イベントレポート

【詳報】ASUS、スマートフォンを着脱できるノートPC「Transformer Book V」

~超薄型2-in-1モバイル「Transformer Book T300 Chi」も

会期:6月3日~7日(現地時間)

会場:

Taipei World Trade Center NANGANG Exhibition Hall

Taipei World Trade Center Exhibition Hall 1

Taipei World Trade Center Exhibition Hall 3

Taipei International Convention Center

 ASUSTeK Computerは、COMPUTEX TAIPEI 2014開幕前日となる6月2日(現地時間)に台北市内のホテルでプレスカンファレンスを開催し、ノートPCやタブレットデバイスなどの新製品を発表した。

 速報でもお伝えしているように、4K表示対応のノートPCやディスプレイ、着脱式ノートPC「Transformer Book」シリーズの新モデル、LTE対応タブレットデバイスの新モデルなど、非常に多くの製品が発表された。本稿ではそれらのうち、着脱式ノートPCのTransformer Bookシリーズ新モデルについて紹介する。

Transformer Book V

 Transformer Bookシリーズ新モデルのうち、最も注目されたのが「Transformar Book V」だ。この製品は、従来のTransformer Bookシリーズ同様、液晶部とキーボード部が着脱式の構造を採用する、いわゆる2-in-1スタイルのモバイルノートで、クラムシェルノートとしてもタブレットとしても利用可能となっている。ただ、従来モデルから大きく異なる部分がある。それは、スマートフォンとタブレットのドッキングスタイルを実現した「PadFone」シリーズの構造も新たに取り込んでいるという点だ。液晶天板部分にはスマートフォンをドッキングする専用スロットが備わり、専用スマートフォンを着脱できるようになっている。

 OSは、スマートフォン側にAndroid 4.4、液晶部にWindows 8.1を搭載し、キーボードの専用ボタンなどを利用してそれぞれを瞬時に切り替えて利用できる。これは従来モデルと同じだが、Androidシステム側がスマートフォンになったことで、従来のTransformer Bookシリーズよりも柔軟な使い分けが可能となっている。

 例えば、スマートフォン単体ではAndroid 4.4、液晶部単体ではWindows 8.1タブレットとして利用でき、スマートフォンと液晶部をドッキングさせた状態では、AndroidタブレットまたはWindowsタブレットとして利用できる。また、液晶部とキーボード部をドッキングさせた状態ではWindows 8.1ノートPCとして、さらにそこにスマートフォンをドッキングさせるとAndroidとWindows 8.1を切り替えて利用できる。

 このように、Windowsノート、Windowsタブレット、Androidスマートフォン、Androidタブレット、Androidラップトップと5種類の形態で利用できるため、製品名もTransformer Book “V”(ファイブ)となっている。

 Windows側のシステムは、CPUがコードネーム「Broadwell」と思われる次世代Coreプロセッサの省電力モデルを採用し、メインメモリは4GB、ストレージは最大128GB eMMCを採用。液晶は12.5型IPSのHD解像度。

 スマートフォン側のシステムは、プロセッサに64bit対応クアッドコアAtomプロセッサを採用し、メモリが2GB、ストレージが最大64GB。背面に800万画素のメインカメラと液晶面に200万画素のサブカメラを搭載し、ドッキング時にはWindowsシステムからも裏面のメインカメラが利用可能。通信機能はLTEをサポートしており、ドッキング時にはWindows側からもLTE通信が利用可能となる。液晶サイズは5型のHD解像度。

 バッテリは液晶部およびスマートフォンに内蔵し、キーボードドックにはバッテリは内蔵しない。代わりに1TBのHDDを内蔵し、ノートPCモードでのストレージ容量の拡張を実現。バッテリ容量はWindowsシステム側が28Wh、スマートフォン側が2,550mAhで、駆動時間は約10時間。本体サイズおよび重量は、スマートフォンが73×148×11(幅×奥行き×高さ)mm、140gとなるが、液晶部およびキーボードドックのサイズと重量は非公開。発売時期は2014年末頃を予定しており、価格は未定とのことだ。

Transformer Book Vを紹介するASUS会長のJonney Shih氏
背面に専用スロットが用意され、スマートフォンを着脱できる
スマートフォンを装着した状態
スマートフォンは5型HD液晶搭載で、通信機能はLTEにも対応する
全てをドッキングした状態では、OSを切り替えてWindowsノートまたはAndroidラップトップとして利用できる。また、Windows上でスマートフォンの画面を表示して操作することも可能
スマートフォンを外すと、スマートフォンとWindowsノートとして別々に利用できる
キーボードドックを外すとタブレットとなる。スマートフォン装着時にはAndroidとWindowsを切り替えて利用可能
キーボードドックには1TBのHDDを内蔵
キーボードドック左側面にはUSB 2.0ポートを配置
右側面にはUSB 3.0ポートがある
ヒンジ中央のボタンを押すとキーボードドックとタブレットが外れる
液晶背面には、電源ボタンやボリュームボタンなどが見える
【動画】OSを切り替えている様子

Transformer Book T300 Chi

 Transformer Bookシリーズとして、「Transformer Book T300 Chi」も発表された。こちらは、液晶部とキーボードドックが着脱式となった、従来モデルに近い純粋な2-in-1モバイルだが、圧倒的な薄さを実現している点が大きな特徴。ドッキング時の厚さは前方の最薄部が5.25mm、後方の最厚部は14.3mmしかない。また、液晶部単体時には、最薄部3mm、最厚部7.3mmで、12.5型タブレットとして世界最薄としている。
 液晶は、WQHD(2,560×1,440ドット)表示対応の12.5型IPS液晶を採用し、非常に高精細。また、LTE機能を標準で内蔵している点も大きな特徴となる。CPUは次世代Coreプロセッサの省電力モデルを採用。メインメモリは2GBまたは4GB。OSはWindows 8.1またはWindows 8.1 Proになるとのこと。

 本体サイズや重量、バッテリ駆動時間など、細かなスペックは現時点では非公開。発売時期は2015年初頭を予定しており、価格は未定となっている。

薄型2-in-1モバイルのTransformer Book T300 Chi
液晶部とキーボードドックをドッキングさせた状態
液晶部は最厚部で7.3mmしかなく、12.5型タブレットとして世界最薄を実現
キーボード側もこのように非常に薄い。キーボードドック側面にはポートは用意されないようだ
キーボードとタブレットをドッキングさせた状態でも、高さは最厚部で14.3mmしかない
2,560×1,440ドット表示対応の12.5型IPS液晶を採用
キーボードドック。キーの配列や形状が従来から変更されている

(平澤 寿康)