2014年10月25日

2014年10月24日

2014年10月23日

不要PCを無償でリサイクル処分してくれるパソコンファーム利用体験記
〜宅配便で送るだけの超簡単システム

 株式会社ハイブリッジコンピュータが運営する「パソコンファーム」は、PCや各種電化製品を無償で回収/リサイクルしてくれる業者だ。今回、このサービスを実際に利用してみた体験記をお届けする。

 PCマニアにとって頭痛の種と言えるのが、その廃棄についてだ。2003年10月に改正施行されたいわゆる「PCリサイクル法」により、メーカーに対して個人向けPCの回収/再資源化が義務づけられた。ここで言うPCとは、デスクトップPC、ノートブックPC、ディスプレイ、ディスプレイ一体型PCを指す。
今回廃棄することにしたPC関連製品。その量に我ながらびっくり

 PCリサイクル法の詳細については関連記事を読んでいただきたいが、これにより、自治体によってはPCを粗大ゴミや不燃ゴミで出すことができなくなったため、リサイクルマークのないPCを処分するときは、約3千〜4千円の手数料を支払って、リサイクルに出す必要が出てきた。さらに我々にとって痛手なのは、これも自治体により判断は分かれてはいるが、自作用のPCケースもPC本体として取り扱われることがあるのである。

 筆者は、4月に引っ越しするにあたり、使わないPCおよびその周辺機器から、古い家財道具などをごっそり処分しようと考えた。その内訳はざっと下表のような具合だ。

 表の右側の数字がリサイクルあるいは粗大ゴミとしての処分にかかる料金で、なんと総額約3万5千円。この内1〜9がリサイクル法対象となるものだが、そこだけで約3万2千円かかることを知り、軽く引いた。ただでさえ引っ越し費用や、新規に買う家財道具などでお金が飛んでいくというのに、ゴミを捨てるだけで3万5千円というのはあまりにも痛い。そこで、PCなどを引き取って無償でリサイクル処分してくれるパソコンファームを利用することにした。

1 17型CRT 1 4,200
2 17型CRT 2 4,200
3 ノートPC 1 3,150
4 ノートPC 2 3,150
5 ノートPC 3 3,150
6 デスクトップPC 1 3,150
7 デスクトップPC 2 3,150
8 フルタワーケース 1 3,150
9 フルタワーケース 2 3,150
10 14型CRT TV 1,785
11 プリンタ1 600
12 プリンタ2 600
13 ビデオデッキ1 300
14 ビデオデッキ2 300
15 サブウーファー1 600
16 サブウーファー2 600
17 PS2 0

合計 35235

●3万5千円の処分料が1万円以下に

 パソコンファームの存在自体は、以前から知っていたが、利用するのは今回が初めてだ。その利用はいたって簡単で、リサイクルして欲しいものを三郷市にある同社に宅配便で送るだけだ。しかも、PCだとHDDや光学ドライブなどパーツがかけていても大丈夫だし、年式は問わない。それどころか、割れた液晶ディスプレイでも受け付けてくれるのである。こんなゴミ同然のものを送りつけて怒られないか心配になるくらいだが、大丈夫らしい。

 板橋区で粗大ゴミを出すには、前もって電話かネットで予約して、指定した日に出す必要があるが、ここでは事前連絡等は一切不要で、ただ送るだけでいい。つまり、ユーザーは送料だけでPCを廃棄できるのだ。

 筆者の自宅の板橋区から三郷市までPCやディスプレイを送るのにかかる送料はおおざっぱに言って1個1,800円程度。これが9個あるので、1万5千円前後ということで、リサイクル費用よりは1万5千円程度安くあげられることになる。

 だが、パソコンファームでは持ち込みも受け付けている。レンタカーを借りると、さらに安く上げられる。筆者の場合、ワンボックスのライトバンを使い、レンタル料は約9,000円だった。

 そして、パソコンファームでは、PCに限らずTVやDVDプレーヤー、エアコン、エレキギターなど、幅広い電化製品も受け付けている。詳細については、同社のサイトを見てもらいたいが、上述の表にある11〜17もその対象に含まれるので、粗大ゴミには出さず、ここに持ち込むことにした。

