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阪大、表面の傷がほぼ100%完治する自己修復材料を開発
2016年11月11日 13:41
大阪大学らの研究グループは11日、傷を修復できるこれまでにない新しい設計原理の自己修復材料を開発したと発表した。
従来の自己修復材料は、へこんでも元に戻るという材料自体の特性を利用したものや切れても繋がる結合を用いたものが主流だったが、硬いものが傷ついた場合に修復しにくいという課題があった。
同研究グループは「ポリロタキサン」という特殊な構造の高分子をベースに、切れても繋がる可逆的な結合を導入した設計の自己修復材料を開発。溶媒を含んだ状態では、切断・再接触させても10分以内に修復率が元の80%以上まで回復し、溶媒を含まないフィルム状態では、表面に付けた傷が30分以内にほぼ100%まで回復するという、高速かつ高効率の自己修復性を示した。
本材料はさまざまな可逆的結合に適用可能で、設計の自由度が大きいため、広範な応用の可能性が考えらる。今後は自己修復コーティング材料のような化成品、止血シートのような医療用材料まで、幅広い分野で製品化に向けた検討を進めていく予定としている。
本研究は、内閣府 総合科学技術・イノベーション会議が主導する革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)の研究開発プログラムの一環として進められている。