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NASAラングレー研究所がオスプレイ風の無人電気飛行機を開発中

NASAラングレー研究所が開発中の無人電気飛行機「GL-10 Greased Lightning」

 米航空宇宙局(NASA)のラングレー研究所は19日(現地時間)、電気駆動の無人航空機のテスト風景を公開した。1903年に世界初の動力飛行を成功させたライト兄弟の弟、オーヴィル・ライトの誕生日を記念して制定されているNational Aviation Dayに合わせてのもの。

 写真が公開された機体は「GL-10 Greased Lightning」と呼ばれるもので、機体の幅は10フィート(約3m)とされている。写真では、主翼に8個、尾翼に2個のモーター駆動のプロペラが上を向いて回転していることが分かる。

 この写真だけを見ても仕組みがよく分からないが、ハイブリッド電気飛行機に関するNASAの論文「Benefits of Hybrid-Electric Propulsion to Achieve 4x Increase in Cruise Efficiency for a VTOL Aircraft」に、この機体のコンセプトが説明されている。

 この論文で「Greased Lightning」と呼ばれている本機は、翼が回転するいわゆるティルトウィングを採用する航空機だ。昨今話題に上がることが多い米軍の輸送機「オスプレイ」に似た仕組みである。

【お詫びと訂正】初出時、本機の仕組みをティルトローターと記載しておりましたが、主翼ごと回転することから正しくはティルトウイング方式となります。お詫びして訂正いたします。

 離着陸時は公開された写真のように10個のプロペラを全て利用し上昇/下降を行なう。つまり、ヘリコプターのように垂直離着陸やホバリングも可能だ。そして前進する際には、ティルトローターを回転させてプロペラを前方に向ける。さらに、両翼端のプロペラ2個のみを回転させ、残りの8つのプロペラはブレードを折りたたんで空気抵抗を軽減する仕組みになっている。

 写真では上からロープのようなもので繋がれていることが分かるが、この状態での飛行に成功しており、2014年秋には自律飛行のテストも行なわれる予定であるという。

NASAの論文で紹介されている「Greased Lightning」の内部レイアウト
同じ論文内に掲載されているティルトローターとプロペラの動き。左が垂直上昇/下降、ホバリングの状態。右が前進時の状態

(多和田 新也)