液晶ムービーカメラ「Che-ez! Movix」速報
~実売1万円台でVGA動画が撮れる


Che-ez! Movix

12月13日 購入

購入価格:16,800円

●予定より早く到着した「Che-ez! Movix」

 エヌエイチジェイ株式会社(NHJ)から発売されているトイデジタルカメラ「Che-ez!」シリーズに、液晶付きムービーカメラ「Che-ez! Movix」が加わった。

 12月16日の発売予定とされていたが、予約販売分が13日に編集部に到着したので、実写画像とファーストインプレッションをお届けする。

 購入したのは楽天市場にあるNHJの直販サイトで、価格は16,800円、送料600円と消費税込みで18,240円だった。他の通販ショップでも、ほぼ同じ値段だった。


●Movixの特徴

 Movixは、「デジタルムービーイメージャー」と名乗っているように、ムービーを撮ることを目的にしている。外観も縦型のDVカメラを模したデザインとなっている。

 液晶は、1.6型のD-TFDで、本体から大きく開く。操作部分は、本体右側面と背面に集中しており、電源スイッチは背面、録画ボタンは側面に配される。

 底面に単3電池2本とSDメモリーカードが入る。対応するSDメモリーカードは128MBまで。ちなみに8MBのフラッシュメモリも内蔵されており、SDメモリーカードと排他使用できる。

本体正面。ロゴ下の黒いパネル部分にモノラルマイクを装備する 本体側面。シンプルなデザイン
本体裏面。実像光学ファインダはなく、液晶ファインダのみ。液晶は回転しないため自分撮りには向いていない。ボタンは上から、電源、液晶ON/OFF、モード、OKボタン 本体上部。シャッターや、録画/再生モード切り替えスイッチを装備する USBポートとビデオ/音声出力端子を備える

 撮像素子は有効画素数131万画素のCMOSセンサー。出力解像度は、動画が640×480/320×240ピクセル、静止画が1,280×1,024/640×480/160×120ピクセル。動画のフォーマットは、MotionJPEGコーデックのAVI。静止画はJPEG。

 静止画は圧縮率の違いで、1,280×1,024ピクセル低圧縮のSuper Fine、高圧縮のFine、640×480ピクセルのEconomyの3モードが用意される。

 レンズは35mmカメラ換算43mmの単焦点。2倍のデジタルズーム機能が用意され、動画撮影中でもFineとEconomyモードなら使用できる。マクロモードはなく、最短撮影距離は1.1mだ。

 本体サイズは41×100×74mm、重量は電池抜きで約140gなので、持ち歩くには苦にならない大きさと重さだ。

 PCとのインターフェイスはUSB 1.1で、ストレージクラスに対応している。

 なお、Movixはマイクを内蔵しているが、スピーカーは内蔵していない。そのため、本体の液晶で動画を再生すると音が聞こえない。付属ケーブルでTVに出力すると、TVから音声が出力される。TVに写した際の画質は静止画は良好だが、動画は640×480ピクセルでなんとか、320×240ピクセルは、かなり苦しい感じだ。

手に持ってみた状態 ハンドストラップはマジックテープで簡単に長さを調整できる
本体底部。単三電池×2で動作する 同じく本体底部。外部メディアとしてSDメモリーカード/MMCを内蔵できる 添付品類。USBケーブルやベルトポーチ、ドライバCD-ROMなどが同梱される


●起動は遅いが、液晶は良好

 Movixの起動は遅い。電源スイッチを入れると、NHJのロゴアニメーションが毎回表示されたあとで、動画の撮影か、静止画の撮影を選択するメニューが表示される。メニューが表示されるまで4~5秒ほどかかるうえ、メニューの選択後1秒ほど待たないと撮影できない。せめてアニメーションはスキップさせてほしい。

 液晶は思っていたよりも明るくきれいだ。何色かわかるだけではなく、色合いもほどほどにはわかる。さすがにTFTとは比べられないが、通常のSTNよりはずっといい。ただし、明るい屋外だと見えにくくなる。

 撮影時に気になったのは、オートパワーオフが早いことで、撮ろうと思うと電源が切れていることが多い。オートパワーオフは30秒に固定されている。

 なお、対応SDメモリーカードは、容量128MBまでとなっていたが、256MBのカードも一応使用できた。ただし、256MBカードを使用していると、いったんオートパワーオフになり、再度電源を入れた際にメニューを選択できなくなることが何度かあった。まだ短時間しか使用していないので、確証はないが、たぶんメモリーチェックの際にハングアップしているのだと思う。いったん電池を抜くと回復はするが、安全のために、メーカーで動作保証されている128MB以下のカードを使用することをお勧めする。

