第386回
SCE 平井一夫CEOインタビュー
「PS3はまず国内500万台を目指す」



ソニー・コンピュータエンタテインメント 代表取締役社長兼グループCEO 平井一夫氏

 ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の社長兼グループCEOに就任した平井一夫氏に話を聞いた。ご存じのようにSCEは創業者でもある久夛良木健氏が6月にグループCEOを退き、新しい経営体制の元でPLAYSTATION 3(PS3)の普及、そしてコンピュータを用いたエンターテイメントビジネスの開拓を進めることになった。

 その平井氏に、今のSCE、そしてこれからのSCEについて質問してみた。



 筆者が平井氏を初めて見たのは、E3におけるSCEのプレスカンファレンスだった。当初は流暢な英語で製品や戦略について語る同氏の漢字名がわからず、広報にメールで日本語での表記を質問するメールを投げた記憶がある。

 ソニーミュージックに入社するまで、子供の頃から米国と日本を行き来しながら育ったという平井氏が日本語をしゃべったところを聞いたのは、実はつい先日、Playstation Premire 2007の会場でのことだ。平井氏自身、「日本語もしゃべることができるんですね」と記者に言われて苦笑いしたことがあったという。

 さて、その平井氏は初代PlayStationの北米発売直前、'95年5月に当時SCE社長だった徳中氏のビジネスを助けるため、元ソニーミュージック幹部だった丸山氏に頼まれてアテンドしたのが、SCEへの関わりの始まりだったと振り返る。

 この仕事をきっかけとしてSCEとの関係を深め、1年後の'96年6月にソニー・コンピュータエンタテインメント・アメリカ(SCEA)社長に就任。北米でのPlayStationビジネス全般、特にサードデベロッパーとの関係構築を中心に活躍した。

 つまり根からのマーケティング、経営畑を歩いてきた人物であり、プロフィールを見る限りにおいては、久夛良木氏とは正反対という印象を持っていた。その平井氏が、PS3の立ち上げ初期の現在を、どのように分析しているのか。まずはそこから伺ってみた。

昨年11月の日本と米国に続き、3月には欧州でも発売され体制が整ったPS3

 「まず、日本、北米でのPS3の発売時に十分な数を用意できなかった点は大きな反省点であり、残念な部分です。この問題はすぐに解決し、潤沢な数を供給できるようになりましたが、年末商戦のスタートという意味では十分ではなかったと思います。幸いにして、欧州発売の3月には十分な台数を用意し、初動から多くの台数を出すことが出来ました。対応ソフトも30タイトル前後が同時発売で、良いスタートを切れたと思います」

 「ハードウェアの供給数という問題をクリアし、三大消費地域での発売も終えた今、もっともやらなければならないのは、PS3に対応したソフトウェアが数多く登場することを伝え、その内容をきちんと世の中に伝えていくことです」

 「対応ソフトウェアは多ければ多いほど、ユーザーにとっては良い。もちろん、あまりにクオリティの低いソフトウェアは逆効果ですが、ある程度以上の品質ならば多いに超したことはありません。そうした意味では、現状のソフトウェアタイトル数に満足することなく、今後もPS3向けソフトウェアの開発が進むように努力を続けていきます」

 もちろん、対応ソフトウェアの整備が急務であることは、改めて言うまでもない。平井氏は北米でのPlaystation向けソフトウェア開発を加速させるため、さまざまな方策をSCEAで打ち出してきた。昨年(2006年)末、日本よりも多くのPS3タイトルが北米向けに発売されたのも、平井氏のこれまでの活動の成果が現れたからだろう。マーケティング畑を歩いてきただけに、デベロッパーとの関係強化がいかに大切かは、身にしみてわかっているはずだ。

 しかし、その平井氏に本当に聞きたいのは、デベロッパーに対してPS3向けソフトウェア開発を加速させるだけの、説得力のある市場作り(ゲームを再生するハードウェアであるPS3の普及)を出来たか、あるいは出来そうかといった自己採点だ。

 「その質問はよく受けるのですが、PS3はまだ発売して1年も経過していません。1年未満の現時点においては満足していますが、PS3のスタートが成功かどうかは現時点では明言できるものではないと思います。それは5~6年を経過して、初めて評価できるのではないでしょうか。スタート直後の一時的なものではなく、数年が経過した時にゲーム開発者やユーザーが満足できるプラットフォームであること。これが初代PSから現在に至るまでの一貫したSCEのスタンスです」

 「たとえばPS2は1億2千万台以上を販売し、現在も新しい可能性を持ったソフトウェアが生まれている。これはもちろん、我々として納得のいく結果ですが、発売直後の初動で何台売れたかで満足していたわけではありません。ゲーム機は新機種が出るまで5年と言われますが、一度発売されれば同じプラットフォームが10年は使われます。つまり、10年という長いスパンでビジネスの計画を進めていますから、発売後1年に満たない現在、本当の意味での評価はできないでしょう。まだまだ、“これから”どのようなソフトを提供していけるかが、10年のプラットフォームを作る上で重要なことなのです」

 ではPS3を、PS1、2に続く10年プラットフォームにするために、平井氏は何を重視すべきと考えているのだろうか?

