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■■ NEC、2,048×1,536ドット液晶搭載のノートPC
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0701/nec.htm
■■ ソニー、バイオノートGRに廉価モデル2機種を追加
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0704/sony1.htm
ディスプレイやビデオカード、プロジェクタ、デジタルカメラなどのグラフィックス系のデバイスで、フォーマット(縦横の画素数)を指す呼名。同種のものには、VGA、QVGA、SVGA、XGA、SXGA、UXGA、WXGAなどもある。
名称 | 解像度 | 画素数 |
---|---|---|
QVGA | 320×240 | 76,800 |
VGA | 640×480 | 307,200 |
SVGA | 800×600 | 480,000 |
XGA | 1,024×768 | 786,432 |
WXGA | 1,365×768 | 1,048,320 |
SXGA | 1,280×1,024 | 1,310,720 |
SXGA+ | 1,400×1,050 | 1,470,000 |
UXGA | 1,600×1,200 | 1,920,000 |
QXGA | 2,048×1,536 | 3,145,728 |
VGA、SVGA、XGAは、元々はPC用のビデオカード(グラフィックスアダプタ、ビデオサブシステム)の規格であり、それぞれがサポートしていたもっとも代表的な画面モードの解像度が、その後、様々なデバイスや画像フォーマットの画素数を表す呼称として使われるようになった。
・VGA(Video Graphics Array)
IBMが'87年に同社のPS/2用に開発したビデオカードで、現在も、ほぼ全てのビデオカードが、この機能を備えている。VGAは、それまで使われていたEGA(Enhanced Graphics Adapter)に、640×480ドット/16色や320×200ドット/256色のモードを新たに追加した規格で、これら画面モードは、Windowsのインストール時や起動時、セイフモードなどで使われる、システムの標準画面モードとなっている。
解像度としてのVGAは、このVGAの最高解像度である640×480ドットで、トイカメラの30万画素がこのクラス。PDA(Personal Digital Assistant)などに使われているQVGA(Quarter VGA)は、その1/4にあたる320×240ドットというフォーマットだ。
・SVGA(Super VGA)
VGA以降、これを拡張する形で、より高い解像度や多発色の製品を各社が開発。それらを総称してSVGAと呼んでいたが、'89年に、業界団体のVESA(Video Electronics Standards Association)が、規格としてのSVGAを標準化。800×600ドット/16色からスタートし、さらなる高解像度(~1,280×1,024ドット)、多発色(~1,670万色)の画面モードを標準的に利用できるようにするために、互換モードや互換BIOSが規定された。
解像度としてのSVGAは、その後、VESAが最初に標準化した800×600ドットで定着している。
・XGA(eXtended Graphics Array)
IBMが'90年にリリースしたビデオカードの規格で、新たに1,024×768ドットの256色という高解像度をサポート(※1)。'92年には、同じ解像度で65,000色をサポートするXGA2もリリースしている。
OSがグラフィック環境をサポートしなかったMS-DOS時代、アプリケーションは、グラフィック環境を利用するためにハードウェアを直接制御しなければならなかった。どのアプリケーションでも利用できるグラフィック環境を実現するためには、ハードウェアレベルの互換性が重要であり、標準化が必要だったのである。XGAは、VGAに続くIBMの規格であり、当時としてはまだ珍しいアクセラレータ機能なども備え大いに注目されたのだが、普及する間もなく世の中はWindowsに移行。ハードウェア互換の要求はVGAでストップしてしまい、ハードウェアとしてのXGAは、あまたあるビデオカードの1つとして消えて行ってしまった。が、解像度を意味するXGAは今なお健在で、さらなる高解像度にも、XGAから派生した呼称が使われている。ただし、特定の規格に基づいたものではないため、フォーマットは厳密なものではなく多少のバラツキがある。
SXGA(Super XGA)は、XGAのさらに上という意味で、VGAの2倍(画素数4倍)にあたる水平解像度1,280クラスまで(VESAの規格でいうと1,152や1,280)の製品をこう呼んでいる。多いのは、1,280×960ドットや1,280×1,024ドットで、デジタルスチルカメラでいう100~130万画素にあたる。
このクラスは、各社が次々に新製品を投入する激戦区でもあり、ノートPCや一体型PCの液晶ディスプレイには、アスペクト比が大幅に異なる製品もよく使われている。
中でも、ハイビジョンの「16:9」相当にした横長タイプは、WXGA(Wide XGA)と呼ばれることが多い。一般には、垂直解像度がXGA並み、水平解像度がSXGA並みというフォーマット(1,280×720~1,336×768など)なのだが、中には、XGAの垂直方向を削ってしまったものを、WXGAと呼んでいるメーカーもある(1,024×480なのでWVGAだと思うのだが)。
VGAの4倍画素となるSXGAの後には、さらにSVGA、XGAの4倍画素版が続く。SVGAの4倍画素版が、1,600×1,200ドットのUXGA(Ultra XGA)。XGAの4倍画素版が、2,048×1,536ドットのQXGA(Quad XGA)で、画素数はそれぞれ200万画素、300万画素相当。このクラスのディスプレイになると、メーカーや製品が限られていることもあり、SXGAのようなフォーマットのバラツキはないようだ。