液晶ファインダ。応答速度、視認性は悪くないが、晴天下では見づらくなってしまう メニュー画面。やや使いづらい 9分割インデックス表示にも対応する


●思っていたよりもよく写る

 指定のない実写画像は、動画はFine、静止画がSuperFineで撮影した。なお、撮影時に気づかなかったため、静止画にはカレンダーが焼き込まれている、ご了承いただきたい。

 動画は、SuperFine(640×480ピクセル)では8フレーム/sec、Fine(320×240ピクセル)では11~15フレーム/secで記録されていた。SuperFineで動くモノを撮ると、ややカクカクした感じだ。

 オーディオはモノラルで、ビットレートは常に88kbpsだ。マイクの感度が高いのか、音が割れやすく、ノイズも入ることがあった。

 この前にテストしたChe-ez!シリーズ「Che-ez! splash」が、色味に乏しい画像だったので危惧していたが、Movixの動画はよく撮れている。あえていえば、赤がやや弱く、白がすこし飛び気味になるぐらいだ。

動画

動画(640×480ピクセル)

 この特徴は静止画でも同様で、白が飛び、中間部が沈みがちなので、屋外で風景を撮るとやや淋しい感じの絵になる。ただし、風景などの描写は、価格を考えればりっぱなものだと思う。

静止画像(別ウィンドウで開きます)

 また、マクロ機能がないので、接写は弱い。1mほどに寄り、そこからデジタルズームでアップにするのが有効だ。このデジタルズーム機能はSuperFineモードを除く動画撮影時でも使用できるが、ズーミングがスムーズではなく、段階をたどるカクカクとした印象なので、思い切ってズーミングしてしまってから撮り始めたほうがいいだろう。動画の解像度が低いこともあって、デジタルズームでの画質の低下はさほど気にならなかった。なお、一度静止画や動画を撮り終えると、ズーミングは無効となり、標準の画面に戻る。

デジタルズーム(別ウィンドウで開きます)
通常時 デジタルズーム

 もう1つ困ったのが、動画と静止画の使い分けだ。動画を撮影していて、静止画を撮ろうとすると、以下のようなまだるっこしい手順が必要となる。「メニューボタン」でメニュー起動、「カーソルキー」でカーソル移動→「OK」ボタンで決定。

 なお、約2時間の撮影で、インジケータはやや下がったものの、電池交換は必要なかった。


●Motion Pixとの比較

Motion Pix
 Che-ez! Movixは、先日レポートしたアイ・オー・データ機器のMotion Pixと非常に似たなりたちをしており、価格も近いライバルだ。Motion Pixの製品版は出荷が遅れていたが、この週末には店頭に並ぶ見込みだ。どちらを買うべきか迷っている方もいると思う。

 いずれも短期間しか使用していないうえ、Motion Pixの方は最終製品ではないが、実際に両機を使用した上で感じたことを含めて、特徴を記して、このレポートを終わりとしたい。

【Che-ez! Movix】
・液晶はMotion Pixよりずっときれい。何色かきちんとわかる
・起動時間は遅めで、毎回メニュー選択が必要
・絵は抑え気味の色調で、赤が薄い
・操作はメニューが中心、ボタンも多くまだるっこしい
・デジタルズームが使える。制限付きながら動画撮影中も可能
・マクロモードがない
・動画と静止画の撮り分けは面倒
・動画を本体で再生するときに音がでない

【Motion Pix】
・液晶は一応の目安。色はほとんどわからない
・起動時間はかかるが、すぐ撮影に入れる
・あまり正確ではないが一応光学ファインダーもある
・絵は派手なつくりで、赤は過剰
・デジタルズームがない
・マクロモードがあり有効だが、ピントは見えにくい。また解除を忘れやすい
・動画と静止画で録画ボタンが分かれているので、撮り分けは簡単
・動画を本体で再生する際にきちんと音が出る

□エヌエイチジェイのホームページ
http://www.nhjapan.com/
□製品情報
http://www.che-ez.com/movix/
□関連記事
【12月2日】アイ・オーの低価格ムービーカメラ「Motion Pix」レポート
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/1202/iodata.htm
【10月25日】フラッシュがついたトイカメラ「Che-ez! splash」使用記
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/1025/splash.htm
【10月17日】【WPC EXPO 2002】CONTAX TVS DIGITALが国内初展示
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/1017/wpc07.htm

(2002年12月13日)

[Reported by date@impress.co.jp]


【PC Watchホームページ】


PC Watch編集部 pc-watch-info@impress.co.jp 個別にご回答することはいたしかねます。

Copyright (c) 2002 Impress Corporation All rights reserved.