パナソニック、夏休み恒例のPC組立教室に50組の親子が参加
~組立を通じてLet'snoteのファンになってほしい

Let'snote工房2012の参加者たち

8月24日 開催



 パナソニック株式会社は2012年8月24日、兵庫県神戸市のITプロダクツビジネスユニット神戸工場において、「手作りLet'snote工房 2012」を開催した。

 今年で11年目となる同工房は、小学4年生~高校3年生を対象に実施。全国から約500件の応募があり、北は千葉県、南は熊本県から、50人の親子が参加した。応募では福島県や新潟県からも申し込みがあり、男子が約6割、女子が約4割を占めたという。当選した50人の参加者の内訳は男子が27人、女子が23人。

 今年の工房で組み立てたのは「Let'snote SX2」。CPUにCore i5-3320M vPro(2.60GHz、ビデオ機能内蔵)、メモリは4GB、HDDは500GB、DVDスーパーマルチドライブ、1,600×900ドット表示対応の12.1型ワイド液晶、Windows 7 Professionalを搭載している。

 天板は7色の中から選択が可能で、天板カラーで最も人気が高かったのはマリアナブルーで18人。続いて、ライトニングオレンジ、スターダストブラック、ファンタズムパープルがともに7人、プロミネンスレッド、シルバーダイヤモンド、ジェットブラックがそれぞれ3人となった。

 ボディカラーは、シルバーダイヤモンドが34人、ジェットブラックが16人。キーボードではシルバーダイヤモンドカラーで選択できるローマ字スッキリキーボードを16人が選択した。

 参加費は12万円で、組み立て当日にPCを持ち帰ることが可能。参加者のオリジナルネームプレートが用意され、これを本体に貼付し、オリジナルPCが完成した。

●原田氏「Let'snoteのファンになってほしい」

 午前9時30分から行なわれた開校式で、パナソニックAVCネットワークス社ビジネスソリューション事業グループITプロダクツビジネスユニットの原田秀昭ビジネスユニット長は、「今日は2つのことを感じてほしい。1つは、今日、組み立てるSX2は、軽くて、薄くて、長時間バッテリ駆動を実現するLet'snoteシリーズの最新人気モデルであり、今日それを組み立てられるのは大変ラッキーである。これを作って、ぜひLet'snoteのファンになってほしいということ。もう1つは、PCの設計、開発、生産はすべて神戸工場で行なっている。モノづくりは簡単ではないが、今日は神戸工場の社員が、みなさんをサポートして、PCを完成させる。その体験した気持ちを思い出にしてもらいたい。世界でただ1台のPCを楽しく作ってほしい」と挨拶した。

 続いて、社員が扮するぶーすけとLet'snote博士によるコントを交えたLet'snote講座を開催し、18時間のバッテリ駆動が可能なことや、5年前のLet'snoteに比べて4.7倍もの高性能を実現しているというLet'snote SX2が持つ特徴や、構成する部品の役割などを説明した。

午前9時30分からスタートした開校式の様子開校式で挨拶するパナソニックの原田秀昭ビジネスユニット長原田BU長の挨拶に続いて登場したぶーすけとLet'snote博士
参加者を前にコントを繰り広げながら、SX2を紹介参加者とハイタッチしながら、組立会場に送り出す組立会場に到着した参加者。今年から参加者にはTシャツを配布

●1時間30分に及んだ組み立て作業

 開校式のあと、午前10時から組み立て作業が始まった。

 参加者2人に、サポートする社員が1人つくという体制で作業を開始。約1時間30分をかけて組立を行なった。今回の工房には、約140人の社員が参加して、あらゆる面から参加者をサポートしたという。

 組立作業では、25種類の部品と、28本のネジを使用。配線作業など、Let'snoteならではの細かな作業が相次いだのが特徴だ。開始から約1時間30分後の午後11時30分には、すべての組立作業が完了し、全員のPCが無事起動した。

 そのほか、会場では家族が参加できるPCを使った手作りうちわ体験コーナーや、パナソニック エナジー社の専任講師とオリジナル乾電池づくりを行なう、電池教室体験イベントなどを用意。一方で、参加者は、シールラリーを行ない、工場見学や落下試験などの検査設備の見学、電動ドライバー体験やはんだ付け作業体験など、工場ならではの体験を行なった。

