レビュー

マウスコンピューター「LuvBook H」でIris Pro Graphics 5200の性能を検証

「LB-H600S-SH」
発売中

価格:129,990円

 マウスコンピューターより発売中の、Haswell搭載14型ノートPC「LuvBook H」シリーズ。このたび、同シリーズのSSD+HDD搭載モデル「LB-H600S-SH」を試用する機会を得た。今回は、LB-H600S-SHのテストを通して、Haswell世代のCPUが備えるGPUの中で最上位に位置する「Iris Pro Graphics 5200」が実現するパフォーマンスについて探ってみた。

Haswell世代最上位GPU搭載の14型ノートPC

 LB-H600S-SHは、CPUにHaswellこと第4世代Coreプロセッサーの4コア8スレッドCPU「Intel Core i7-4750HQ」を採用。グラフィックスは、同CPUが備える「Iris Pro Graphics 5200」だ。メインメモリは、PC3-12800準拠のDDR3メモリを16GB搭載する。ストレージは、システム用の128GB SSDとデータ保存用の1TB HDDのハイブリッド構成で、SSDにWindows 8 64bit版がプリインストールされている。

 無線機能には、IEEE 802.11b/g/n対応の無線LANと、Bluetooth 4.0+LEを搭載。そのほかインターフェイスとして、筐体側面にUSB 3.0×3、Mini DisplayPort×1、HDMI×1、Gigabit Ethernet×1、SDカードスロット、音声入出力を、ディスプレイ上部には100万画素のWebカメラを1基備える。

 ディスプレイは、LEDバックライト採用の14型ノングレア液晶を採用。解像度は1,920×1,080ドットのフルHD。パネル方式については明言されていないが、視野角が広く、輝度、発色とも良好で、モバイルノートなどで採用が多いTN方式の液晶パネルと一線を画す、高品位なパネルが採用されている。

 筐体本体のサイズは340×253×20.9mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約1.8kg。付属のACアダプタの重量は実測で約440gなので、本体とACアダプタの重量が加わると、総重量は2.2kgを超え、鞄に入れて持ち歩くにはいささか重たい。

 筐体裏面には、2カ所の吸気口が設けられており、2基のファンでCPUやチップセットを冷却する仕様となっている。この冷却用ファンの動作音については、比較的CPU負荷の軽いアプリケーションを動作させている時は静かなものの、CPU負荷が高くなると一気に大きくなる。搭載CPUのCore i7-4750HQのTDPが45Wと高いため、静粛性については妥協が必要だろう。

本体正面。折り畳み時の厚みは約20.9mm
左側面。電源端子、Gigbit Ethernetのほか、Mini DisplayPort、HDMIといった外部ディスプレイ出力ポートが並ぶ
右側面。USB 3.0×3、SDカードスロット、音声入出力端子が設けられている
背面。ほぼ全面が排気口となっており、排熱が強化されている。
天板
底面。筐体底面。左右に冷却ファンの吸気口が設けられている
1,920×1,080ドット表示に対応する14型ノングレア液晶。LEDバックライトを採用し、視野角、輝度、発色とも良好
ディスプレイ上部のWebカメラ
ACアダプタ。ケーブル込みの重量は約440g

 キーボードは、6段配列のアイソレーションタイプを採用。ピッチは約19mmで、ストロークは約1.5mm。キーボード右側に配置されたキーの一部が横長になっているが、普段はノートPCをあまり使うことのない筆者でも特に違和感なくタイピングが可能だった。ポインティングデバイスには、クリックボタン一体型のタッチパッドを採用。ジェスチャー操作にも対応している。

アイソレーションタイプの6段配列キーボードを採用
ジェスチャー操作対応のクリックボタン一体型タッチパッド

4コア8スレッドCPUが強力なパフォーマンスを実現

LaVie Z LZ750/LS(PC-LZ750/LS)

 それではベンチマークテストの結果紹介に移りたい。ベンチマークスコアの比較対象として、NEC製Ultrabook「LaVie Z LZ750/LS」を用意した。Ivy Bridge世代の2コア4スレッドCPU「Core i7-3537U」を備えたPCだ。