 「ユーザーは多様な好み、志向を持っています。そうしたユーザーの多様性に合わせ、いろいろなジャンルにおいて、本当に遊べる良いソフトウェアを増やしていくことです。PS3がいくら高性能でも、ソフトウェアが無ければ遊ぶことはできません。まずはソフトウェアの開発を促進することです。コストダウンや周辺機器の充実など、他にも大切なことはあるでしょうが、中でもとりわけソフトウェア開発のサポートは何よりも重要視しています。中心はゲームですが、広い意味でのゲーム、楽しみを開拓していかなければなりません」

 デベロッパーサポートは、初代PSの立ち上げ以来、常にSCEが力を入れてきた分野であり、言うまでもなくゲームコンソールのビジネスを進める上で必要不可欠なものだ。3Dゲームの開発にゲーム開発者が慣れていない頃からグラフィックライブラリを独自に開発して提供していたSCEは、それをよく解っているはずだ。“今更改めて”というわけでもなかろう。平井氏が社長になることで、基本的なビジネスのスタイルは変化するのだろうか?

 「基本的な(プラットフォーム普及の)牽引者がデベロッパーだということは以前から変わりません。それは私が社長になっても変わらないことです。従来以上に、デベロッパーとの関係強化を図っていきます」

 平井氏が社長になってからは、あまりプロセッサやグラフィックスのハードウェア、あるいはコンピュータ・エンターテイメントの将来ビジョンといった話が、表に向けて発信されなくなった。そうしたビジョンを示すことよりも、足下のデベロッパーサポートの方が重要という判断なのか?

 「たとえば映画などはデジタル編集やデジタル上映などで画質が向上していますが、飛躍的と言えるほどの表現力向上はありません。ところがゲームの場合は、PS1、2、3と表現力が格段に上がっています。これらはハードウェア技術に依存しているのですから、エンドユーザーの興味がハードウェアに集まるのは当然でしょう。もちろん、ハードウェアも大切です。しかしユーザーが楽しむのはハードウェアの技術的な側面ではなく、あくまでもその上で動作するソフトウェアです」

 では、久夛良木氏がSCEの常勤ではなくなったことで、SCEに何か特別な変化は起きるだろうか?

 「私と久夛良木は同じ人間ではありませんから、目標は同じでもやり方は違うことになるでしょう。しかし目的地は同じで、劇的な変化はありません。現在、我々がフォーカスしているのは、ゲームビジネスの原点に戻ること。そして、それこそは良いソフトウェアの創出ということです」

 「私が現在取り組んでいるのは、そのためにデベロッパーとの協業関係の見直し、各地域ごとのヘッドクオータ(リージョナル・ヘッドクオータ:RHQ)との関係見直しなどです。従来もRHQは、各地域の嗜好性や流通などの事情などの違いを吸収するため、かなり自由にマーケティングを行なってきましたが、今後はさらに各RHQの責任範囲を拡大させます」

 では、ソフトウェアデベロッパーとの協業関係を見直すとは、どういった意味なのだろう?

 「従来もさまざまなレベルで、デベロッパーとSCEは共通認識を持てるよう、コンタクトポイント(連絡口)を持っていましたが、これをさらに増加させます。さらにコミュニケーションを行なう機会も増加させ、話す内容も従来より踏み込んだものにしていこうとしています。たとえばPS3の今後にしても、何時どのタイミングで仕様変更や特別仕様を発売する計画を持っているのか。PS3だけでなく、すべてのPlayStationビジネスのハードウェア展開ロードマップを示し、出荷台数の情報や将来的な生産台数の情報などを細かくアップデートさせながらデベロッパーと共有し、よりプラットフォーム戦略にマッチしたソフトウェアの開発を先行して行なえるようにします」

 平井氏はSCEA社長だったPS3ローンチ時、ほぼ同時発売された日本よりも多くのゲームタイトルを揃えてみせた。単純に米国の方が市場が大きいからという見方もできるが、開発環境の整備遅れとプログラミング難易度の上昇のダブルパンチで、対応ソフトはほとんど出てこないのでは? と言われ、Xbox 360が順調に数字を伸ばしていた中、もっと数が少ないと読んでいた筆者は驚いたものだ。