 また、昼食時間に行なわれた「神戸工場検定」では、「落下にも強いLet'snoteは、どの位の高さから落とす試験をしているでしょうか」、「みんながつくったパソコンの重さは?」、「みんながつくったパソコンは、何個の部品でできているでしょう?」といった10問の出題に対して3択で答えるクイズを実施。子供たちが真剣な表情で挑戦していた。

 なお、この3問の解答は、「机の上から落とす高さ(76cm)」、「1.32kg」、「約1,850個」となっている。

 工房に参加した子供の間からは、「部品の数が多くて難しかった」、「配線が難しかった」といった声のほか、「いろいろなイベントを企画してくれてうれしかった」などの声があがっていた。

 梱包作業などのすべてのスケジュールが完了した午後2時40分からは、閉校式が行なわれ、パナソニック ITプロダクツビジネスユニットプロダクトセンター・清水実所長は、「今日、組み立てたPCは、約2,000点の部品で構成されており、その1点1点は、世界中の工場に勤務する数10万人の人たちが作り上げたものである。それによって、今日は世界に1台のPCが完成した。モノづくりの大変さと喜びを感じてもらえたのではないだろうか。大切に使ってもらいたい。今日、電源を入れて動作したときに拍手が起こったが、こうした感動を通じて、モノづくりに親しみを感じてもらえたらうれしい。我々は、その感動と喜びを、これからも伝えられるようなPCづくりをしていきたい」と語った。

 では、組み立ての様子を写真で追ってみよう。

全体を指導する先生。上からカメラを設置して作業方法を指示したベースユニット。いくつかの部品はすでに組み込まれているネジは区分けして用意。28本のネジを使用する
各種部品も区分けしておかれているキーボードトップケース
左からHDD、光ディスクドライブ、ディスクカバー、HDDダンパー最初の作業はフレキ処理。テープでフレキを固定する続いて液晶部分を倒して作業しやすいように設置
DCジャックホルダーを取り付けるネジで固定。最初のドライバー作業HDDフレキの接続。剥離紙をはがしてボトムケースに貼る
LANケーブルの接続を行なう原田BU長も子供たちの作業を真剣な表情でみつめるカメラケーブルの処理。細かい作業が続く
DCジャックケーブルの処理Bluetoothアンテナの処理。青い線がアンテナケーブル基板に電源ケーブルを接続
HDDダンパーを取り出すHDDフレキを通すHDDを取り出す
HDDの取り付けスイッチを取り付けるこれで内部への取り付けは完了
トップケースが登場するトップケースは立てながら各種配線の処理ドライブケーブルを取り付ける
ソレノイドケーブルの接続PADフレキを接続するトップケースを取り付ける
トップケースをネジで固定する続いてボトムケースのネジを締める。全部で20カ所を固定ディスクカバーを取り付ける
続けてキーボードフレキを接続するキーボード接続用の剥離紙をはがすキーボードを取り付ける
HDDカバーを取り付けるバッテリの取り付け作業完成したLet'snote SX2
全員で電源をオンした無事に全員のPCが起動した梱包作業を行なう。天板などをクロスできれいにする
続いて自分の名前が刻印されたプレートを貼る梱包用のシートの中に入れるPCを梱包箱に入れる
ふたを閉めて完成参加者には手づくり完成証明書が渡された自分が写った写真入りのマウスパッドも全員にプレゼント
参加者に配布されたシールラリーの用紙すべてのシールが貼られて完成した用紙
電池教室の様子。組立教室参加者の家族が参加してオリジナルの乾電池を作った
手作りうちわ体験コーナーの様子。イベントごとに各フロアを移動するという大道具係並の体制で臨んだこともあり、人気を博していた
休憩時間にはパナソニックが発売する各種PCを自由に体験できた工場の生産設備や試験設備を見学する参加者たち今年7月から導入したIPX5防水試験。2.5m離れたところからホースで水をかける
落下試験器の実演などを見学した電動ドライバーを全員で体験
はんだ付け作業の体験コーナーはんだ付けしたLEDライトはキャンドルライトとして利用
匠の技の実演には、なんとぶーすけが登場。参加者が約1時間30分かかったPCを9分25秒で完成させた的のむこうにはタフブック。そこに向かって水鉄砲で水をかけるアトラクションも用意
閉校式で挨拶するパナソニックの清水実所長最後は社員全員で参加者をお見送り
旗を振って参加者を見送る原田BU長清水所長も参加者を見送るそしてLet'snote博士とぶーすけもお見送りに参加

(2012年 8月 27日)

[Reported by 大河原 克行]