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●IntelがDDR333サポートをOEMメーカーに通知
Intelは、次期チップセット「Springdale(スプリングデール)」で、DDR333をメモリに採用する。また、ワークステーション用チップセット「Granite Bay(グラナイトベイ)」でも、DDR333を採用する計画を持っているようだ。以前のレポートでは、まだ定かではなかったIntelのDDR333サポートが、IDFでの各業界ソースからの情報により明らかになった。
ある業界関係者によると、IntelはSpringdaleのメモリインターフェイスについて、DDR333サポートで、シングルチャネルとデュアルチャネルの両構成が可能と説明を受けたという。また、別なソースによると、シングルプロセッサ構成のワークステーション用チップセットGranite Bayも、デュアルDDR333構成になるという。だとすると、デュアルプロセッサ構成のワークステーション用チップセット「Placer(プレイサ)」も、デュアルDDR333メモリである可能性が高い。IntelはDDR333サポートへ向けて急速に傾きつつあるようだ。
Intelの2003年でのDDR333サポートは、ここへ来て業界関係者の間でのウワサが急速に広まっており、IDF前に、ほぼ確実な路線となっていた。あるメモリ業界関係者によると、SpringdaleでのDDR333サポートが決まったのは、じつは昨年中だったという。このコラムで、IntelのDDR II戦略をレポートしている最中に、さらに事態が変化していたことになる。ここへ来て、DDR333が盛り上がり始めていたのには、そうした背景がある。
●Prescottのために必要なデュアルDDR333
ただし、今の段階でもまだIntelの正確なDDR333サポート時期は定かではない。チップセットのスケジュール自体は、Springdaleは2003年前半、Granite Bayは2002年後半に登場予定だ。そのため、2002年中にDDR333を持ってくるという見方もある。しかし、Granite Bayが最初からDDR333をサポートするかどうかはわからない。メモリ業界関係者には、IntelのDDR333のバリデーションなどの時期から考えて、2002年中のサポートは疑わしいという声もある。
Intelのデスクトップメモリロードマップ |
右の図が、業界情報などをベースに、推定を含めて構成したIntelのデスクトップメモリロードマップだ。これを見ると、Intelは次世代CPU「Prescott(プレスコット)」の登場までに、デュアルDDR333のプラットフォームを用意しようとしていることがわかる。つまり、デュアルDDR333は、Prescottのためのものと考えた方がよさそうだ。
Intelは、OEMメーカーに対して2003年にはRDRAMベースの新チップセットがないと伝えている。そうすると、IntelはPrescottの性能を発揮させるためには、DDRベースでフルに性能を出せるプラットフォームを整えなければならない。デュアルDDR333は、そのための手段だと思われる。
もっとも、ある業界関係者によると、Intelは1チャネルで64bitのインターフェイス幅を必要とするDDRをデュアルチャネル構成にするのは、コストや設計容易性の面で問題があると考えていると伝えてきたという。デュアルチャネルDDRは、あくまでも次善の策で、PCでの基本はシングルチャネルがターゲットのようだ。おそらく、そのためにシングルチャネルで性能を上げることができる、DDR IIへのシフトを急いでいると見られる。また、図の真ん中から下のラインは、DDR333でもシングルチャネル構成になると見られる。
このほか、図の上ではIntel 850E(Tehama-E)がPC1066をサポートすることになっている。これは、Intelが一部のメモリメーカーなどにそう伝えたからだ。本当にサポートが実現するかどうかは、じつはまだわからない。しかし、850Eは533MHz FSB(フロントサイドバス)をサポートするため、本当はメモリもPC1066に引き上げない限り、FSBとメモリの帯域はマッチしない。
そして、同じことはPrescottとSpringdaleについても言える。つまり、PrescottのFSBはSpringdaleのメモリ帯域とマッチしているはずだ。そのあたりは追ってレポートしたい。
(2002年2月27日)
[Reported by 後藤 弘茂]