M2N32-SLI Deluxeは、nForce 590 SLIを搭載する、ATXマザーボード。nForce 500シリーズは、AMDの新プロセッサ向けの最新チップセットで、nForce 590 SLIはその最上位モデルとなる。
まず、基板に目を向けると、ヒートパイプで結ばれた冷却機構が目にとまる。2つのチップセットには、ヒートシンク、CPU回りのレギュレータ上にはフィンが装着され、CPUファンの風を利用して、これらすべてを冷却する仕組みだ。これによりファンレス化を実現している。
また、水冷などを使用してCPUファンがない場合などに備え、フィンの上に装着するファンも付属。こういったユーザーへの配慮はうれしい。ただし、レギュレータ上のフィンがCPUソケットに近いため、大型のものや扇状のCPUクーラーは干渉する可能性があるので、この点だけ注意したい。
I/Oパネルすぐ下の基板はUSB接続の無線LANモジュール。規格はIEEE 802.11b/gに対応している。本製品はGigabit Ethernetを2系統装備しているので、やや利用価値は低いが、スキルのあるユーザーなら無線LANルーター代わりに使用するのも面白いだろう。
拡張性は、PCI Express x16×2で、x16接続でのSLIに対応、シリアルATA 8ポート(内1つはeSATA)、最大メモリ容量16GBと、十分。ただし、オンボード機能が豊富なので困ることはないと思うが、無線LANモジュールをつけた関係で、PCIスロットは2本に削られている。
nForce 500シリーズは、新プラットフォームに対応した以外にも、新機能が追加されている。本製品では、GeForce 7900 GTX利用時にチップセット間のHyperTransport帯域を8GB/secから10GB/secにブーストする「LinkBoost」機能や、2つのGigabit Ethernetを束ねて、2Gbit/secで通信を行なう「Teaming」機能などを搭載。ただし、NVIDIAが売りにしている「EPPメモリ」に関する記述はマニュアルになく、EPP機能は利用できないと思われる。
ASUSTeK独自の機能も豊富で、オーバークロック機能はもとより、BIOS画面でのシステム診断機能、サポートCDからブートしてのBIOS復旧機能などのほか、音楽CDを入れておいて、指定した時間に目覚まし時計代わりに音楽を鳴らす機能まで搭載している。
最後に1つだけ難点を言うと、nForce 500シリーズのエントリーモデルであれば1万円を切るものもあることを考えると、本製品の3万3千円前後という実売価格は高い。
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