp