イベントレポート

2020年までにDellのシェアは2倍になり、上位3社が75%を占める

〜大胆な予想をするDell副会長の自信の根拠とは

DellのJeff Clarke氏

 先日お伝えしたとおり、米Dellはビジネス向けノートPCおよびディスプレイの新製品を多数発表した。ノートPC製品群は、2015年に発売されたコンシューマ向けの「XPS」シリーズをベースに、ビジネス向けにも洗練されたデザインで、モバイル性を重視したラインナップを追加。ディスプレイも他社に先駆け有機ELの4Kモデルを発表している。

 こうした充実した製品群をもって、DellのJeff Clarke氏(Vice Chairman, Operations & President, Client Solutions)は、発表会の場で2016年もさらなる攻勢をかけると宣言した。

 2015年のPC市場は前年比で2桁近い落ち込みを見せている。しかし、「PC市場は死んでない」とClarke氏は断言する。実際、Dellの業績は11四半期連続で前年を上回っている。また、世界最小の13型ノート「XPS 13」が世界各国で賞を受賞する輝かしい評価を得たことなどもあり、このホリデーシーズンにおいて同社は、中国で1日に5万台を売り上げ、ブラジルでは350%の成長を見せ、米国ではMicrosoft StoreでDell PCが最も売れるなどの好調ぶりをみせ、12四半期連続の成長となることも確実という。

 「(発表会場に来ている)あなた方が今使っているのもキーボードの付いたクラムシェルノートであることが示す通り、生産的な仕事をする上でPCは必須であり、それはこれからも変わらない。そして、我々がPCをやっているからこそ、エンタープライズ事業においてもエンドツーエンドのソリューションを提供できる」とClarke氏は述べ、幅広く、かつ革新的な製品を開発、提供していることが同社の強みであるとした。

 また、同氏は、現在19億台のPCが世界で稼働しており、その内10億台は3年以上が経過したマシンであることから、そこに大きなビジネスチャンスがあるとする。

 ただし、Clarke氏の楽観的な見通しは、PC市場全体が成長するとしているのではない。PC事業は規模が物を言う。日本の総合メーカーが相次いでPC事業の分離を決断したことが示している通り、いくら革新的な製品を開発しても、世界市場で戦えるシェアがないと、利益を生み出せない。

 現在の世界シェアで10%以上を誇るのは、Lenovo、HP、Dellの3社のみ。3社を合計したシェアは50%を超える。そして、Clarke氏は、2020年までにこの3社のシェアは75%に達し、Dellのシェアは今の2倍になるとの大胆な予測を示した。言い換えるなら、これは、日本のメーカーだけでなく、4位以下のメーカーも競争から脱落しかねないということになる。

 もちろん、VAIOのように、投入する製品の性格や、市場を限定することで生き残っていく道もあるが、2016年は国内外を問わず、PCの勢力図が大きく変化し始める年となりそうだ。

(若杉 紀彦)