イベントレポート

Corning、USB 3.0光ケーブルをデモ

~既存ケーブルの半分の細さで、最長30m

会期:6月3日~7日

会場:Taipei World Trade Center Hall 1,3, NANGANG Exhibition Hall

Taipei International Convention Center

 米Corningは、COMPUTEX会場にてUSB 3.0およびThunderboltに対応する光ケーブルを展示、デモしている。

Mac Proとストレージを繋いで実際にデモしていた。上側がUSB 3.0、下側がThunderbolt

 CorningというとスマートフォンやタブレットのGorilla Glassシリーズが有名だが、光ケーブルでも長年の実績がある。同社のThunderboltおよびUSB 3.0用光ケーブルはすでに発表済みではあるが、USB 3.0については4月から出荷が開始されたということで、改めて展示、デモが行なわれている。

 一般的なケーブルは信号の送信用に銅線を使っている。銅線は外部の電磁波の影響を抑えるため、シールドで厳重に保護する必要があり、それによってケーブルがある程度太くなってしまう。

 これに対し光ケーブルでは銅線のようなシールドが不要なため、ケーブルを細くできる。実際、CorningのUSB 3.0光ケーブルは、従来の銅線型より太さを半分に、重量を8割減らすことができ、取り回しが楽になるという。

 また、光ケーブルは信号の減衰が少ないのも特徴で、間に増幅器などを挟むことなく、ケーブルを長くできる。Corningでは10mタイプを4月から出荷開始し、今年後半に15mと30mタイプも出荷する。

 端子からの信号は、コネクタ内部で光信号に変換され、Thunderboltでは4本、USB 3.0では2本の光ケーブルを通じて送信される。これに加えて、USB 3.0ケーブルは送電用に銅線も1本含まれており、ホストからゲストへ電力を供給できるようになっている。

 光ケーブルはガラスやプラスチックでできているため、あまり曲げられないという銅線に対する短所がある。しかし本製品は、完全に折り曲げても壊れたり、信号が途切れたりすることがない。実際ブースでは、4カ所をきつく折り曲げても、信号が問題なく送られることをデモしていた。

 このように銅線に対して良いことずくめではあるが、価格は10mで109ドルとかなり高価。よって、本製品はやや離れた場所にあるストレージと4Kの映像データをやりとりするような、プロフェッショナル向けと位置付けられている。

上側が銅線、下側がCorningの光ケーブル。10mといった長いケーブルだと、銅線は間にエクステンダも必要でかなり嵩張る
光ケーブルだが、このように曲げても支障が無い
こちらはさらにきつく4カ所を折り曲げているが、先端から光が出ているのが分かる

(若杉 紀彦)