 こうして、廃棄にかかる料金を3万5千円から9千円にまで下げることができた。

●ただ宅配便で送るか自分で持ち込むかの手軽さ

 今回、パソコンファームが取材に応じてくれたので、持ち込みの手順や、リサイクル現場などをここに紹介しよう。
レンタルしたライトバンに荷物を積み込んだところ。ほぼ満杯になり、再びびっくり

 当然、取材することもあり、事前に時間を決めた上で訪問したが、通常、不要品を持ち込むだけなら、宅配便で送るのと同様、事前連絡は不要だ(ただし日曜は非対応)。ここで必要な作業は、荷物を下ろすと何を何台持ち込んだかその場でリストを作ってくれるので、その譲渡契約書に住所・氏名などを書くだけ。PC 2〜3台くらいなら5分とかからない。何とも手軽だ。

 PCの廃棄においては、データの流出が心配になる。とはいえ、事前に自分で専用ソフトを使ってデータを消すのが面倒なのも事実。パソコンファームでは、強磁気ディスクデータ消去機と物理的ハードディスク破壊機を用意し、物理的破壊以外は無料でデータを消去し、その証明書も発行してくれるので心配ない。また、パソコンファームではPCの内部構成についての対応はかなり柔軟で、HDDなど部品が欠けた状態でも引き取ってくれるので、HDDだけは自分で破壊して燃えないゴミに出してしまうという手もある。

 さて、普通にゴミとして処分するとお金のかかる作業を、パソコンファームではなぜ無料で引き受けてくれるのか? 同社では再資源化か再利用により利益を生み出している。

 たとえば故障したPCの場合、そのままでは無価値だが、メモリやマザーボードなどを分解することで、レアメタルを採集できる。また、プラスチックや紙も再資源化できる。

 完動PCの場合、OSを入れ直したりすることで、再販するものもある。これが再利用だ。当然、ここに送られてくるPCの多くは、古いものであり、誰が買うのかと思うかも知れないが、PC-9801やX68000などはビンテージ品としての価値があり、需要はあるのだという。また同社は海外への販路も持っており、古いPCだけでなく、CRTディスプレイなどもまだまだ海外では引き合いがあるそうだ。

うずたかく積まれたPCの山 本体として価値がないものは、パーツごとに分別される ヒートシンクは銅、アルミなど素材によっても分別
送ったときの段ボール箱やマニュアル類などの紙も焼却せず、再資源化される こちらは再利用予定のPC-9801の山 98NOTEも再利用向けで、こんなにある

 同社ではPCだけで1日300〜500台を受け入れており、再資源化と再利用の割合はおよそ半々。個人と企業では個人利用の方が多いという。やはり、PCリサイクル法の施行から利用が増えているそうだ。

 ちなみに、持ち込まれるPCの中には、なんとCore 2 DuoやCore 2 Extreme搭載機もあるのだという。同社スタッフは「人にとってはゴミでも、うちにとっては宝」と話すが、さすがにこれだけ新しく、高価なCPUをポイポイと捨ててしまうのは、考え物だと思う。

 なお、同社では宅配便による発送および持ち込み以外に、専用車をチャーターしての訪問回収も受け付けている。これは、距離や量によって料金が変わるし、同じ距離や量でも1階から運び出すのと、エレベーターのない5階から運び出すのとでは料金が変わる。つまり、引っ越し業者に頼むととほぼ同じだ。そのため、そのあたりを知らせないと料金は出せないが、今回の筆者の場合(ハイエースほぼ1台分を板橋から)だと、目安として2万5千円程度になる。手間をかけたくないという人には向いているだろう。

●財布にも地球にも優しいサービス

 このように、パソコンファームの利用は本当に手軽だ。あまりに手軽すぎるので、不安になって本当に送っていいのかという問い合わせも少なくないようだが、受け入れ対応品なら事前連絡なしに送りつけて構わない。対応リストにも非対応リストにも入ってないものの場合は、電話かメールで問い合わせてくれば教えてくれる。

 送料以外は無料で、処分したものは、何らかの形でリサイクルされるため、財布にも地球にも優しい。自作PCユーザーは、このサービスの存在を覚えておくといいだろう。

(2009414日)

[Reported by 若杉 紀彦]

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