イベントレポート
Edgeが生体認証対応、Ink機能強化。Xbox OneもUWPアプリサポートへ
~夏のメジャーアップデート「Windows Anniversary Update」で
(2016/3/31 13:30)
アメリカ カリフォルニア州サンフランシスコでMicrosoftが開催中のソフトウェア開発者向け会議「Build 2016」の初日基調講演では、この夏にWindows Anniversary Updateが提供されることが明らかになった。そして、それに伴うさまざまな新機能の搭載が予告された。
基調講演に登壇したWindows & Devices担当エグゼクティブ バイス プレジデント テリー・マイヤーソン氏は、「今日はMicrosoftがWindowsについて、今、何をやっているかを詳しくお知らせしよう」と話し始め、キーボードやマウス、タッチ以上のものとして、ペンや、ジェスチャなどをデバイスの枠を超えて提供することで、さらなる生産性を提供することを約束した。
マイヤーソン氏によれば、新しいWindowsは、よりセキュアで、よりパーソナルなものになるという。基調講演で紹介された4つの新機能はそれを支える技術だ。
まず、Windows HelloがアプリおよびブラウザのEdgeにおける生体認証機能をサポートする。これまではサインインの時にしか使えなかったWindows Helloだが、その認証と同じ方法で強固なセキュリティを保ったまま、WindowsアプリやEdgeでのWebアプリなどでの認証に対応する。これによって、Edgeは、最初で、そして、現時点で唯一の生体認証対応ブラウザとなる。
次に、各アプリケーションにインテリジェントな手描き機能をもたらすWindows Ink。画像にソフトウェア定規を置き、ペンで直線を引いたり、アプリ「地図」の上で道路をなぞって線を引くと距離が表示されたりする。地図では山登りのトレッキングコースを平面の地図でなぞった後、その地図を3D表示しても、手描きのラインがそのまま3D地図の上に再現される様子がデモされた。これらがOSレベルでサポートされる点に注目したい。
また、WordやPowerPointなどのアプリでも、オブジェクトを定規に沿って直線状にスナップさせたり、ラインを引いたりといったことができるようになる。AdobeのアプリであるIllustratorとのコラボも実現されるようで、複雑な曲線を持つテンプレートを使っての描画の様子などが紹介された。
さらに、WindowsストアにおけるCortanaコレクションが紹介された。Cortanaは既に1,000を超えるアプリがリリースされているそうだが、今後、Windowsにおける重要度はますます高まっていく。PCをよりパーソナルなものにし、役に立つ存在にするために、単なるデジタルアシスタントとしてではなく、ほかのCortana用アプリケーションと相互に接続し、ユーザーの役に立つものとなるという。ステージでは、スクラッチパッドアプリに「ママに明日電話する」と手描きでメモをすると、それをCortanaが認識して、タスクとして登録する様子が紹介された。
そして、UWPアプリがついにXboxに対応する。これであらゆるデバイスが、1つのWindowsストアでカバーできることになる。また、市販されているXbox Oneが、そのまま開発キットとして使えるようになることで、ソフトウェア開発者の裾野が広がることが約束された。
また、HoloLensを担当するOS GroupのTechnical Fellowであるアレックス・キップマン氏も登場、Build 2016の初日にあたるその当日から、開発者およびエンタープライズ向けにHololensの開発キットが出荷されることを発表した。ステージでは、HoloLens早期導入企業などが発表されたが、その中には日本のJALも大きくクローズアップされていた。詳細は不明だが、どうやら乗客がエンタテイメントとして楽しむものではなく、整備関連現場において、トレーニングやメンテナンスの用途で使われることになるようだ。これについては、JALが追って詳細を発表することになっているという。
なお、Windows 10 Mobileについては特筆すべき要素の言及はなかった。