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NVIDIA、リアリティーツアーレポート

~メックFPS「HAWKEN」のプロデューサーが実写版HAWKENに搭乗!?

6月18日 開催

 NVIDIAは18日、「リアリティツアー」と題した報道関係者向けイベントを開催した。

 同イベントは、その時の旬のゲームやテクノロジを取り上げ、技術者や開発者による解説を行なうとともに、それを「リアル」の世界でも体験しようというもので、近年、年に1~2回程度開催されている。過去の内容は、「バトルフィールド」の表現手法のセミナー+FPSを体感するサバイバルゲーム、アンチエイリアスのセミナー+カート大会など。つまり、技術セミナーにかこつけた懇親会である。

 今回のお題目はゲーム「HAWKEN」。同作品はこのたび完全日本語化が決定したメックFPS。国内でNVIDIAと協力して各種のプロモーションが予定されており、開発元Meteor Entertainmentのシニアプロデューサーであるポール・ロインド氏は、本イベントでHAWKENの紹介を行なったほか、パーツショップ店頭でのイベントや、ニコニコ動画にも登場する予定となっている。詳細は、イベントページを参照して欲しい。

 HAWKENは、通称メックと呼ばれるロボットを操り、マルチプレーヤーで対戦するFPS。現在はまだオープンベータ中だが、F2P(Free to Play)型のビジネスモデルを採用しており、製品版でもプレイ自体は無料でできる。装備を強化したり、筐体をカスタマイズしたりといったことに料金がかかるようになっている。

 ゲーム内の表示はすでに日本語化がなされているが、7月には、より日本語表現が洗練されるほか、サイトも日本語化され、支払いも日本円で行なうことができるようになる。

 従来のF2P型ゲームは、カジュアルゲームの類いが多く、グラフィック的には注目すべきものは少なかった。一方、HAWKENは、最新技術を用い、「AAA」(トリプルエー)と呼ばれる世界的トップタイトルに勝るとも劣らない緻密なグラフィックを実現している。

 具体的には、NVIDIAのPhysXを使ったAPEX Particle、APEX Turbulenceといった技術を実装。PhysX対応ビデオカードを利用すると、吹き飛んだ破片や火の粉などの表現がよりリアルになる。

ポール・ロインド氏
HAWKENの概要
メックの選択画面
攻撃力、防御力、機動力などの性格が異なるメックから好みのものを選んで出撃する
ゲームシーン。写真ではぼけて分かりにくいが、細部まで書き込まれた緻密なグラフィックがユーザーを引き込む
【動画】APEX ParticleやAPEX Turbulenceの効果を示すデモ

 そして、ロインド氏は、12月を目処に、APEX Destruction技術を実装する予定であることを明らかにした。これは、ミサイルなどを撃ち込んだ壁や床が実際に破壊されるというもの。グラフィック的には、物体を自然な形の破片に分解し、物理学に沿った形で処理する、そしてサーバー的には、物体の破壊をリアルタイムでマップに反映させるといった挑戦がある。そのため、当初破壊可能なマップは、専用のものが1つ提供され、従来のマップは破壊可能にはならない。しかし、破壊可能マップでは、壁の裏に隠れて敵の攻撃を防ぐといった、今まで当然だった手法が通じなくなり、新たなゲーム性が生まれる。

【動画】開発中のAPEX Destruction適用マップのデモ

 セミナー後、参加した報道関係者は、NVIDIAスタッフ、そしてロインド氏とともに、群馬県北群馬郡にある榊原機械株式会社を訪問した。同社は、環境保全機械の設計・製造・販売、知能ロボット開発、アミューズメント関連事業などを手がけているのだが、その技術を応用して、社員教育の一環として人間が搭乗可能なロボットを自作してしまったというとても変わった会社だ。

 しかも1つではなく、大きさや種類の異なるロボが数台いるのだが、中でも一番の目玉が、全高3.4m、総重量1,000kgwの2足歩行ロボ「ランドウォーカー」だろう。スター・ウォーズ好きからすると、帝国軍の「AT-ST」を彷彿とさせる。

 コックピット内部には、前進/後退用のフットペダルと、左旋回/右旋回用のフットペダルがある。一度に回れる旋回角度は狭いが、ペダルを踏み続けると、足位置を調整してから、また旋回するというように、インテリジェントな動作を行なう。コックピットからは足下が死角になって見えないが、コックピット内部には、足下のカメラ映像を映す液晶があり、これで足下を確認できる。また、左右それぞれの手で握るレバーがあり、これを使って本体両脇にある銃身で狙いを付け、スイッチを押してゴムボールを射出できる。まさにメックだ。

 2足歩行といっても、人間のように片足を上げながら進むのではなく、足裏についたローラーで片足ずつ滑らせてすり足で移動する。そう聞くと、肩すかしを食らうかもしれないが、本物を目前にし、そして実際に乗ってみると、これがなかなかの迫力。今回は、ロインド氏が記念として最初に搭乗、操作したのだが、日本語をしゃべれないはずなのに「行くぜぇ!」などと、時折片言の日本語で叫びながら、乗り回すほどの興奮ぶり。それもそのはず、同氏は根っからの日本アニメ好きで、無類のガンダムファンなのだという。もはや、完全に仕事を忘れて、素で遊んでるとしか思えないロインド氏だったが、こういったことがきっかけで、今後も海外の良作が日本語にローカライズされていけばと願いつつ、この記事のシメとしたい。

 なお、残念ながら榊原機械に行けば、誰でも自由に試乗できるわけではない。年に1~2度、主に子供を対象とした体験会を行なっており、そういう時に限定して、これらのロボを開放している。今後の予定については、適宜同社のホームページを確認して欲しい。

セミナーの後は、バスで榊原機械に移動
同社工場に着くと
シャッターが開き
ランドウォーカーが出迎えてくれた
左側面
この機関銃からは、実際にゴムボールを1発ずつ発射できる
右側面
こちらの機関銃からは、5~6発をまとめて連射できる
背面
正面中央にロゴ
足下。足を浮かすことはできず、足の下にローラーが入っている
【動画】ランドウォーカーによる歓迎パレード
一行を代表して最初にランドウォーカーに乗り込むロインド氏
コックピット内には足下の映像を映す液晶もある
このフットペダルで操作する
筆者含む他の報道関係者も全員ランドウォーカーを体験した
ランドウォーカーの機関銃の単体版。奥にあるインベーダーの的は左右に動く。ちなみに、銃を構えるのはライターの平澤寿康氏
こちらはキッズ用のサイクロプス
このアームを動かすと、その通りに左右の腕が動く。ドリルは回転もする
乗り込むとこんな感じに
こちらもキッズ用のキッズウォーカー
サイクロプスにもあるが、ものをつかむアームは、手を挟んだりしても、そこで止まる安全設計が施されている
試乗しているのは、NVIDIAアジアパシフィック地域シニア・テクニカル・マーケティング・マネージャーのジェフ・イェン氏。キッズ用なのでちょっと窮屈
2輪型バギーとでも言うべきEHV。これも前進/後退/旋回ができる
実際には背後に補助輪がある
爽やかなポーズを取ってくれたのはライターの西川善司氏
移動に加え、手元のスイッチでパンチを繰り出しボクシング対戦ができるメックボクサー
普段は公開されていないUFO型遊具も特別に公開してくれた。こちらは手のレバーで操作する。運転するのはNVIDIAジャパンマーケティング本部の中村かおり氏。新婚

(若杉 紀彦)