世界初、11.6型フルHDタッチパネル液晶を搭載するUltrabook「Aspire S7 11.6-inch Model」。重量は約1kgで、9時間のバッテリ駆動が可能 |
会期:6月5日~6月9日(現地時間)
会場:Taipei World Trade Center Nangang Exhibition Hall
Taipei World Trade Center Exhibition Hall 1/3
Taipei International Convention Center
COMPUTEX TAIPEI 2012開幕を翌日に控えた6月4日、Acerはプレスカンファレンスを開催し、今後発売を予定している新製品の発表を行なった。
今回発表された新製品は、3モデル6製品で、全てがWindows 8搭載PCだ。その中で最も注目される製品が、Ultrabookの新モデル「Aspire S7」だ。11.6型液晶搭載の「Aspire S7 11.6-inch model」と、13.3型液晶搭載の「Aspire S7 13.3-inch model」の2製品をラインナップしており、どちらも液晶の表示解像度はフルHD表示に対応する。
また、Windows 8搭載ということもあり、双方とも10点マルチタッチ対応の静電容量式タッチパネルも搭載。11.6型フルHD液晶搭載Ultrabookや、タッチパネル搭載のUltrabookの発表は、このAspire S7が世界初となる。
Aspire S7は非常に薄く軽量なボディも実現。11.6型、13.3型ともに12mm以下と非常に薄く、フルHD液晶搭載Ultrabook世界最薄としている。展示されていた実機を見ると、前方から後方まで高さはほぼ均一で、横から見ると薄さが際立っている。高さ以外の本体サイズは未発表だが、展示機でサイズを計測してみたところ、11.6型が約284×195×12mm(幅×奥行き×高さ)、13.3型が約324×224×12mm(同)であった。いずれも現地での実測値なので正確な数字ではないものの、液晶ベゼルもそれほど幅が広くなく、十分コンパクトにまとまっている。
重量は、11.6型が約1kg、13.3型が約1.3kgと、かなり軽い。しかも、これだけの薄型軽量ボディを実現しながら、バッテリ駆動時間は11.6型が約9時間、13.3型が約12時間と長時間を確保。かなり優れたモバイル性能を備える製品と言える。
ボディはアルミニウム合金で、11.6型は液晶面、13.3型モデルは天板部分にゴリラガラスを採用し、薄型ながら剛性もしっかり。実際に手にしても、ボディのたわみなどはほとんど気にならなかった。カラーは、11.6型は底面がホワイトで、その他の面はシルバー。13.3型は天板と底面がホワイトで、液晶面とキーボード面がシルバーとなる。
CPUには超低電圧版のIvy Bridgeを採用し、双方ともUSB 3.0ポートとMicro HDMI出力に加えThunderboltも標準で搭載する。ただし、詳細なスペックは追って発表するとしており、現時点では未定。発売時期は、2012年第3四半期を予定している。
正面。高さは実測で約12mmだった | 左側面。前方から後方までほぼ均一な高さとなっている | 左側面後方に、電源コネクタ、Thunderbolt、電源ボタンを配置 |
背面。排気口が見える | 右側面。MicroSDカードスロットとヘッドフォン/マイク端子、UBS 3.0ポートを用意 | 天板はシルバー。acerのロゴも控えめで、シンプルなデザインを採用 |
底面はホワイト。手前の左右にスピーカーが見える | キーボードはアイソレーションタイプで、キーボードバックライトも搭載。ストロークはかなり短い。タッチパッドはクリックボタン一体型を採用 |
キーボードは、11.6型に搭載されるものとほぼ同じで、キーボードバックライトも搭載。ポインティングデバイスは11.6型のものより大型だ | 液晶面は180度以上開く |
