イベントレポート

【イベント速報】現行SSDより7倍速い3D Xpoint搭載SSDのデモが初公開

~IoT向けCurieやFossil製Androidスマートウォッチも披露

Intel CEO ブライアン・クルザニッチ氏、右手に持っているのがCurieの実シリコン

 Intelが自社製品を利用した開発者向けに開催している技術カンファレンス「Intel Developer Forum」が、8月18日~20日の3日間に渡り、米国カリフォルニア州サンフランシスコにあるモスコーンウエストにおいて開催されている。初日となった8月18日には、同社CEOのブライアン・クルザニッチ氏の基調講演が行なわれ、Intelが現在開発している製品やソリューションが紹介された。

 基調講演での目玉としては、Intelが1月のCESで発表したIoT向けの超小型SoCとなる「Curie」(キューリー)の実シリコンや、先日Micronと共同で発表された画期的なフラッシュメモリとなる3D XPointを利用したSSDが実際に公開された。

Curieの実シリコンは第4四半期に出荷開始、3D XPointを利用したSSDを初公開

 IntelにとってのIDFは、以前はマーケティングとテクノロジに関するイベントという2つの側面を持っていた。CEOや各事業部の事業部長らが担当する基調講演は、どちらかといえばテクノロジよりマーケティング的なメッセージを打ち出す場として利用されてきた。

 しかし、現在のCEOであるクルザニッチ氏が、直接IDFを担当するようになって以来、開発者に向けたメッセージを強く打ち出すイベントに姿を変えている。今回もそうした色合いはより強くなり、基調講演の内容は、半導体メーカーというよりは、Makerのイベントの基調講演という雰囲気すらあった。

 そういった中、半導体関連の内容で注目を集めたのは、後半に行なった2つのデモだ。1つ目は、ウェアラブルなど小型IoT向けのSoCとなるCurieの実シリコンの公開。クルザニッチ氏は「Curieは第4四半期にOEMメーカーなどにサンプルを提供できるようになる、Makerにとっては非常にエキサイティングな発表になるだろう」と述べ、Curieの出荷を急ぐことを詰めかけた開発者に約束した。また、2014年に発表された時計メーカFossilとの提携の成果として、10月にFossilから発売される予定のAndroid Wear搭載スマートウォッチも公開された

【お詫びと訂正】初出時に、Fossil製スマートウォッチをCurie搭載としておりましたが、Curieは搭載しておりません。お詫びして訂正させていただきます。

Curieの実シリコン、第4四半期に出荷される予定
IntelがFossilと共同で開発したAndroid Wearのスマートウォッチ

 もう1つの注目は、先日Micronと共同で発表したフラッシュメモリ以外の素子を採用する3D XPointを利用したSSDのデモだ。現在のところSSDとしては最高速な部類となるPCI Express SSD(Intel SSD DC P3700シリーズ)と比較して、I/Oアクセス性能が7倍を超える性能を初期サンプルで実現できているとアピールした。

【お詫びと訂正】初出時に、「新しいフラッシュメモリ」としておりましたが、フラッシュメモリとは異なる素子でした。また、「ランダムアクセス性能が7倍」の箇所は正しくは「I/Oアクセス性能」となります。お詫びして訂正させていただきます。

 イベントの詳細は追ってお伝えする。

3D XPointを利用したSSDのデモ、右側のPCI Express SSDに比較して7倍を超える性能向上を実現した
3D XPointのデモで利用されたシステム

(笠原 一輝)