東芝、年度内にもSSD搭載ノートPCを投入へ
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東芝の西田厚聰社長 |
4月12日 発表
株式会社東芝は12日、2009年度を最終年度とする中期経営計画を発表。その中で、同社・西田厚聰社長は、PC事業を1兆2,000億円規模に拡大する計画を明らかにした。
2009年にはPC事業で1兆2,000億円を目指す |
4月26日に2006年度の連結業績を発表する予定であることから、2006年度の具体的な実績には言及しなかったが、「2006年度におけるPC事業は1兆円を切る規模。これを年平均成長率7%として、2009年度には1兆2,000億円に拡大する」と語るとともに、PC事業の収益改善も課題であることを示した。
成長戦略として西田社長は、「米国、欧州、日本市場において、さらなる売り上げの拡大、利益確保も大きな課題だが、それとともに、グローバル展開の強化としてBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)市場への取り組みや、高品質技術の追求、環境性能の追求も必要。デジタルプロダクツの各カンパニーが、それぞれの技術を持ち寄り融合した製品を投入することにより、優れた商品、コスト競争力のある商品を創出できる」として、PC分野においては、「差異化PC」と呼ぶ製品群の投入に取り組んでいく姿勢を示した。
具体的な製品の1つとして挙げたのが、SSD(ソリッドステートドライブ)を搭載したノートPCによる展開。同社ではNANDフラッシュメモリの生産を強化しており、2007年1月から56nmの生産プロセスによる月産15万枚の生産体制を確立している。また、今後は43nmプロセスによる第4製造棟の稼働や、2009年度以降に第5製造棟を立ち上げる計画などを明らかにしており、今後もNANDフラッシュメモリの生産体制を強化していく姿勢を打ち出している。
こうした技術的優位性や、生産体制の構築を背景に、NANDフラッシュメモリを活用したSSDや、ハイブリッドHDDを同社ノートPCに搭載することで、差異化を図っていく考えだ。
東芝では2010年に向けて、SSDが急速に普及すると予測 | NANDフラッシュメモリの生産体制を強化 |
「2007年度以降、HDDとNANDフラッシュメモリを組み合わせたハイブリッドHDDが立ち上がってくる。これは、高速、大容量が求められるハイエンドAV志向PCへ搭載されることになるだろう。また、モバイルPCや企業向けPCなどの市場では、SSDが搭載されることになる。当社が開発しているNANDフラッシュメモリは多値化したものであり、簡単な2値のものとはまったく異なる。PC&ネットワーク社、セミコン社、ストレージ事業部門、本社の研究開発センターが、共同で研究開発を進めており、2007年度中には、当社のノートPCに搭載した形で製品投入できる」とした。
また、HD DVDについては、「今年(2007年)が勝負だと考えている。HD DVDを数量的に拡大するには、いかにHD DVDドライブをPCに搭載するかが鍵だと考えている。IT陣営を巻き込んで、ノートPC向けとなるスリムタイプのHD DVDドライブを普及させていく」として、ノートPC分野におけるHD DVDドライブの搭載比率を高めていく姿勢を示した。同社製ノートPCにおいても、HD DVDドライブの搭載比率が高まることになりそうだ。
さらに西田社長は、「携帯電話の弱点は、インターネットに対するアクセシビリティ。その点ではPCの方が勝るだろう。だが、PC並みの機能を携帯電話のサイズに入れるためには、CPUの低消費電力化が必要。現在、それはIntelが用意しており、近い将来にはPCの機能を携帯電話のサイズに入れることが可能になる」と発言。Intelが携帯機器向けに用意する低消費電力CPUへの期待の高さを示した。
□東芝のホームページ
http://www.toshiba.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.toshiba.co.jp/about/ir/jp/library/pr/pr20070412.htm
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(2007年4月13日)
[Reported by 大河原克行]