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WDLC堂山会長、「コンシューマPCで国内1,000万台目指す」

マイクロソフトの堂山昌司代表取締役副社長

11月12日 開催



 ウィンドウズ デジタルライフスタイル コンソーシアム(WDLC)が設立から1周年を迎え、第3回総会を東京・代々木のTKP代々木ビジネスセンターで12日、開催した。

 これにあわせ報道関係者を対象に、WDLCの活動や、9月30日からスタートした合同販促キャンペーン「PC de 旅」における年末商戦向けの取り組みについても説明した。

 2008年9月からWDLCの新会長に就任したマイクロソフトの堂山昌司代表取締役副社長は、「海外の様子などを見ると、日本のコンシューマユーザーはまだまだ広がる可能性がある。今後3年間で市場規模を倍増させたい。つまり、2011年には、現在の約500万台のコンシューマPC市場が、1,000万台程度に広がると見ている。来年(2009年)も、100万台程度を上乗せしたい。ハウスホールドではなく、1人1台のライフスタイルを提案していくこと、ネットブックによる利用提案も追い風になるだろう。PCが売れないと言われているが、WDLCのメンバーに元気がないと、消費者に業界の元気さが伝わらない。今後は、シェアリングをキーワードに、フォトやビデオのシェアリングの提案のほか、PCセントリックだけでなく、携帯電話と連動も提案していきたい」などとした。

 WDLCは、2007年11月に、PCメーカー、ソフトメーカー、周辺機器メーカー、販売店、TV局、旅行会社など、PC業界の枠を越える企業が参加して設立。現在85社が参加している。

第三回総会が行なわれた会場 総会の様子。60社以上が参加した 総会で挨拶するWDLC会長のマイクロソフト・堂山昌司代表取締役副社長

WDLC事務局の笠原健司事務局長

 「会員数が、ここまで増えるとは考えていなかった。とくに、コンテンツホルダーやサービスパートナーの増加が目立つ。この2カ月では、PC de 旅にフォーカスした観点からの新会員も増加しており、業界の枠を越えた動きがでている」(WDLC事務局の笠原健司事務局長=マイクロソフト)と、この1年の成果を総括した。

 9月30日にスタートしたPC de 旅キャンペーンでは、「思い出を、見つける、楽しむ、創り出す」をテーマに、旅の観点から現在ある製品とサービスを組み合わせる各種提案を、参加各社が共同で実施。旅行前、旅行中、旅行後といったそれぞれのタイミングで、旅をより思い出深く、充実したものにできるようにするというものだ。

 これにより、デジタル情報機器や情報、コンテンツサービスの利用を促進し、市場全体の需要喚起を図る狙いがある。

 期間は、2009年3月31日までを予定しており、現在、31社が参加している。


 キャンペーンの開始にあわせて、WDLCでは公式キャンペーンサイトを公開。「店頭で訴求するだけでなく、まずは、気づきを与える仕掛けをサイトを通じて行ない、そこから需要喚起につながるように力を注いだ」(笠原事務局長)としている。

 公式キャンペーンサイトは、9月30日の公開から約6週間で20万ユニークユーザー(UU)を達成。「今年(2008年)夏に行なったPC de TVでは、5月から8月までの4カ月間でのUU数が20万。早くもそれに到達した。3月31日までの目標である150万UUの達成に向けて、さらに仕掛けをしていく」(笠原事務局長)とした。

 PCメーカーの中には、デスクトップアイコンやウェルカムセンター、お気に入りの中に、WDLCのサイトに誘導できる仕掛けを盛り込むといった取り組みのほか、NECパーソナルプロダクツ、ソニー、東芝、富士通、デル 自社サイトからキャンペーンサイトに誘導する仕掛けを用意。そのほか、J-WAVEやDomiru、USENなどが、各社のサイトにバナーなどを配置し、公式キャンペーンサイトに誘導するといった仕掛けを行なっている。

 量販店における「PC de 旅」をテーマとした店頭展示では、11月から一部店舗での展示が開始されており、白と緑を基調としたPC de 旅キャンペーン用の展示台を用意するなど、旅を切り口にしたPCおよび周辺機器の訴求を開始している。