Windows 8搭載スレートPCの新モデルとして、「ICONIA W700」と「ICONIA W510」の2製品を発表。ICONIA W510は1,366×768ドット表示対応の10.1型液晶を搭載するWindows 8スレートPC。バッテリ内蔵のキーボードドックが付属し、ドッキングさせることでクラムシェルスタイルのノートPC同等として利用したり、大きく逆側に回転させることで、クレードル的な使い方もできる。タッチパネルは静電容量式で、10点マルチタッチに対応。バッテリ駆動時間は本体のみで約9時間、キーボードドック装着時で約18時間。詳細なスペックや本体サイズ、重量などは未発表。
対するICONIA W700は、Aspire S7 11.6-inch modelと同じ、11.6型フルHDタッチパネル液晶を搭載するWindows 8スレートPCだ。こちらはW510のようなキーボードドックはなく、専用のクレードルに装着して利用したり、本体のみを持ち出して利用するスタイルのスレートPCだ。クレードルは縦置き横置き双方に対応するとともに、背面パネルの装着位置により角度も2段階に変更可能。バッテリ駆動時間は約8時間。こちらもスペックの詳細は未発表。
液晶一体型PC「All-In-One Uシリーズ」も2機種発表。23型フルHDタッチパネル液晶を搭載する「Aspire 5600U 」と、27型フルHDタッチパネル液晶を搭載する「Aspire 7600U」だ。OSは双方ともWindows 8を採用する。
Aspire 5600Uは、背面スタンドを調節することにより、液晶面の角度を85度から30度の間で調節できる、一般的な仕様の液晶一体型PCで、パーソナルでの利用を想定した製品。詳細なスペックは未発表。
対するAspire 7600Uは、27型と大きなフルHD液晶を採用する一体型PC。最大の特徴は、液晶面を水平に倒して利用したり、縦向きで利用できる高性能スタンドが採用されているという点。液晶の角度は90度から0度の間で自由に調節可能で、0度にして液晶面を水平にした状態での利用が可能。家族でタッチ操作の対戦ゲームを楽しむ場合など、液晶面を水平にすることでより扱いやすくなるとしている。また、ピボット機構により液晶面を縦位置にしての利用も可能だ。液晶面の角度調節には強い力は不要で、片手で楽々行なえる。ただ、展示機では若干液晶面のぐらつきが気になった。
液晶面は、厚さが約35mmと、かなりの薄型を実現している。タッチパネルには、静電容量式のものを採用しているが、最大64点のマルチタッチに対応するという。かなりの大人数で同時にタッチ操作を行なうようなアプリケーションでも、問題なく動作するとしている。こちらもスペックの詳細は未発表だ。
23型フルHDタッチパネル液晶を搭載する「Aspire 5600U」。本体下部が透明になっており、液晶部が浮いて見えるようなデザインを採用 | 背面のスタンドを調節することで、液晶面の角度を85度から30度の間で調節可能 | こちらは、27型フルHDタッチパネル液晶を搭載する「Aspire 7600U」。こちらも下部が透明となっている |
スタンド部は、液晶面を90度から0度の範囲で角度調節が行なえるとともに、ピボット機構も搭載 | このように、液晶面を水平にして利用できる |
タッチパネルは、最大64点のマルチタッチに対応。家族で対戦ゲームを楽しむなど、大人数で操作できる | このように縦画面にすれば、Webページの閲覧も快適 |
【動画】液晶面の角度を変えている様子 |
展示されていた試作機は、まだ細部の完成度が若干低いように見える部分もあった。それでも、Windows 8はかなり軽快に動作しており、今後完成度が高まれば、かなり魅力的な製品になるものと思われる。
今回のカンファレンスで発表された新製品は、全てWindows 8搭載製品で、AndroidタブレットなどAndroid搭載製品は全くなかった。発売時期も、2012年第3四半期を予定しており、かなり先に登場する製品ばかり。登壇したAcerのCorporate President、Jim Wong氏は、「Windows 8は、マルチメディアを進化させたWindows 95、インターネットを進化させたWindows 98に次ぐ、Windowsの非常に重要な革新である。」と語ったが、今回のカンファレンスで発表された内容からも、今後Acerがwindows 8対応製品に注力して取り組んでいく決意を表しているように感じた。
(2012年 6月 5日)
[Reported by 平澤 寿康]