フォーマットと呼称がある程度定着してしまうと、さらなる高解像度には、それをアピールする別の名前を付けたくなる。その結果が、スーパーやウルトラという安易な奴だったわけだ。SXGA以上UXGA未満という微妙な立場で登場した1,400×1,050ドットにも、これまた差別化を計る安易な記号が追加され、こちらはSXGA+と呼ばれている。
※1 1,024×768ドットは、元々は「8514/A」という、XGA以前のPS/2用アダプタで採 用していたものである。ちなみに製品としての8514/Aは、従来の画面モードを持たな いアダプタであり、通常の使用には、既存のアダプタとの併用が必須だった。
□VESA(Video Electronics Standards Association)
http://www.vesa.org/
【参考】
□VGA(Video Graphics Array)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990304/key67.htm#VGA
□SVGA(Super VGA)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990304/key67.htm#SVGA
■■ プロジー、Windows XPを高速化するチューニングソフト
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0701/prog.htm
●MTU(Maximum Transmission Unit)
エムティーユー
ネットワーク上で、1つのパケットとして送ることができる最大転送量。
一般的なデータ通信では、連続するデータを小さなブロックに区切り、これにヘッダ情報などを付加して回線に流して行く。MTUは、この1ブロックに格納することのできる最大データ量のことで、一般に使われているEthernetの場合には、仕様上1,518yteまでとなっている。すなわち、Ethernetそのもののパケット(Ethernetではフレームと呼んでいる)には、1,518までしかデータを格納できず(※1)、それ以上のデータは複数のパケットに分割しなければならない。
Ethernetは、通信中に回線を監視し、送信が衝突しなかったことをチェックするというやり方で、通信の競合を回避している。衝突が起きたことを検出する前に送信が終わってしまうと、この衝突検出が機能しなくなってしまうため、パケットの最小サイズも規定し、最小限の送信時間を保証している。この下限は64Byteであり、これが、通信機器に求められる最小限の要求でもある。すなわち、64~1,518の範囲で、異なる能力を持った通信機器が存在する可能性があるということである。
一般にMTUを大きくすれば、データの分割が少なくなるため、パフォーマンスは向上する。が、通信経路上の機器がそれを許容するかどうかを考慮しなければいけない。
経路の途中にMTUの小さな中継機器(例えばルータ)がある場合、その直前の機器はMTUの小さな機器に合わせてパケットの分割/再構成を行なう。パフォーマンスを上げるつもりの大きなパケットが、再分割によってパフォーマンスを低下してしまうこともあるのだ。
※1 実際の通信では、この上にさらに、IPプロトコルやTCPプロトコルが乗る。各プロトコルは、それぞれ独自のヘッダ情報等を付加し、下層にパケットを流すので、正 味のユーザーデータはそれらロス分を引いた量になる。具体的には、Ethernetの物理層が18Byte、IPプロトコルが20Byte、TCPプロトコルが20Byteの情報を付加する(オプション無しの場合)。ここでいうMTUの1,518Byteは、Ethernetの最大サイズであり、直上のIPパケットは最大1,500Byte、TCPパケットは最大1,480Byte、TCPプロトコル上の正味のユーザーデータは、最大1,460Byteということになる。ちなみに、MTUに相当するTCP上の最大データ量はMSS(Maximum Segment Size)という。
●RWIN(Recive WINdow)TCPプロトコルの受信バッファサイズを決める設定値。
IPプロトコルの上位で動くTCPプロトコルは、信頼性の高い通信が行なえるように、データのエラー(※1)やパケット欠落のチェック(※2)、再送による回復、フロー制御などの機能をサポートしている。フロー制御というのは、受信側の処理が送信に追いつかない場合に、データの取りこぼしが起こらないよう、送信側の送り出しを調整する機能である。TCPでは、受信側がその都度、続けて受信可能なデータ量…… すなわち受信バッファの空き容量を送信が和に通知。送信側が、それに合わせて送り出しを調整するというやり方で実現している。この時やりとりする、空き容量の情報をウィンドウサイズといい、Windowsでは、大元の受信バッファ量をRWINというレジストリの設定値で決めている。
このバッファ量は同時に、TCPプロトコルの再送単位でもある。送信側は、受信側が報告するウィンドウサイズに合わせて、とりあえず応答を待たずにデータを送信する。何事も無ければ、やがて(あるいは送信中に)正常に受信できた位置とバッファの空き容量が報告されるので、それに合わせて送信を続ける。報告が無い場合には、タイムアウトを待って、受信が完了していない部分から再送を開始する。送信は、ウィンドウズサイズを使いきったところで止まっているので、受信側のバッファ分遡ることになる。
ウィンドウサイズの通知には、標準で16bit分の数値を使用しているので、受信バッファは最大65,535Byte。受信バッファが小さいと、送信停止が頻繁に起こりパフォーマンスが低下する可能性がある。が、大きくとれば再送単位も大きくなるため、通信障害に対するペナルティが増大する。
※1 エラーの検出には、IPプロトコルなどと同じ16bitのチェックサム(和を算出したコードを付加)を使用するが、TCPではヘッダだけでなく、データ部分も含んだチェックサムを算出する。
※2 分割されたデータは、途中で一部が欠落したり順番が入れ替わって届くこともある。そこで、各パケットには一連の番号が付けられ、欠落の検出や並べ替えが行なえるようになっている。
[Text by 鈴木直美]
(2002年7月19日)