 以下に比較する2製品の主要スペックをまとめた。CPUコア数やメモリの搭載量などに大きな差があるため、参考程度の比較として見て頂きたい。なお、実施したベンチマークテストは、「CINEBENCH R11.5」(グラフ1)、「x264 FHD Benchmark 1.01」(グラフ2)、「Sandra 2013.SP6 19.66」(グラフ3、4、8、9、10、11)、「PCMark 8」(グラフ5)、「PCMark 7」(グラフ6)、「PCMark Vantage」(グラフ7)。

【表1】比較製品の主要スペック比較
LB-H600S-SH LaVie Z LZ750/LS(PC-LZ750/LS)
CPU Core i7-4750HQ
(2GHz/4コア8スレッド/TDP 47W)
Core i7-3537U
(2GHz/2コア4スレッド/TDP 17W)
メモリ 16GB DDR3-1600/デュアルチャンネル 4GB DDR3-1600/シングルチャンネル
グラフィックス Intel Iris Pro Graphics 5200 Intel HD Graphics 4000
ストレージ 128GB SSD(システム用)+1TB HDD (データ用) 256GB SSD
OS Windows 8 64bit Windows 8 64bit

 CPU系のベンチマークテストでは、LB-H600S-SHが比較用に用意したPC-LZ750/LSを大きく上回った。両製品間の性能差には、CPUコア数の差が強く反映されている印象があるが、AVX2が有効な「Sandra 2013.SP6 19.66」のProcessor Multi-MediaのMulti-Media Integerにおいて、4倍ものスコア差がついているように、HaswellとIvy Bridgeというアーキテクチャの違いによる差も見て取れる。

 比較製品間のスコア差以上に気になったのは、LB-H600S-SHが示したスコアの高さだ。たとえば、3DレンダリングソフトがベースのCINEBENCH R11.5において、LB-H600S-SHは全コア利用時に「6.31」というスコアを記録している。環境が異なるため完全に横並びの比較ではないのだが、これはCore i7-4770Kレビュー時に測定したCore i7-2700Kのスコア「7.02」の約9割に相当する。

 Sandy BridgeはHaswellから数えて2世代前のCPUであるとはいえ、その最上位CPUの9割程度のパフォーマンスを実現するLB-H600S-SHは、下手なデスクトップPCよりも優れたCPUパワーを持った製品であると言えるだろう。

【グラフ1】CINEBENCH R11.5
【グラフ2】x264 FHD Benchmark 1.01
【グラフ3】Sandra 2013.SP6 19.66(Processor Arithmetic/Processor Multi-Media)
【グラフ4】Sandra 2013.SP3a 19.44(Cryptography)
【グラフ5】PCMark 8 v1.1.111
【グラフ6】PCMark 7 v1.4.0
【グラフ7】PCMark Vantage v1.2.0

 メモリ帯域幅を測定するMemory Bandwidthでは、PC3-12800(DDR3-1600)準拠のメモリによるデュアルチャンネル構成のLB-H600S-SHと、同じPC3-12800準拠のメモリながらシングルチャンネル構成のPC-LZ750/LSの間で、約2倍の差が確認できる。メモリチャンネル数の差が素直に反映された結果だ。

【グラフ8】Sandra 2013.SP6 19.66(Memory Bandwidth)
【グラフ9】Sandra 2013.SP6 19.66(Cache Bandwidth)
【グラフ10】Sandra 2013.SP6 19.66(Cache/Memory Latency - Clock)
【グラフ11】Sandra 2013.SP6 19.66(Cache/Memory Latency - nsec)

 LB-H600S-SHのバッテリ駆動時間については、電源プランの設定をバランスにし、画面の輝度を50%に設定した状態で、BBench(キー入力+Web巡回)を実施したところ3時間20分だった。強力なCPUを備えていることを考えれば悪くない結果と言える。電源供給が得られない場所で、緊急避難的に利用する分には十分だろう。

