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愛・地球博プレスプレビュー
【センターゾーン編】
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グローバルハウス外観。巨大な建物の一部 |
会期:3月25日から
会場:愛知県名古屋東部丘陵
(長久手会場/瀬戸会場)
万博・長久手会場の中心にある「愛・地球博」のテーマ館が「グローバルハウス」だ。「知ること、そして愛すること~私たちの地球物語~」がテーマ。地球を好きになるために、世界各地から集められた「たからもの」が並べられているという趣向になっている。また大型映像も売りの1つである。
グローバルハウスの中は「オレンジホール」と「ブルーホール」の2つのパビリオンとして運営されている。オレンジホールは、超高精細映像システム、スーパーハイビジョンと、世界の「たからもの」を集めたグローバルショーケースからなる。ブルーホールはソニーの新開発技術を用いたレーザー・プロジェクション・システムによる新たな映像体験を提供する。
どちらに入ってもマンモスラボには行けるようになっているが、オレンジとブルーを同時に見ることはできない。両方見ようと思ったら2度入らなければならないので注意が必要だ。基本的に2館が1つの建物に入っていて出口を共有しているだけだと思ったほうがいい。
モリゾー&キッコロの生け垣も | グローバルハウスのウェルカムゾーンには燃料電池で動く「銀河時計」がある。銀河というよりは太陽系 |
●オレンジホール
まずオレンジホールから紹介する。
オレンジホールでは音声案内用に「Aimulet GH(アイミュレット・ジーエイチ)」という情報端末が配られる。厚さ5mm、28g。太陽電池で動くカード型端末だ。情報も周波数変調で光で送られる。荒俣宏氏、あるいはアポロ17号の飛行士で地質学者のハリソン・ホーガン・シュミット氏の音声ガイドが聞ける。
「Aimulet GH」。右下部分を耳にあてて聞く。産総研の技術がもとになっている | 上にあるライトに太陽電池部分を向けることで情報を受け取る仕組み | 音声ガイドの一人、ハリソン・ホーガン・シュミット氏 |
●スーパーハイビジョン
最初に見るのは「スーパーハイビジョン」。NHKが開発したハイビジョンの16倍の情報量を持つスーパーハイビジョンである。600型の大画面と22.2チャンネルの立体音響で地球の美しさを体感できる。NHK技術研究所の一般公開で見た人も多いかもしれない。
映像の一部。北海道・北竜町、名寄市のひまわりなど全国各地でロケを行なっている。テーマソングは夏川りみ「ココロツタエ」(作詞作曲は谷村新司)。内容は道徳のフィルム的 |
●グローバルショーケース
「たからもの」が並ぶグローバルショーケースでは「人類の想像力」をテーマに、人類と環境の歴史を探る最先端の研究成果を6つのゾーンで紹介。世界各地から展示品が並べられている。
2002年に中部アフリカのチャド北部で発見された約700万年前の猿人の頭骨「トゥマイの頭骨」、アポロ17号が持ち帰った「月の石」、土星探査機カッシーニ、紀元前1,600年代につくられたという最古の天文盤「ネーブラ天文盤」、日本の小惑星探査機「はやぶさ」、コウノトリの復活を目指し兵庫県と豊岡市が行なっている「コウノトリプロジェクト」等が展示されている。なお展示物の一部は複製で本物ではない。
カンブリアビッグバン時代の生物「ピカイア」「アノマロカリス」の化石 | トゥマイの頭骨 | ユカギルのマンモスの復元(1/1)。全長3m30cm、全高2m83cm |
牙にさわることもできる | 甲骨文字 | ボンペイの出土彫刻 |
ワットの蒸気機関 | バベッジのディファレンスエンジン | 月の石も展示されている |
ネーブラ天文盤 | 江戸時代末期の和時計「万年自鳴鐘」 | カッシーニ探査機とホイヘンス |
探査機の模型 | コウノトリの模型 | アーティスト・八谷和彦氏のメーヴェプロジェクトも展示されている |
ここでいったんホールを出て、マンモスラボに入るために行列することになる。
●ブルーホール
ブルーホールにはソニーによるレーザードリームシアターがある。光回折格子を用いたレーザープロジェクション方式のディスプレイ技術「“GxL”(ジー・バイ・エル)」方式を採用した2005型超ワイド高精細シアターで、今回が初披露。10m×50m、2005型のスクリーンは、想像以上に巨大で圧倒的だ。
50mプールを横倒しにして壁にかけた大きさだ。その巨大さが伝わるだろうか | 映像の一部 |
ブルーホールにあるのはこれだけで、出たあとにマンモスラボに向かう。
●マンモスラボ
各ホールを出たあと、マンモスラボに入るために並ぶことになる。
マンモスラボではロシア連邦サハ共和国(ヤクーチャ)北部、北極海近くに位置するユガギル村付近の凍土の中から発見されたマンモスの頭部や足が展示されている。
マンモスはマイナス15度に保たれたガラスケースのなかなので、直接見ることはできない。また客は上下2段の動く歩道通路に別れて見るようになっている。間近で見たい人は下の段、上から見下ろしてみたい人は上の段になる。下の段は幅1.4m、後段は幅1mで、どちらがいいかは人それぞれだ。
プレス公開のときは動く歩道は止められていたが、速度は全体でおよそ2分間とのこと。うち、1分間マンモスを見ることになる。
マンモスラボの通路 | 約1万8,000年前のマンモスの頭部。冷凍状態で展示されるのは世界で初めて |
マンモス脚部(左前足)も展示されている | マンモスラボを出ると、グローバルハウスの裏側、「こいの池」方面に出る |
●そのほかの展示
・バイオラング
グローバルハウスの前にある巨大な生け垣「バイオラング」 |
長さ150m、高さ15mの緑化壁バイオラングは、環境博である今回の万博のテーマ展示の1つだ。夏場の冷却効果も期待されている。
・愛・地球広場
エキスポビジョン。ステージではイベントも随時行なわれる |
センターゾーンの「愛・地球広場」の中央にあるのは高輝度LEDを採用した約20×8m(8:3)の840型大型映像装置「エキスポビジョン」。シンボルコンテンツは「Merry EXPO」。世界25カ国の人々の笑顔が流れる。
また東側にはNTTドコモによる「エキスポプラザ・スコープ」がある。エキスポプラザスコープは、愛・地球広場の風景にCGで描いたマンモスやクジラなどバーチャルキャラや情報を重ねるミクスド・リアリティ技術。
エキスポプラザ・スコープ |
左側で決定、右側はズーム | 情報が実景に重ねられて提示される |
□愛・地球博のホームページ
http://www.expo2005.or.jp/jp/
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(2005年3月22日)
[Reported by 森山和道]