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Intel、TSMCに「Intel 300シリーズ」チップセットの製造を委託か

~10nmの遅れで14nm製造ラインが逼迫

 台湾DIGITIMES誌は10日、Intelが、14nmプロセスで製造している「Intel H310」など一部300シリーズチップセットについて、TSMCに製造を委託すると報じた。

 同誌の情報筋によれば、TSMCはすでにIntelからSoFIAシリーズのSoCとFPGAの製造委託を請け負っており、新型iPhoneに採用されるというIntelのベースバンドチップも製造委託を受けているという。

 今回のTSMCへのチップセット製造委託は、Intelの14nmプロセス製造ラインが非常に逼迫していることを受けたもの。

 現在Intelの14nmラインは需要に対して半分程度の供給しか満たせておらず、TSMCに一部チップセットの製造委託を行なうことで、利益率の高いサーバー向けプロセッサおよびチップセットの製造に自社ラインを注力させたいと考えているという。

 この14nmへの需要過多は、Intelの10nmプロセスの開発が遅れていることが原因で、当初は2016年に量産開始予定だったCannon Lakeプロセッサは、現在のロードマップでは2019年第4四半期までずれ込んでいる。

 同誌によれば、マザーボードメーカーは2018年末までIntelの14nmチップセットの供給不足は続くと予想しているという。同誌は8月31日に、AcerのCEOであるJason Chen氏が、2018年下半期で世界的にPC市場が回復する見込みだが、Intelの14nmプロセッサの供給不足がベンダーのサプライチェーン管理に大きな影響を及ぼすだろうと発言していることを報じている。

 なお、本件についてIntelは同誌へのコメントを拒否している。