 「今回のキャンペーンでは、店舗ごとの自主性によって売り場を作っていただくことになり、独自性も出てくることになるだろう」(笠原事務局長)。

ヨドバシカメラ事業本部取締役本部長の竹下雅浩氏 ビックカメラの商品本部第一商品部・大西順也副部長

 ヨドバシカメラ事業本部取締役本部長の竹下雅浩氏では、「デジタルカメラの売り場に、PCとを組み合わせて提案ができる売り場づくりを行なっている。また、スーツケースなど旅に関連が商品と関連させながら、店舗全体を巻き込んだ売り場づくりをしていきたい。一眼レフカメラ、アプリケーションソフト、PC、プリンタなどを組み合わせた『デジタル現像』のコーナーを、秋葉原と梅田の店舗で用意しているほか、当社の月刊誌であるPOINT NETWORKではPC de 旅の特集ページを用意した。11月中には、まずは秋葉原の店舗で、PC de 旅による売り場を作りたい」とした。

 ビックカメラの商品本部第一商品部・大西順也副部長は、「キャンペーンを通じて、ハイエンドモバイルPCの販売に力を注ぎたい。PC de 夏では、基幹店舗に限定していたが、オリンピック商戦での成果があったこと、PC de 旅は、使うシーンを連想しやすい提案であることから、11月末には、可能な限り全店舗で展開していきたい。年末商戦のPC販売は、前年実績を上回る形で想定しているが、業界をあげたこの共同キャンペーンを利用して、もう一歩踏み込んだ形で売り場を作っていきたい。デジカメやネットブックとも連動させていく」とした。


 一方、サービスプロバイダーもキャンペーンの成果に期待を寄せる。

NTTコミュニケーションズユビキタスサービス部担当課長の青木健一郎氏
DOMIRU・小笠原治代表取締役

 NTTコミュニケーションズでは、11月30日までの期間限定ながら、ホットスポットサービスの初月契約料金を無料にするほか、3,000人限定で168時間(1週間)無料で利用できるお試しIDを発行するキャンペーンを実施している。

 NTTコミュニケーションズユビキタスサービス部担当課長の青木健一郎氏は、「これまでホットスポットサービスは、ビジネスユーザーを対象にしてきたが、今回、初めてコンシューマユーザーを対象としたキャンペーンを実施した。旅に出て活用してもらうという新たな利用シーンを訴求し、新規の利用者を増やしていきたい。観光地においてのホットスポットエリアの拡充はまだ進んでいないが、空港や駅などの拠点での利用を促したい。また、今回のお試しIDは、携帯電話からも申し込めるようにしたいのも新たな取り組みであり、コンシューマユーザーの利用拡大のきっかけにかることを期待している」とした。なお、お試しIDは、まだ限定3,000人には達していないという。

 DOMIRUは、動画コンテンツ共有サイト「ウゴペタ」でキャンペーンを実施。登録ユーザーは、コンテンツの個人間共有、家族間共有を行なえるほか、3カ月間に渡り、BBモバイルのアクセスポイントを無料で利用できるようにした。

 「現在までに約1,000ユーザーの登録があった。約3割のユーザーが旅先から、あるいは旅行後に画像をアップしているようだ。家族、学生間での共有が多く、10人程度で共有しているケースが目立つ。1月以降はライブドアのアクセスポイントの利用も可能にし、3月末までに1万ユーザーの登録を見込みたい」(DOMIRU・小笠原治代表取締役)という。

 この日開催された総会には60社以上が参加。業界の関心が高いことを示した。WDLCの活動、そして、秋冬キャンペーンとなるPC de 旅キャンペーンが、年末商戦のPC販売に弾みつけることができるかが期待される。

□WDLCのホームページ
http://www.wdlc.jp/
□関連記事
【9月26日】WDLC、年末商戦向け共同キャンペーンを開始
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0926/wdlc.htm
【4月11日】WDLC、PC上でのTV視聴を訴求する合同キャンペーン
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0411/wdlc.htm
【2007年11月9日】デジタルライフスタイルの浸透を目指すWDLCが設立
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/1109/ms2.htm

(2008年11月13日)

[Reported by 大河原克行]

【PC Watchホームページ】


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