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WDLC、PC上でのTV視聴を訴求する合同キャンペーン
~TV放送局各社がVista用ガジェットを提供

4月11日 発表



 ウィンドウズ デジタルライフスタイル コンソーシアム(WDLC)は11日、記者発表会を開催し、2007年11月の設立からの成果や活動内容を報告するとともに、今夏より開始するPC上でのTV視聴に関する共同マーケティングについて発表を行なった。

マイクロソフト 佐野勝大氏

 まず、旗振り役であるマイクロソフトの業務執行役員 佐野勝大氏がWDLC設立の経緯を説明した。日本のコンシューマ市場ではブロードバンドの普及により、生活スタイルに変化が生じている。例えば、コンテンツや情報がデジタル化され、ネットを通じて即座に入手できるようになり、それらをPCやデジタル家電間で共有が可能になったほか、ユーザー自身が情報を発信したり、知人と共有するといったことが当たり前になってきている。

 と同時に、これまでは、そういったニーズやスタイルの変化に対して、PC業界、放送業界、通信業界などが個別に対応を図ってきたが、変化の速度が速まってきたことで、個々に対応することが困難になってきた。このような状況を打破し、新しいデジタルライフスタイルの提案をするために結成されたのがWDLCだ。

 WDLCには、大手PCメーカー、周辺機器メーカー、ソフトウェアメーカーだけでなく、販売店や、コンテンツ/サービスプロバイダ、TV局なども名を連ねる。発足当初の会員数は48社だったが、今回新たに17社が加わり、66社となった。

 この点について佐野氏は「我々の熱意が伝わった結果と捉えてる。今後も、異業種間の人々の熱意や新しい反応をもとに、さまざまなアイデアが創出されることを確信している」と語った。

 WLDCでは、理事の5社に3社を加えた8社が運営委員会を組織し、メンバーのリクルーティングや、ディスカッション、アンケートの分析などを行なう。この下に分科会や協議会を設け、その中で会員各社が自由に活動を行なっている。

WDLCの組織図 創設時のメンバー 今回新たに17社が加わった

 例えば、地上デジタル放送の立ち上げにともない、PCとTVとの連携をどうやっていくかについて、マイクロソフトやTV局の関係者が「テレビPC利用協議会」を立ち上げた。ここでは、市場動向、技術動向、海外動向などを有識者を招いて協議してきた。その最初の成果として、各局が独自のサイドバーガジェットを作成し、この夏発売される各社のPCにプリインストールされることになった。

NHKの時計ガジェット クリックするとサイトに飛ぶ 日テレのガジェット。ニュースが表示される
クリックするとサイトに飛び、ニュースを閲覧できる TBSのガジェット。ニュースが表示される こちらもクリックするとサイトに飛び、ニュースを閲覧できる
TBSでは野球情報をインタラクティブに楽しめるメディアセンター向けサイトも運営している フジTVのガジェット。マスコットキャラのラフがふらふらと動く TV ASAHIのガジェット。時間によって表示される画面が変わる
ガジェット上でニュースをそのまま視聴できるほか、番組表やアクセスランキングも表示できる 簡単なゲームも用意されている テレビ東京のガジェット
時計や、カレンダー、電卓などを表示する PCメーカーの夏モデルにはこれらのガジェットがプリインストールされる

 また、WDLC全体の共同マーケティングとして「TVも、ネット動画もサクサクきれい! PC de TV」をテーマに、PC上でのTV視聴を訴求するキャンペーンを展開していく。

 アイ・オー・データ機器はUSB接続のワンセグチューナを発売しているが、店頭キャンペーンが始まる5月9日に合わせて、視聴ガジェットを公開。5月末までには、番組情報やEPG情報の表示や、録画機能も追加していく。また、コーレルは、アイ・オー・データ機器と共同で新しいPCの使い方を提案する情報ポータルサイト「デジらいふ」を立ち上げる。3月よりパ・リーグの全野球試合を無料でライブ配信しているヤフーも同キャンペーンを支援していく。

キャンペーンロゴ アイ・オー・データ機器の土田拓氏
コーレルの田中俊輔氏 ヤフーの板東浩之氏

 シナリオ分科会では現在、「PCライフ分科会」(座長:NECパーソナルプロダクツ)、「ゲーム分科会」(座長:MCJ)、「デジタル家電連携分科会」(座長:ソニー)、「ユビキタス利用分科会」(座長:富士通)を組織。利用者視点に立った活用提案、ターゲットや利用シーンの明確化などについて幅広く議論している。

 座長の代表者も登壇し、次のように語った。

NECパーソナルプロダクツ栗山浩一氏「健康や旅などにおいてPCを活用したシナリオを構築している。今後、具現化を進め、利用シーンを創出していきたい」

マウスコンピューター氏家朋成氏「日本はPCゲームの利用率や認知度が低いのでこれを改善したい。特にPCのハードウェア構成によってゲームが動いたり動かなかったりといった問題を解決する必要がある。これにより、初心者や中級者でも手軽にゲームを楽しめる環境を提供したい」

ソニー森辰夫氏「企業が成長するためには、より良いものや、より低価格なものを出していく必要がある。デジタル家電とPCの連携は、技術的には既存のものの延長だが、ユーザーからはまだ認知されていない新規市場でもある。これを作り上げていくには、K-1がそうであったように、業界が一丸となって魅力をアピールしたり、共通のルールを作る必要がある。その上で、各社が独自の戦略をもって、健全なビジネスを発展させていきたい」

富士通磯部祐司氏「我々はいつでもどこでもPCを外で使って、楽しんでもらいたいと思っている。ホットスポットの増加や、無線カードの高速化などにより、ワイヤレスブロードバンドの時代が目前に来ている。しかし、実際にPCを外で使っている人は増えているのだろうか? それをテーマにして、バッテリ周りなど個々のメーカーが改善するとともに、メーカー1社ではできないところを議論していきたい。ユーザーがPCを外に持ち出した時に、本当につながるのか、つながった先に果たして楽しみがあるのかといった懸念を払拭していく必要がある。各社で協力して、PCならではのユビキタス利用シーンを開発し、提供していきたい」

 今回の「PC de TV」キャンペーンに基づいたPCは、5月9日より14社26の店舗で一斉に発売される。

NECパーソナルプロダクツ栗山浩一氏 マウスコンピューター氏家朋成氏
ソニー森辰夫氏 富士通磯部祐司氏

□WDLCのホームページ
http://www.wdlc.jp/
□ニュースリリース
http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=3413
□関連記事
【2007年11月9日】デジタルライフスタイルの浸透を目指すWDLCが設立
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/1109/ms2.htm
【3月21日】Yahoo!動画、パ・リーグの主催試合を無料でライブ配信(BB)
http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/21347.html

(2008年4月11日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]

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