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米大学、モバイルWebページの読み込みを2倍高速化する手法

クライアント側で必要なコンテンツを全て判断する(図a) サーバー側から一部のコンテンツをプッシュし、コンテンツの依存関係を提示する(図c)

 米ミシガン州立大学は22日(現地時間)、モバイルWebページの読み込みを高速化する技術を発表した。表示に必要なコンテンツの依存関係を保存するプロキシサーバーを間に入れることで読み込みの最適化をはかる。有名な100のWebサイトで行なったテストでは、読み込み時間の中央値は10秒から5秒と、2倍近く高速化されたという。

 同大学によって発表された高速化技術「Vroom」は、クライアント(モバイル機器)とサーバーの間に必要なコンテンツの依存関係を保存するプロキシサーバーを入れ、読み込みの高速化をはかるというものだ。

 クライアント-サーバー間に第3のサーバーを介在させる手法自体は新しいものではなく、高速なサーバーへのページミラーや、対応したHTMLコードをあらかじめ読み込むAMPなどが存在する。しかし、ミラーではコンテンツの同一性やプライバシーの問題が、AMPではWebサイト側の変更が必要になる。

 Vroomは両者の”いいとこ取り”にあたる技術だという。サーバーがブラウザからリクエストを受けた際、リクエストを受けたファイルだけを送信するのではなく、ブラウザに依存関係にあるコンテンツの情報も送信するというものだ。技術的には、HTTPヘッダーを修飾することで実現される。

 また、レコメンデーションのある広告といった外部コンテンツについては、ブラウザに外部コンテンツをURLの状態でブラウザに渡すことでセキュリティ上の懸念を解消している。

 さらに、モバイル機器のCPU利用効率を最大化するため、サーバーからのコンテンツのプッシュとブラウザ側からのフェッチ(取得)のバランスを調整することを可能としている。