Haswell世代の最上位GPU「Iris Graphics Pro 5200」が実現する描画性能をチェック

 記事の序盤でも紹介したが、LB-H600S-SHが搭載するIntel Core i7-4750HQには、内蔵GPUとして「Iris Pro Graphics 5200」が統合されている。

 Haswell世代のCPUに統合されたGPUの最上位モデルであるIris Pro Graphics 5200は、デスクトップ向けHaswellで採用されている「Intel HD Graphics 4600」の2倍の実行ユニットを備えたGPUコアに加え、eDRAMと呼ばれる専用のDRAMを備える。このeDRAMの存在は、メインメモリの帯域幅という、CPU内蔵GPUにとってのボトルネックを緩和するものだ。

 それでは、Haswell世代最強の内蔵GPUの性能がどれほどのものなのか、ベンチマークテストで確認していきたい。実施したベンチマークテストは、「3DMark - Fire Strike」(グラフ1)、「3DMark - Cloud Gate」(グラフ2)、「3DMark - Ice Storm」(グラフ3)、「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク ワールド編」(グラフ4)、「PSO2ベンチマーク (フルスクリーン)」(グラフ5)、「MHFベンチマーク【大討伐】」(グラフ6)。

【グラフ12】3DMark - Fire Strike [Default / 1,920×1,080]
【グラフ13】3DMark - Cloud Gate [Default / 1,280×720]
【グラフ14】3DMark - Ice Storm [Default / 1,280×720]
【グラフ15】ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク ワールド編
【グラフ16】PSO2ベンチマーク (フルスクリーン)
【グラフ17】MHFベンチマーク【大討伐】

 ベンチマークテストの結果を見ると、Iris Pro Graphics 5200を備えるLB-H600S-SHが、比較製品のPC-LZ750/LSを圧倒した。実質的なCPUベンチマークである、3DMarkのPhysics Scoreなどを除けば、全てのベンチマークテストでPC-LZ750/LSに2倍以上の差で、極端な例としてPSO2ベンチマークでは13〜14倍もの差がついている。

 PC-LZ750/LSのメインメモリがシングルチャンネルアクセスという不利がある点に注意が必要だが、それを考慮しても大きな差である。

 ファイナルファンタジー XIVやPSO2ベンチマークなど、一部のベンチマークテストでLB-H600S-SHが示した数値は、実際にゲームプレイが可能と言えるレベルのものだ。Iris Pro Graphics 5200がもたらす3D描画性能は、従来のIntel製CPUに統合されていたGPUのそれとは一線を画すものであり、内蔵GPUだからと言って侮れないものである。

デスクトップPCを置き換えるパワフルなノートPC

 Core i7-4750HQは、並のデスクトップPCに引けを取らない強力なCPUパワーをLB-H600S-SHにもたらした。また、内蔵GPUのIris Pro Graphics 5200が実現する3D描画性能も強力であり、今回のベンチマーク結果を見る限り、比較的描画負荷の高いオンラインゲームであっても、リッチな設定にこだわらなければ十分プレイ可能だ。

 一方、強力なパフォーマンスの代償として、静粛性やバッテリ駆動時間が多少犠牲となっている。ACアダプタ込で2kgを超える重量も鑑みれば、常に持ち歩いて利用するというモバイルノート的な使い方には不向きかもしれない。基本的に電源の得られる場所で利用することになるだろう。

 優れた性能と、美しく高解像度な液晶パネルを持つは、デスクトップPCが占有しているスペースを圧縮したいと考えるユーザーにとって、魅力ある製品と言えるだろう。数世代前のデスクトップPCの置き換えであれば、よほど高性能なPCでもない限り、性能面で不満を感じることはないと言っていい。むしろ、性能の向上を感じられるケースの方が多そうだ。デスクトップPCの買い替えで設置面積の縮小も検討しているのであれば、LB-H600S-SHを候補に加えることをお勧めしたい。

(三門 修太)