 そうした意味では、ワールドワイドでの指揮を平井氏が執るようになり、デベロッパーとの関係を濃密なものにし、国内向けタイトルを含めPS3向けソフトを充実させるという言葉にも説得力を感じる部分はある。

 「現時点で日本国内向けには、来年(2008年)3月までに累計100タイトル、ワールドワイドでは累計300タイトルぐらいが、ディスクベースのメディアで発売されます。これに加えて、ネットワーク配信専用のタイトルもあります」

 「デベロッパーとの協力関係については、たとえばNCソフトとのエクスクルーシブなソフトウェア供給契約や、“アンリアルトーナメントIII”がPCとPS3でのみ発売されること、またPS3にのみ“メタルギアソリッド4”が発売されることなど、すでに成果を挙げ始めています」

 なるほど、確かに今年に入ってから、一部のゲームデベロッパーとの関係も密にはなっているのかもしれない。しかし、デモ映像やプレゼンテーションを見る限り、グラフィックスには凝っているが、動きやシステムなどに新しさを感じさせる要素は見て取れなかった。

 単純にグラフィックスが美しいゲームというだけならば、何もCell B.E.を搭載しなくとも、高速なGPUを搭載していればいい。グラフィックスの進歩に合わせて、シミュレーション精度が上がることが、PS3本来の強みではないだろうか。

 「現在は映像と音で体感してもらうしかありません。とはいえ、グラフィックスがきれいなのはフルHD対応ですから当然ですし、音も同様です。ゲームの本質はインタラクティブな操作にあり、コントローラを通じて体感してもらうしか、PS3の本来の良さを体感してもらえる機会はないでしょう。東京ゲームショウではプレイアブルなタイトルが並びますから、そこで第2世代のPS3タイトルをぜひ体験して欲しい」

 ゲームデベロッパーとの関係を強化するといっても、なかなか難しい面がある。Xbox 360は海外ではそれなりの規模の市場に成長しており、開発タイトルのマルチプラットフォーム化はさらに進むだろう。同じタイトルが複数プラットフォームで展開されるのであれば、そしてソフトウェアにこそ価値があるというのであれば、何もハードウェアがPS3である必要もない。

 「マルチプラットフォーム化は、今世代機器向けコンテンツの制作費高騰を受けて、さらに進むとは予測しています。これは世界的なトレンドです。もちろん、PS3だけで遊べるタイトルの開発も行なっていますが、マルチプラットフォームのゲームでも、PS3ならではの部分、たとえばコントローラの6軸センサーや、50GBのBD-ROMを活かしたコンテンツ、それにPSPとの連携など、PS3だけの要素は加えることができると思います」

 「加えて、PS3はまだ発売されて1年未満で、今年年末に向けての新タイトルで、やっと第2世代に入るところ。過去を見渡しても、発売されて数年経過しなければ、ハードウェアの能力を活かしたタイトルは登場していません。伸びしろはまだまだたくさんありますし、逆に(10年間続けるプラットフォームとして)今から100%の能力を出し切るようでは困ります。PS2でも、PSPでも、開発者が使い慣れてハードウェアの能力を活かせるようになることで、どんどんパフォーマンスが引き出せる。そうした、時間をかけてソフトウェアを改善することでハードウェアの能力を絞り出す使い方を意識してPS3は作られています。PS2用の“God of War 2”などは、とてもPS2には見えないすさまじいグラフィックスと言われていますが、これは時間を経てPS2の能力を引き出せるようになったからです。PS3はまだまだこれから良くなります」

 CellやRSXの能力を極限まで使い切るという意味では、今後もさまざまなアプローチから改善されるかもしれない。ただ一部のソフトウェアがそうであっても、大多数のソフトウェアはそうではない。もっと開発工数を削減するようなフレームワーク、たとえばPS3のハードウェアを仮想化して、その上でソフトウェアを開発させることでPS3向けプログラミングの煩雑さを緩和するような開発フレームワークも必要ではないだろうか?

 「そうした開発ツールに関する部分は、常に改善していくべきところですし、現在も日々改良を続けています。開発ツールのアップデートをソフトウェアデベロッパーに提供していき、開発アプローチの幅を広げる活動は、従来のPlayStationプラットフォームでも行なってきたことで、PS3でも同じことが言えます」

 PC Watchでも以前に連載したように、PS3はゲーム機以外の部分でも高く評価されている。アップデートも現時点では継続的に行なわれ、先日はCD音声をデジタルフィルタでアップコンバートする機能が加えられたり、SACD音声のノイズシェイピングフィルタを追加している。今回の平井氏の“原点回帰”という話は、メディアプレーヤーとしてのPS3の可能性を閉じる方向を示しているのだろうか?

