バイオU発売“勝手に”記念特別レポート(その1)
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4月27日より販売開始されたバイオUだが、ソニーの直販サイトのソニースタイルでは、初期出荷分が発売日を前にして完売になるなど、人気を博している。また、各PCショップでも27日より販売が開始されているが、店頭でユーザーが展示機を奪い合うようにしているのがあちこちで見られるなどユーザーの注目度は非常に高い製品といえる。
筆者も発売日初日に、この“大人のおもちゃ”をゲットしたので、何回かに分けて実際の製品における使い勝手などについてレポートしていきたい。第1回となる今回は、PC Watch恒例? となりつつある、“ばらし”から始めていこう!
●箱は小さめで内容物は割とシンプル、まずは登録をすべし
筆者がバイオUを購入したのは、秋葉原のソフマップシカゴ館で、値段は149,799円(税別)だった。価格だがどこのお店も提示価格は149,800円前後で、ほとんど差がなかった。各店ともまだ様子見というところなのだろうか。
筆者は発売日の前日の4月26日に秋葉原を回ってみたのだが、実はすでに各店とも入荷しているようで、箱がそこかしこに積み上げてあったので、売ってくれないのかと聞いたところ、一様に「明日にならなければ売れない」という返事が返ってきた。そんな中で、ソフマップシカゴ館で聞くと、その日に持ち帰ることはできないが、翌日(つまり発売日)の午前中であれば、必着で送るというので、結局それで決めてしまった。
そういうことで、無事に4月27日午前中に手にしたわけだが、箱は本体の小ささを反映してか、PCとしては非常に小さい箱になっていた。開封すると、中は2段構造になっており、上段には保証書、マニュアル、バッテリ、リカバリCD-ROM、ACアダプタ、Windows XPのマニュアルなどが入っており、下段に本体が入っていた。リカバリCD-ROMは4枚組で、リカバリに使うCDが3枚、アプリケーションのリカバリに使うCDが1枚となっている。マニュアルは、製品のマニュアル、サービスの案内、追加の注意、オプションの紹介などが入っていた。マニュアルは278ページで本体の使い方やバンドルされているソフトウェアの紹介などがされている。
なお、添付されている保証書は購入後3カ月間だけ有効なもので、1年保証を受けるためにはカスタマー登録をしなければならないことになっている。カスタマー登録後、1年保証の保証書が送られてくる仕組みだ。これはバイオシリーズ共通のことで、バイオを買ったら何よりもまずはカスタマー登録というわけだ。カスタマー登録はソニーのWebサイトからオンラインで可能なので、さほど面倒ではない。さくっとやってしまうといいだろう。
PCとしては小さめの箱 | 箱の上段にはマニュアルや保証書、ACアダプタ、バッテリ、リカバリCD-ROMなどが入っていた | 箱の下段に本体が入っている |
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●分解は結構大変、「はがしたら保証は効かない」シールあり
さて、バイオUに関するファーストインプレッションは前回( http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0426/hotrev156.htm )のレポートを参照していただくとして、早速PC Watch恒例となっている本体の分解に取り組みたい。なお、当然のことだが、分解するとメーカー保証は受けられなくなるので、壊れた場合には有償修理となるなどのリスクがあることを強調しておきたい。もし読者が本記事と同じような分解を行なったとしてもソニー、およびインプレス、筆者のいずれも責任はとれないことをあらかじめお断りしておく。
本製品の分解は小さいだけあって決して簡単ではない。まず、底面にあるメモリスロット用の蓋をはずす。1本のネジで留まっており、これをはずすだけだ。蓋には真ん中あたりに爪があるので、これを折らないように注意してはずす必要がある。メモリの交換などを行なう場合には注意したい。
バイオUに利用されているのは、MicroDIMMという種類のメモリモジュールで、標準で128MBのMicroDIMMがインストール済みとなっており、オンボードの128MBとあわせて256MB(うち16MBはCPUが利用)となっている。交換用のメモリとしてソニーからオプション(PCGA-MM266T)が用意されており、標準の128MBのモジュールと差し替えて利用することで最大384MBまで増設することができる。なお、MicroDIMMは標準規格なので、サードパーティのものも利用可能だと思われ、アイ・オー・データ機器のMDIM133-256Mなどが公式サポートしている。
