イベントレポート

MSI、デスクトップ用ビデオカードを接続できる13.3型ノートを展示

「GS30 2M Shadow」+「GamingDock」

 台湾MSIは、2015 International CESのスイートにて、専用のドッキングステーション「GamingDock」を利用して、市販のデスクトップ用ビデオカードを接続できる13.3型ゲーミングノート「GS30 2M Shadow」(以下、GS30)を展示している。

 2014年9月に発表されていたものだが、発表当時は情報が少なかったため、どのように運用するのかが分かっていなかった。まず、ノートPC本体は、Iris Pro Graphics 5200を内蔵するCore i7を搭載することで、13.3型/1.2kgというモバイル向けの筐体でありながら、単体でも比較的高いグラフィックス性能を実現している。これに加え、市販のビデオカードを搭載できるGamingDockと接続することで、デスクトップPCと同等の3D性能を発揮できるようになる。

 GS30とGamingDockの接続方法だが、GS30のヒンジ部分に専用の端子があり、GamingDockの上に載せる形で接続する。同様の機能を持つDellの「ALIENWARE 13」と「Graphics Amplifier」はケーブルで繋ぐので、ノートとステーションをある程度自由に配置できるが、GS30の場合はステーションの上から動かせない。

GS30。基本的には一般的な13.3型モバイルノートと変わりない
右側面
左側面
天板と背面。ヒンジ部中央のスリットのようなところがGamingDockとの接続端子
GamingDock
ここにGS30を載せて固定する。取り外す時は右側のレバーを操作する。弊誌読者には、ファミコンのカセットを抜く要領、といった方が通りが良いかもしれない
左側面は、電源端子と、ビデオカードのI/Oパネル
右側面には、USBや音声入出力などの端子

 また、係員の説明によると、GS30をGamingDockに繋いでいる間は、GS30の液晶は閉じたまま利用するとのことなので、必ず外部のディスプレイとキーボード、マウスが必要となる。つまり、GS30は外部GPUを利用できるノートPCというより、デスクトップマシンに変身できるノートPCと捕らえた方が良い。ALIENWARE 13の場合、外付けGPUによる出力を、内部GPUのようにノートPCの液晶に表示でき、キーボードもノートPCのものがそのまま使えるのと比べると、周辺機器を揃える手間とコストがかかるが、そもそも本製品を購入するユーザーは、その辺りを織り込み済みで購入するだろうから、あまり問題にはならないかも知れない。

 一方、ビデオカードとの接続はPCI Express Gen3 x16となっており、x8接続であるALIENWARE 13+Graphics Amplifierのようなボトルネックが存在しない。加えて、GS30のGamingDockは3.5インチHDDも内蔵できる。

 このほかのGS30の主な仕様は、Core i7、メモリ最大16GB、SSD最大512GB(M.2×2/RAID 0)、1,920×1,080ドット表示対応13.3型非光沢液晶、Windows 8.1を搭載。

 インターフェイスは、SDカードスロット、Gigabit Ethernet、IEEE 802.11ac/a/b/g/n無線LAN、Bluetooth 4.0、HDMI 1.4b出力、USB 3.0×2、720p Webカメラ、音声入出力などを装備。オーディオコントローラはSound Blaster Cinema 2で、2W×2のスピーカーを内蔵。

 本体サイズは320×227×19.8mm(幅×奥行き×高さ)。バッテリ容量は47.36Wh。

 GamingDockの仕様は、ビデオカード用がPCI Express Gen3 x16、電源が450W。このほか、3.5インチHDD用SATA、Killer Gigabit Ethernet、USB 3.0×4、音声入出力、5W×2スピーカー、5Wサブウーファーも搭載する。

 本体サイズは364.4×209×197.7mm(同)、重量は4.2kg(ビデオカード、HDD含まず)。

(若杉 紀彦)