 「PS3ビジネスの基本がゲーム市場にあるという点はその通りです。他の機能の充実の前にゲームソフトの充実がより重要ですが、オーディオの音がいいとか、デジタル写真を大画面で楽しむ、あるいはBDプレーヤーとして利用するといったお客様がいて、しかも高く評価していただいているのですから、その部分に対して継続的に可能なものは提供していきます。必要に応じて(ゲーム機能以外に関する)ファームウェアのアップグレードは今後も提供していく考えです」

 「さらに数年後、現在は存在しない機能でも、ユーザーに喜んでもらえるようなものが提供できるとなれば、それは必要に応じて追加していく用意もあります」

 現在はメディアプレーヤーとしても評価されているPS3だが、過去を振り返るとPS1、PS2ともにコストダウンを進める中で、ゲームに不要な機能や端子類は削除されることが多かった。今後、PS3も幾度となくハードウェアのマイナーチェンジ、メジャーチェンジを行なっていくだろうが、その中でメディアプレーヤーとしてのPS3の重要な部分が失われることはないのだろうか?

 「ハードウェアのコストダウンは、普及を進めていくために必要なことです。しかし、それと機能の削減はまた別の話です。PS1、PS2ではユーザーのニーズに合わせて仕様変更が行なわれました。PS3のコストダウンが行なわれるとしても、皆さんの期待している機能や端子類を総合的に考えて判断します。たとえば同じPS3でも、シンプルな低コスト版と、ある程度の端子類を備えたモデルを両方提供する可能性もある」

 とはいえ、10万台、100万台単位での生産が当たり前のゲーム機では、複数のハードウェア構成を同時に流通に乗せるのは難しい面もある。コストダウンといっても、複数構成が混在して流通コストやロスが嵩めば本末転倒だ。

 「モデル数を最少にするのが効率的なのか、それとも複数モデルを用意して幅を広げるのが良いのかはユーザーのニーズ次第です。すぐに何か別のモデルを出す予定はありませんが、高級版PS3が欲しいという人がたくさにるなら、そういうモデルがあってもいいでしょう。モデル数にはこだわっていません」

 昨年末に行なったPS3関連のインタビューでは、Cellを用いたコンピュータプラットフォームは、必ずしも現在のPS3の構成に縛られているわけではない。互換性が保てるならば、メモリサイズなどを変更する可能性もあると聞いた。

 現在のPS3は、Cell B.E.、RSXともにメモリ容量が大きなボトルネックになっている面がある。ならば、PS3フォーマットとの互換性は維持するとしても、よりハードウェアリソースを多く利用する新しいフォーマットが登場することで、可能性が広がるかもしれない。ゲームソフトの新フォーマット策定は無理としても、ゲーム以外の付加機能に関しては大きな性能、機能追加が行なえるだろう。

9月20日に発売される新型PSPのカラーバリエーション

 「もっとも大切なことは、PS3フォーマットとの互換性を今後も維持すること。これが大前提ですが、PSPのメモリを新型では2倍に増加させ、それをUMDのキャッシュに使うといった事例にあるように、ハードウェアの強化を行なったバリエーションを増やすといったテーマは、我々の中の議論にもあります」

 「しかし、今、我々がやらなければならないのは、ゲームソフトの充実です。ゲーム機以外の可能性を広げていくためにも、まずはゲーム機としてのPS3市場を活性化させなければなりません。言い換えれば、ゲーム機としてのPS3市場が本格的に立ち上がってくれば、さまざまな方向へと発展させることが可能になるでしょう」

 では、ゲーム機としてPS3市場が立ち上がるというのは、具体的にどのような数字を達成した時に言えるのか?

 「地域ごとに差があるため、ここでは日本市場だけの一般論としてお話ししますが、ゲーム機として安定したプラットフォームになるためには、出荷ベースで500万台を超える必要があると言えます。現在、3月末時点でアジア地域に128万台(このうちほとんどは日本向け)を出荷しています。ワールドワイドでは、年内に累計出荷が1,100万台になる予定です」

 「では国内500万台という数字は、どの程度の大きさなのかと言いますと、過去2年間、普及に努めてきたPSPが、今年の1月に国内500万台出荷を達成しています」

 「つまりPS3はまだまだこれから。まずは年内、我々はきちんとPS3向けに良質のソフトウェアを提供し、なるべく早く500万台突破を目指すことになります」

□ソニー・コンピュータエンタテインメントのホームページ
http://www.scei.co.jp/
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【4月27日】【本田】SCE久夛良木CEO退任がもたらすもの
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【2006年】【本田】Another Story of PS3 #3
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(2007年7月26日)

[Text by 本田雅一]


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