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アキア MicroBook MB5846ECR CD-R/RWドライブ、128MBメモリアプリケーション搭載で
TEXT:中嶋敦司 Atushi Nakajima |
マザーボードはFlexATX仕様で、コンパクトな筐体の2/3程度の面積だけを占有する非常に小型なもの |
本機のベースとなっているのはPC-CHIPS製のベアボーンキットで、厚さ82×奥行き310×高さ272mmというコンパクトなケースにFlexATX仕様のマザーボードが収められている。このマザーボードで採用されているチップセットはビデオ機能を内蔵したIntel 810-Lで、サウンド、モデム統合チップにはC-Media CMI8738、ネットワークコントローラチップとして10BASE-T/100BASE-TXに対応したDAVICOM DM9102Fをボード上に搭載する。さらに、S-VIDEO/VIDEO OUT端子までも備え、充実した仕様になっている。また、CPUはCeleron 466MHz、メインメモリはPC100対応のDIMMが採用されている。
本機に採用されているCD-R/RWドライブはAOpen製のRW9420。縦置き動作にも対応 |
搭載されるCD-R/RWドライブはAOpen製の「CRW9420」で、読み出し20倍速、書き込み、および書き換え4倍速に対応し、CDライティングソフトとしてNTI製の「CD Maker Pro」が付属する。その操作は初心者にも分かりやすいもので、最初に起動するメニューからCD-DA、CD-ROM、Video CD、およびそれらの混在形式などのフォーマットを指定後、エクスプローラなどから任意のファイルをドラッグ&ドロップするだけで書き込みを行なうことが可能だ。HDDもこの価格帯のモデルとしては大容量といえる10GBのものが搭載されており、CD-ROMのマスタリングや大量の動画ファイルなどのバックアップを行なう際のユーザー作業領域も十分に確保できるだろう。
ローコストPCではバンドルされることの少ないアプリケーションも用意されている。オフィス向けとしては「Lotus SuperOffice 2000」が付属し、表計算ソフト「1-2-3」、ワープロソフト「WordPro」、個人情報管理ソフト「Organizer」など、ビジネス分野で役立つソフトがこれ1本にまとめられている。このほかにも、近年急速に需要が高まっている音声認識ソフト「IBM ViaVoice Standardミレニアム」やアンチウイルスソフト「Norton AntiVirus 5.0」なども付属する。
バックパネル部のコネクタ構成はモデムやLAN、ビデオ出力を備え、本機の多機能さをうかがわせる |
上記のSuperOfficeがプリインストールされる関係で、本機の起動時にはいくつかの常駐ソフトが組み込まれる。搭載メモリが64MB程度のマシンでは多量の常駐ソフトが組み込まれた場合、メモリが不足してスワップが多発するのだが、128MBものメモリを搭載する本機ではこういった問題も少ない。また、常駐ソフトによるCPU、メモリへの負荷がCD-Rのライティングへの悪影響を及ぼすことが心配されたが、書き込み、コピーを数枚のメディアに対して行なった範囲で問題が発生することはなかった。
ただ一つ気になる点はその拡張性だ。非常にコンパクトな筐体設計となっているため、PCIやISAスロットを備えていない。また、ドライブベイも外部、内蔵ともに空きがなく、2台目のHDDやMOドライブを増設する場合などはUSBを利用して外付け機器を接続する必要がある。
しかし、この点を差し引いても本機のコストパフォーマンスは群を抜いていることは言うまでもない。オプションの15インチCRTの価格も10,000円に設定されており、同時に購入しても100,000円以下に収まる。手頃な価格と多機能性を兼ね備えた5846ECRは、初心者向けのPCとして十分お勧めできるだけでなく、CD-R/RWの扱える便利な2台目のPCとしても活用できそうだ。
□アキアのホームページ
http://www.akia.co.jp/
□製品情報
http://www.akia.co.jp/product/desktop/mb58/index.html
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