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ついにカエルの合唱の法則が発見

研究の概念図
1月29日 発表

 独立行政法人理化学研究所は29日、カエルの合唱に法則があることを、音声可視化装置と数理モデルを利用して発見したと発表した。

 日本全域に生息するニホンアマガエルは、頻繁に水田で鳴き交わしているが、アマガエル同士が、互いに発声のタイミングを変化させながら、どのように影響を及ぼし合っているかは、個体ごとの発声のタイミングと位置の測定が難しいこともあって、これまで分かっていなかった。

 そこで共同研究グループは、アマガエルの鳴き声に合わせてLEDが点滅する音声可視化装置「カエルホタル」(特開2010-133964、米国特許8,416,957)を独自に開発。この装置を40台、水田に並べて点滅パターンを動画として撮影し、そのパターンを結合振動子系の理論を応用した数理モデルを使い“合唱の法則”の解析を試みた。

 この結果、野外では複数のアマガエルが交互に鳴き交わす傾向があることや、個体ごとは1~3m程度離れていることを発見し、さらに数理モデルを用いて、野外で観測した発声のタイミングと位置を定性的に説明した。

 今回利用した音声可視化装置と数理モデルは、日本のみならず、オーストラリア、パナマなどで他種のカエルの研究にも使っており、さらに、昆虫など、夜行性で音声を発する動物の行動研究への応用が期待できるという。

(若杉 紀彦)