イベントレポート
ASUS、S/N比124dBのHi-Fiサウンドカード「STRIX RAID DLX」
(2015/6/5 02:13)
ASUSは、COMPUTEX TAIPEI 2015会場の同社ブースにおいて、未発表のHi-Fiオーディオ向けサウンドカード「STRIX RAID DLX」、「STRIX RAID PRO」、「STRIX SOAR」の3製品を展示した。
R.O.G.とは別のチームが開発したゲーミング向け“STRIX”ブランドのサウンドカード。ただしR.O.G.のサウンドカード「Xonar Phoebus」はゲーミングに特化しているのに対し、STRIX RAID/SOARはハイレゾの音楽や、映画のサラウンドを楽しむのに特化するという異なる方向性で開発された。位置付け的には「Essence」の後継に相当すると見られる。
最大の違いはオーディオプロセッサ。Xonar PhoebusはC-Media製の「CMI8888」、Essence STXはASUS独自の「AV100」(実体はCMI8788)という、いずれもPCI接続のチップが採用されていたが、STRIX RAID/SOARではC-Media製の「CMI6632A」というUSB 2.0接続のチップが採用されている。
このため、PhoebusとEssenceはPCI Express→PCI変換ブリッジをボード上に実装していたが、STRIXではPCI Express→USB 3.0のホストコントローラ「ASM1042A」を搭載し、オーディオプロセッサとの接続を実現している。
3モデルの違いはDACおよび外部コントローラ付属の有無。最上位のSTRIX RAID DLXは、DACにS/N比124dBのESS「SABRE9016」を搭載し、外付けコントローラユニットが付属。中位のSTRIX RAID PROは上記からDACをS/N比116dBのESS「SABRE9006A」に変更。下位のSTRIX SOARはRAID PROからコントロールユニットを省いたモデルとなる。
オーディオ向けの部品選別はEssenceシリーズを踏襲し、WIMA製のフィルムコンデンサや、ニチコン製のMUSE・KZとKTシリーズ電解コンデンサ、NEC Tokin製リレーなどを採用する。
オペアンプは3基が交換可能で、標準ではナショナルセミコンダクター製のLME49720NA(2回路入りのバイポーラ入力)を採用。このクラスのサウンドカードではかなりメジャーなオペアンプで、優等生だが面白味に欠けると言える。しかしそこは交換による楽しみの余地が残されていると考えるべきだろう。
コントロールUIも一新し、各種設定を1つの画面で行なえるようにした。また、STRIX RAIDシリーズの外付けコントローラでは、ショートカットなどを使わずにボリューム調節を行なったり、RAID Modeボタンを押下した後にダイヤルを回すことで変更するパラメータを1つ(録音音量、イコライザ、低音ブースト、サラウンド効果)設定できる。
音声出力は7.1chスピーカー用3.5mmステレオミニジャック×4、ヘッドフォン用3.5mmステレオミニジャック。いずれも最高192kHz/24bitの出力をサポートし、ヘッドフォンは最高600Ωのインピーダンスに対応する。なお下位2モデルのヘッドフォン出力時のS/N比は110dBとなる。なお電源はPCI Express用6ピンから取得し、カード上で独自に生成すると見られる。
Braswell搭載のMini-ITXマザーボードも
このほか、SoCにBraswellを採用したマザーボード「N3150M-E」、「N3150I-C」、「N3050I-C」を展示した。
N3150シリーズはクアッドコアのCeleron N3150(1.6GHz、ビデオ機能内蔵)、N3050I-CはデュアルコアのCeleron N3050(同)を搭載。N3150M-EのみmicroATXフォームファクタ、残り2機種はMini-ITXフォームファクタとなる。
いずれも大型のヒートシンクを搭載し、ファンレス駆動が可能。メモリはDDR3で、デュアルチャネルをサポートし、最大1,600MHz駆動、容量は最大8GBまでサポートする。
なおブースには、主要機能やスロット、コネクタだけを残し、そのほかの部品を一切廃した「DEMO BOARD」なるものが展示されていた。