次に底面にある6本のネジをすべてはずし、後面にある隠しネジ2本をはずすと、ThumbPhraseなどのボタンがある中央のパネルをはずすことができる。さらに、キーボードは底面にある中央のネジとキーボード手前の爪で留められており、このネジをはずし、爪をうまくはずす。このあとで、液晶部とマザーボード部に分割が可能で、ケーブルなどをはずすと完全に2つのパーツに分離する。
なお、この時にキーボードの下に隠れているネジを1つはずす必要があるのだが、そのネジには封印がしてある。この封印は剥がすと元に戻らないようになっており、もし剥がした場合は保証対象外になるという記述があるので、ふつうに使うユーザーは間違っても剥がさないように注意しよう。
本体の底面。底面にはメモリの蓋を合わせて7本のネジがある | メモリの蓋とメモリスロット。メモリの蓋は真ん中あたりに爪があるので、はずす時には細心の注意を払ってはずそう |
キーボードの下に隠されている封印シール。これを剥がすと、保証対象外となるので注意が必要 | 上下2つに分離したバイオU。ここまでやると保証対象外になるので注意 |
●小さなマザーボード、1.8インチのハードディスク採用も納得
このあと、下部をさらに分解していくことで、底面部、マザーボード、HDD、メモリスティックのコントローラ部などに分解していくことができた。マザーボードは非常に小さく、表面の大部分はPCカードスロットが占めている(なお、黒いカバーの下にはメインメモリとなるDRAMが搭載されていた)。CPUはTransmetaのCrusoe TM5800 867MHzだが、おそらくシルクがあると思われる部分にはアルミの放熱版が装着されていたため確認することができなかった。CPUの放熱はヒートパイプで、CPUとビデオチップの熱を集めて小型のファンで廃熱するようになっている。
CPUの隣にある大きなチップは、ATI TechnologiesのMOBILITY RADEON-Mで、コードネームのM6-Mがマーキングしてあった。こうして見ると、グラフィックスチップが非常に大きいことがわかる。これが、CPUに統合できれば、さらにマザーボードを小さくしていくこともできそうだ。
マザーボードの裏側にはあまり部品はついていないが、目立つのがALiのサウスチップであるM1535D+だ。比較用に2.5インチのハードディスクと並べて写真を撮ってみたが、このマザーボードがかなり小さいことがよくわかる。
このため、通常の2.5インチドライブではとても収まらなかったようで、より小型の1.8インチハードディスクが採用されている。1.8インチハードディスクは、東芝のMK2003GAHで、10GBのプラッタが2枚入った20GBの容量のものだ。ちなみに、標準では10GB(Cドライブ)+Dドライブ(10GB)という2パーティション構成となっている。なお、ハードディスクの上にはメモリースティックスロットのドーターボードが用意されているが、マジックゲート対応ということもあり、チップ数が若干多めとなっている。
マザーボードの裏面。サウスブリッジとなるALiのM1535D+を搭載している | 2.5インチハードディスクとマザーボードの比較。マザーボードが非常に小さいことがわかる |
内蔵の1.8インチハードディスク(右)と2.5インチハードディスクの比較。1.8インチのドライブが省スペースに役立っていることがわかる | ハードディスクの上に搭載されているマジックゲート対応メモリースティックスロットのドーターボード |
●小さいボディに詰め込むだけ詰め込んだ印象
このように、バイオUは小さいボディの中に、これでもかというほどいろいろなものが詰まっており、無駄のない内部構造になっていることがわかる。ユーザーとしては「バッテリは内蔵にしてよ」とかいいたくなるところだろうが、これを見ればバッテリが外付けになってしまったのも致し方ないということがわかるだろう。
次回のレポートでは、バッテリの持ちや使い勝手など実際に利用した使用感についてお伝えしていきたい。
□関連記事
【4月17日】ソニー、世界最小/最軽量のモバイルノートPC「バイオU」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0417/sony1.htm
(2002年4月30日)
[Reported by 笠原一輝@ユービック・コンピューティング]