Platform Conferenceレポート

Hammerの詳細やDDR400対応チップセットなどが話題の中心

会場となったSilicon Valley Conference Center
7月16、17日(現地時間)開催

会場:Silicon Valley Conference Center

 PCのプラットフォームに関する開発者会議として年に2回開催されているPlatform Conferenceが、7月16、17日の2日間にわたりカリフォルニア州サンノゼにあるSilicon Valley Conference Centerにおいて開催された。

 今回は前日となる15日にNVIDIAによるnForce2の発表、終了直後となる18日にATI TechnologiesによるRADEON 9700の発表会が行なわれたことにより、グラフィックス関連が大きな話題となった。それらについては、先週のレポートでお伝えしたとおりだが、本レポートではそれ以外の話題、特にAMDのOpteron/次世代Athlon(コードネーム:Hammer)の詳細が説明されたセミナーやDDR400対応チップセットに関する話題などをお伝えしていく。


●次世代AthlonのL2キャッシュは256/512KB、Opteronは512KB/1MB

 AMDは、Opteron/次世代Athlon(コードネームHammer)に関するセッションを開催した。その中でAMDはHammerに関する詳細をいくつか明らかにした。まず、これまでL2キャッシュの容量について最大1MBと説明してきたが、コードネームClawHammerで呼ばれる次世代Athlonに関しては、L2キャッシュは256KB/512KB、コードネームSledgeHammerで呼ばれるOpteronに関しては、512KB/1MBとなることが明らかにされた。

デスクトップ向け次世代Athlonを説明するスライド

 K7世代コアの改良版にDRAMコントローラなどを統合したような製品というClawHammerの性格を考えると、最初の世代のClawHammerはL2キャッシュが256KB版である可能性が高い。というのも、ClawHammerに関しては既にダイサイズが104平方mmであることが明らかにされており、同じ0.13μmプロセスでL2キャッシュが256KBのThoroughbredが80平方mmであるからだ。増えた24平方mmはL2キャッシュが倍になり、DRAMコントローラも追加したのにしては小さすぎる。ダイサイズの増加分は、DRAMコントローラやHyperTransportのコントローラなどの分と考えるのが自然だろう。

 また、AMD-8000シリーズの後継チップセットも開発中であることが明らかにされた。AMDは2004年に、PCI-XトンネルとなるAMD-8131の後継として第2世代PCIをサポートするHyperTransportチップセットをリリースする予定であるという。第2世代PCIというのは、おそらくPCI-Xの次世代規格であるPCI-X 2.0をサポートするということだと思われる。また、I/O HubであるAMD-8111の後継チップも2004年に予定されているという。

 ただ、AGPトンネルのAMD-8151の次世代は予定されていないようだ。これは、AMDがチップセット事業は新しいプロセッサの立ち上げの時にのみ展開し、サードパーティのチップセットが立ち上がれば、あとはそちらに任せるという戦略をとっているためだろう。Hammer向けチップセットは、VIA、ALi、SiS、NVIDIA、ATIの各社が計画しており、ほとんどのメーカーがHammerのリリースにあわせてチップセットをリリースする予定となっており、AMDとしてはPC向けのチップセットの次世代は必要ないと考えていることだろう。これに対して、サードパーティのサーバー向けチップセットは、まだどこからもリリースのアナウンスなどは行なわれていない。サーバーに関してはもう少しAMDの関与が必要とされており、こうしたロードマップになっていると考えるのが妥当だろう。

Opteronを説明するスライド AMDのHammer向けチップセットロードマップ


●Samsungが最新DRAMへの対応状況を明らかに

 DRAMベンダのSamsung Semiconductorは、最新DRAMの開発状況などを明らかにした。注目されるDDR400だが、128MB、256MB、512MBのサンプルが既に提供開始されている。128/256Mbit DRAMが利用されており、パッケージは従来と同じようにTSOPで、特にBGAなどの新しいパッケージには変更されていないという。

 モジュールの基板はJEDECで制定されたPC2700(DDR333搭載)のガーバー仕様で作られているという。大量出荷は2002年の第3四半期が予定されており、若干改良された新しいガーバー仕様の基板を利用したモジュールとなる予定であるという。なお、既にnForce2のレポートでも解説したように、DDR400の駆動電圧は、従来のDDR SDRAMの2.5V+/-0.1Vから0.1Vあがって2.6V+/-0.1Vとなるという。このため、マザーボード側で2.6Vを供給できるようにする必要があり、DDR400に正式対応したマザーボードはみなこうした仕様となる予定だ。

DDR SDRAMおよびDDR400の詳細を説明するスライド

 DDRIIに関しては、既に512Mbit品による開発が進んでおり、2003年の第1四半期にはサンプルの提供が開始できるようになるという説明が行なわれた。それ以外の仕様(電圧1.8V、オンダイターミネータなど)は既報の通りだ。

 1,066MHzのRDRAMに関しては、第3四半期よりPC1066の大量出荷が行なわれるとされており、現在少量のみ出回っているPC1066も、第3四半期中には潤沢に出回ることになりそうだ。

DDRIIの現状を説明するスライド SamsungのPC1066の現状を説明するスライド。PC1066の大量出荷は第3四半期中に開始される



●VIA TechnologiesはP4X400搭載マザーボードやロードマップを公開

VIAのP4X400を搭載したサンプルマザーボード

 VIA Technologiesは、DDR400に対応したチップセットやロードマップを公開した。公開されたのはP4X400で、基本的にはCeBITで発表されたP4X333のDDR400対応版だ。メモリがDDR400に対応しているほかは、DDR333と大きな違いはない。

 また、VIAのチップセットロードマップが公開された。これまでと大きな変更点はないが、従来はDDR400対応版とされてきたKT400が、DDR333のみ対応と変更されている。これにより、KT333とKT400の違いは、AGP 8Xへの対応とサウスがVT8233からUSB 2.0に対応したVT8235へ変更されたことだけとなる。KT400は、7月中にサンプルが提供され、第3四半期中には発表される予定だ。

 また、これまでK8HTA/HTBと呼ばれてきたHammer向けチップセットだが、K8T400という製品名に変更された。HammerではDRAMコントローラがCPUに統合されているし、そもそもHammerではDDR400には対応していないのだが、このネーミングになるようだ。


VIAのAMD向けチップセットのロードマップ VIAのK8HTA/HTBは、K8T400とネーミングが変更された VIAのPentium 4向けチップセットロードマップ


●SiSはSiS648DXとSiS746DXをデモ

SiS648DXを利用したDDR400のデモ

 SiSもDDR400に対応したSiS648DXとSiS746DXを展示した。SiSのSiS648は、CeBITの段階ではDDR400に対応したチップセットとなる予定だったが、COMPUTEX TAIPEIでは、最初のリリースのSiS648はDDR333にのみ対応し、SiS648DXという改良版でDDR400に対応することに変更された。今回はそのSiS648DXがデモされた。

 SiS746DXは、同じくCOMPUTEX TAIPEIで公開されたAthlon XP/Duron向けの2チップの単体型チップセットで、SiS745(1チップ)の後継にあたる製品だ。SiS746のDDR333サポートに対し、SiS746DXはDDR400をサポートしている。


SiS648DXを説明するスライド SiS746DXを説明するスライド

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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0716/nvidia.htm

(2002年7月22日)

[Reported by 笠原一輝@ユービック・コンピューティング]


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